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インターフェイスには、もっともっと工夫が必要だろう。

浅川智恵子IBMフェローは、日本IBMの学生研究員に応募し英語とコンピューター技術を生かして、英語の点訳システムの研究を開始した。
そして1997年にWEBページ上の文字情報を読み上げるソフトウェア「ホームページリーダー」を製品化した。この技術は視覚障がい者のみならず、運転中のドライバーや高齢者などパソコンを操作できない方でも、世界中の人とつながり、多くの情報を得ることを可能にしたとのこと。
そもそも、IBMのパーソナルコンピューター自体が、障害者や高齢者の情報アクセシビリティの改善なり、ユニバーサルデザイン、ダイバーシティを実現するツールとして生まれ、発展したのではなかったか。
多くの自治体がDXに関連するプランにおいて、情報弱者対策の必要性に一項目をとっている様だが、DXの推進なり、そこで取り込まれるべき仕組やシステムには、ユニバーサルデザインなりダイバーシティの実現に向けた方向性が目的の一つとして包含されているはずだ。
市民の中には、DX自体の必要性を疑う声や、DXを推進したとしても、障害者や高齢者などの情報弱者のためにアナログの仕組、紙ベースの処理を残すべきであると言う意見が相当数あるようだ。
こういった声は、障害者や高齢者にとって優しくて容易?に見える従来からの仕組と、DX施策が対抗するものと見えてしまっているらしい。
もちろん効率性を確保•進展させるためにアナログとデジタルが並立することは考えられないが、そもそも、DX自体の本来の目的の部分として、障害者や高齢者の情報アクセサビリティの実現や手間の削減、手続の容易化等が、当然DXのプランには位置づいているはずだ。
我々はそのようなことをきちんと市民に説明ができているのか。また、DXを進める現場にそのような方向性が浸透しているか。
政治家はそれを理解しているか。
それらをもう一度確認しつつ前に進んでいきたい。
そのような方向性において、特にインターフェイスには、もっともっと工夫が必要だろう。

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