まとめ記事 流山

流山市の転入者アンケート結果(平成31年2月~令和元年5月)を見ている。
流山市を選んだ理由を見ると、トップが通勤・通学の利便で55%と突出しており、以下、住環境の良さ31%、気に入った物件があった28%、仕事・通学の都合25%、イメージ・雰囲気の良さ17%、地域の将来性11%、血縁11%等と続き、意外にも子育て支援策の良さは4%に過ぎなかった。
この結果を見ると、“母になるなら流山市”を謳う流山市であっても、居住地の選択理由は他の東京圏の地域と同様に、通勤・通学の利便性や適切な物件(価格)の存在が主要な選択理由になっている。
突出した通勤・通学の利便55%という回答については、つくばエキスプレスの開業やそれに伴う土地区画整理の影響を大きく受けていることが分かる。
住環境の良さとは何だかよく分からないが、流山市が言う“都心から一番近い森のまち”であることがその要素であるとするならば、埋め立て等によるものではなく、緑を切り崩して住宅地を確保する流山市にとっては、その緑と人の転入が背反する辛い状況を抱えているようにも思う。
緑がほどほどに残っている内に、がむしゃらに人口増を目指すことはやめて、ほどほどに住みやすい町であることを目指したらどうか。


流山市がブランディングプランというものを策定したとのことで見せていただいた。
流山市と言えば、今まで素晴らしいマーケティング戦略を進めてきて、既に“母になるなら、流山市”“都心から一番近い森のまち”"市民の知恵と力が活きるまち”というブランド(キャッチフレーズ)がマーケティング活動の中から育ち、確立しているじゃないかあと思ったり。
それだけじゃ足りずにブランディングプランで何を今後進めようとしているのか。

いやいやブランディング戦略って格好良いし全然良いんだけれど。

素晴らしいブランドが確立している流山市でさえ、市民の認識としては、“市ブランドへの共感・愛着に、結びついているとは言い難い”“市の知名度が上がった実感が無い市民が、いまだ多数”という認識だそうで、ブランディングプランでは、その先に“住み続ける価値の高いまち”を目指すということ。

この市民の認識、結構辛い。(^◇^;)

だけど、そもそも流山市もさいたま市もどんな方が新たに転入してくるのかと言えば、東京圏全体の経済活動に要する人的資源の居住場所の総量を引き受ける一角として、新たな居住ニーズに基づいて、住宅やマンションが建設された分だけ人が転入しているにすぎないのではないか。けっして他所に落ち着いて居住している方々を、他所との奪い合いで勝利して転入者を増やしているわけでもあるまいに。おそらくは転入者は自分の勤務や学業等の日常生活や、自分の生まれ故郷や実家に近いといった条件に絡んで住居を定めている部分が多いのではないかな。

流山市についても、マーケティングの秀逸さは勿論あるのだけれど、交通の利便性が図られたことや街の住宅地開発が人口増の原因の大きな部分を占めているのが現実だと思う。

今まで流山市が育ててきたブランドである、“母になるなら、流山市”“都心から一番近い森のまち”“市民の知恵と力が活きるまち”という言葉は本当に素晴らしいんだけど、その素晴らしさの成果はやっぱり現在の人口推移や転入率に含まれていて、今後、それ以上を求めるためには、ブランドに何かを求めるというよりも、現在あるブランドの素晴らしいイメージと現状の施策の差を埋めていくということじゃないかな。

つまり、総合振興計画を、マーケティングの考え方、コンセプトに基づいてしっかり施策を組み立てて回していけということなんじゃないかと思うな、流山市が今後すべきことは。

ブランディングは政策にとってあくまで手段であって目的ではないし、ブランドにこれ以上何かを求めるってのは、担当が辛すぎないかなあ。(^◇^;)


つまり、流山は今まで未開発であった部分が地域の多くの割合を占めることから、その多くある未開発地、それは地域にとって未来を作る唯一無二の大きな資源なんだよなあ。であることから、将来に渡って流山が生き残るために、それを最大限活用する必要があったんだと思う。もちろん、交通の利便性が飛躍的に向上したということもあるけれども。その大きな資源を他に先駆けて何かで埋めなければいけないからこそ、首都圏に潜在している欲望としての子育て世代を選択し、地域に積極的に子育て世代が住みやすい状況を作り、言わば子育て世代という市場をさらってしまったということなんだろう。そこにはニーズ調査などは要することのない戦略性、選択性があると思う。
流山というと、プロモーションの秀逸さが言われるけれども、実は、開発余地がまだ程よく残っていたという地域の成長度から言って、当然のごとくこのような地域戦略があったからこそ、このようなとんがったプロモーションがあると言って良いのだろう。
そのプロモーションは、地域を子育てに優しいという傾向にまとめあげることに絞られていて、素晴らしい。それはプロパガンダ攻撃と言ってもいいぐらい。☺
こういった戦略は、大きな開発余地もそれほどの割合では既に残っておらず、市民の構成としても既に多様な世代が万遍なく住む、言わば成熟しているさいたま市には、真似のしようの無いものと思うなあ。
一言で言えば、流山はほんとうに上手く市場を新たに作ったよなあっていうこと。☺
今頃そんなこと言ってるのって感じだけど、戦略性、選択性の大切さを痛感するわあ。難しいんだけどねえ。☺
総合振興計画をまた作らせてもらえるなら、重点戦略にもっともっと的を絞りたいな。
そしてまたプロモーションを任せてもらえるなら、もっともっと市場を意識したいと思う。


○流山市には広告の企画や作成などを担う「マーケティング室」という組織があり、この部隊が若い世帯にターゲットを絞り、誘致に奮闘しているのだ・・・。

なるほど。
マーケティングは”人や企業”を呼び込むため、
そして現に居る”人や企業”の満足度を高めるための戦略の基本だと思う!

○流山市にあるつくばエクスプレスの3つの駅のうち、2つは開通前、「流山中央」「流山運動公園」という駅名になる予定でした。開通の5カ月前まで、そう決まっていました。ただ、運営会社から、「本当にこれでよいのか」との確認があったこともあり、「流山おおたかの森」「流山セントラルパーク」という現在の駅名に変更したのです。

うんうん、流山やるねえ。
中途半端な田舎のイメージしかなかった流山だけど、まるでイメージが違うよね。


そもそも流山市もさいたま市もどんな方が新たに転入してくるのかと言えば、東京圏全体の経済活動に要する人的資源の居住場所の総量を引き受ける一角として、新たな居住ニーズに基づいて、住宅やマンションが建設された分だけ人が転入しているにすぎないのではないか。けっして他所に落ち着いて居住している方々を、他所との奪い合いで勝利して転入者を増やしているわけでもあるまいに。おそらくは転入者は自分の勤務や学業等の日常生活や、自分の生まれ故郷や実家に近いといった条件に絡んで住居を定めている部分が多いのではないかな。


なぜか埼玉県民からの支持がほとんどのさいたま市。
他県民は振り向きもしない偏りはなんだろう。
でも実は都内からの転入も多い。
県庁所在地、行政の中心であることが県内に広く訴求する浦和のブランド。文教都市であることもその求心力が前提だ。
浦和から県庁や市役所がなくなったらそのブランドは崩壊するだろうな。
吉祥寺もほぼ東京都民の支持。
他県から鉄道一本じゃ行けないしね。
しかし、人の意向って、一年でそんなに変わるものか。
上位の駅は結局都心から25キロ圏内だ。
マンション供給ランキングも同じ。
コロナウイルスの蔓延がリモートニーズを呼び起こすことができていないのか。
それともリモートニーズはもっと遠方の地に向かい、都心から25キロを越えた地域は、ニーズ空白地帯となってしまうのか。いわゆる"郊外"と呼ばれる地域が危ない。
人の意向は住宅供給状況にも引き摺られる部分もあるだろう。そのプロモーションで目につく地域が印象に残るだろうから。
流山のランキングの伸びが目立つ。
つくばエキスプレスの開業による利便性と再開発の煌びやかさ、流電と古い街の魅力が混在する。
山林を切り拓いて住宅用地もまだまだ供給できる。
プロモーションも人間味があり、ターゲットが絞られて分かりやすい。
新築マンション供給戸数ランキングも眺めてみる。
住みたい自治体ランキングも。


落語の紺屋高尾では、神田の染物職人が野田や流山のお大尽ということにして花魁に会いに行こうという一節があります。
当時から、野田は醤油で、流山は味醂で相当稼いでいたんですねえ。
5代目円楽の紺屋高尾がいい。


流山市の河尻さんが中心となって動いていただいている”シビックパワーバトル”!

この前は、自治体としてアイデンティティやシビックプライドを魅力として醸し出すことについては、政令市等の大都市よりも流山市のような小さな町の魅力が際立つことも十分有り得るよねっていう投稿をしたんだけれども、小さい町だと、より人間関係の絆はデザインしやすいだろうと思うしね。

でね、シビックパワーバトルをわくわくしながら迎えるにあたっての観点として、もう一つ思っていることは、参加する各市が、各々の魅力を他市と差異をもってプレゼンできないことだって考えられるよなということ。(笑)
そうなってしまうと、参加する自治体全部が敗北することになってしまう。っていうか、東京圏で暮らすことの魅力の無さ、つまらなさが客観的に初めて露呈することになってしまうだろうなということ。そんな危ぶみを感じてしまう。(笑)

こんな危ぶみを一つの可能性として感じるくらい、各自治体が一箇所に終結してバトルを繰り広げることの重要さ、そして、その大きな意味を感じるんだよな。

また、自治体の職員や市民の皆さんには、この機会を未来に向けた大きな意味合いのあるもの、そのきっかけにして欲しい。それはつまり、この機会に、自分達には無い他市の魅力をしっかりと掴んで欲しいということ。

各市のプレゼンする魅力は、望むべくは夫々の魅力が対立するものとして、様々な価値観を主張してもらって、その対立そのものが、東京圏で暮らすことの未来を見出すような止揚を招く契機となって欲しいと思うんだよねえ。


さいたま市は選ばれているのか。

さいたま市は、人口が増えていることをもって“選ばれている”と言う。
さいたま市の人口は、令和3年が1,324,589人、令和4年は1,332,226人。
1年間で7,637人(0.58%)増えている。
この数値をもってさいたま市が選ばれているとするならば、他の市は選ばれていない分けで(笑)、恐らくは近隣市や首都圏の政令市は人口増加率をもってさいたま市を下回っているに違いない。
さいたま市に隣接する川口市、川越市、越谷市、上尾市、そして首都圏の政令市として横浜市、川崎市、千葉市、相模原市他、
近隣の大小取り交ぜた自治体の人口増加率(数字を取る基準となる月は各自治体によっていろいろ)をもってざっくりとランキングをしてみようと思う。

■1、流山市 増加率    2.09%
 
令和3年  201982人  
令和4年  206137人 

■2、さいたま市 増加率  0.58%

令和3年 1324589人 
令和4年 1332226人

■3、上尾市 増加率    0.43%

令和3年  229517人  
令和4年  230507人 

■4、立川市 増加率   0.30%

令和3年  184577人 
令和4年  185124人 

■5、千葉市 増加率 0.16%

令和3年  975705人  
令和4年  977306人 

■6、所沢市 増加率  0.13%

令和3年  343637人 
令和4年  344070人  

■7、相模原市 増加率    0.07%

令和3年  725514人  
令和4年  726025人 

■8、川崎市 増加率    0.04%

令和3年 1538133人  
令和4年 1538825人 

■9、川越市 増加率  ▲0.05%

令和3年  353635人  
令和4年  353446人 

■10、世田谷区 増加率 ▲0.07%

令和3年  920372人  
令和4年  916208人 

■10、江東区 増加率 ▲0.07%

令和3年  526301人  
令和4年  525952人 

■11、横浜市 増加率  ▲0.09%

令和3年 3775352人  
令和4年 3771961人 

■12、川口市 増加率 ▲0.30%

令和3年  607373人  
令和4年  605545人 

■13、越谷市 増加率  ▲0.41%

令和3年  345482人  
令和4年  344080人

※例えば、毎年0.5%の減少って馬鹿にならなくて、人口が50万人いたとしてもそのペースで減っていくと、10年経てば人口は30万人を切ってしまいます。


要はブランディングは“戦略”だよねということですね。
だから目標の置き所により、その意味合いも異なってきます。
しかし、ブランドと様々な商品の乖離がどうしてもあって、(そもそもブランドが商品化の後付けとされるのが本当は変)そこに全信頼がなかなか寄せられないのが行政ですね。そして、信頼を寄せない人を商売の範疇から切り捨てられないとすると、そもそもブランディング自体の必要性も疑られてしまう。どちらかと言えば、行政は総合商社のように扱う商品が多様なので、商社の例のように、個々の商品を語るフレーズではなくて、コーポレートアイデンティティがあることと、そのブランディングこそ必要なんですよねえ。そのブランドの要素には歴史も文化も地勢も人間性も、地域が何を目的として運営されているのかも、それら全部が包含されますね。
ですから地域のブランドと総合振興計画の理念や目標が同じではないもしくはリンクしないってのはありえない。そこが、地域がブランドをものにするための最大の課題ですねえ。
流山市さんは、その規模や時間軸における立ち位置から、プロモーション上はほぼターゲットの切り捨てが上手くできた好例ですね。
ただ、だからと言ってそれをさいたま市は真似ることが許されないんですよねえ。


シティセールスって何?とか、その極意は何?とか未だに聞かれる。

まだ皆が把握しあぐねているこの言葉。😀

または意図的にその意味合いを知ることをスルーしようとしているこの言葉。

まあ、それは、事象とか表象、サーカムスタンスに、皆が望んでいる何らかの意味とか価値を、皆に届きやすいように形造るってことなんだろう。

シティセールスが目指す指標としては。

広報とか宣伝というのは、もちろん手法とかテクニックも必要なんだろうけど、

そもそも広報とか宣伝を ”しようとするもの自体”に、つまりは事業等の取組や地域資源自体に皆や社会の望むニーズが反映されて、例えば社会的、文化的、または国際的、経済的等、意味とか意義や価値が見出せるほど、その質が高まっていなければいけないんじゃないか。

だから、皆の気持ちにまで入り込んで、彼らのニーズを掴んで、いわば行政もマーケティングしていくということ。

それは役所の全部署が、総合振興計画等の進捗を進める中で普通に配慮すべきこと。

僕に言わせれば、流山市のマーケティング課さんは、その本質から言えば、地方創生担当課。

地方創生担当課さんが、その手法としてマーケティングに力を入れているっていうことなんだと思うんだ。^_^

しかし、マーケティングが市の施策推進の考え方としてしっかりと位置付いていることは素晴らしいこと。

そしてアウトバウンド(セールス)の前にインバウンド(マーケティング)在りきのような組織の名称も、ことの本質を言い得ている。

さいたま市では、マーケティングのマの字も定着していない。

組織として真面目じゃないと思う。


今までは、密を導く都市化こそが、自治体の成長の先にあるものだったり、都市であることが自治体の誇れるスティタスであったりしたのだろうが、コロナウイルスの蔓延が、リモートによる働き方の変化だけでなく、在宅における暮らし方そのものに影響を与えているように思える。

平日の昼間から住宅地にはお父さんとお子さんが親しく街を行く姿が多くなり、一見、街に活気がでてきたようにも見て取れる。

都心から鉄道で通勤時間が1時間とかかかる、いわゆる“郊外”が極まった地域は、緑や川、海等の水辺もあったりして、ゆったりとした毎日が送れる地域も多いと思うが、一番危機感を感じなければいけない地域は、都心から鉄道で20分とか30分程度(都心から20キロから~30キロ圏内)の関東平野の真っただ中にある“さいたま市”だ。

都心にその程度の近さでも、神奈川や多摩、入間方面には、豊富な緑や水辺も多く、在宅時が豊かな暮らしで満ちている。

しかしながら、“さいたま市”はどうだ。
まとまった緑地も大して無く、河川もそこで楽しむような整備はされていない。
この地域に住む人たちは、都内でショッピングやイベントを楽しみ、都内に通勤することで、サラリーマンとしてのプライドを保ってきた。

さいたま市の家に帰っても、何もすることはない。
楽しい施設もコミュニティも地域には何も無い。
さいたま市には、今までは都心に近いという魅力だけで人が集まってきた。
または、鉄道や航空でどこでも気軽に行けるという魅力もあった。
しかし、もう以前から言われているように、交通機関をICTが代替してしまえば、今まで以上に地域で楽しむ資源の豊富さが、その地域を選択する決め手になる。そして、今、そのさいたま市は、その決め手に欠けている。

そこをこれからどうするのか。
区制度を敷いていながら、区単位のハードな街づくりもなかなか顕在化せず、コンパクトシティが形成される方向性も見えない。
そこを今後どうするのか。

それは行政が今後の施策をどう選択しようとするかにかかっているのか。
それとも必要なのは市民がこれからの地域を自ら楽しもうとする”意識”なのか。

都心から20キロ~30キロ圏内というと、他にも、志木、新座、東久留米、西東京、稲城等もそうだし、横浜や流山もその距離に位置する。

その中でも将来の状況を先んじて敏感に感じ取り、適切に街づくりを進めてきた地域も勿論ある。


今日は土用丑の日。
鰻の蒲焼きで有名な浦和。
(と言っても、実は浦和区よりも南区に鰻の老舗は多いのですが)
で、浦和の鰻も、近くの野田の醤油や流山のみりんがあってこそ発展したのだとか。
こういう地域連携、良い話だあ。

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