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評価を何のためにする?

評価については、評価表云々の以前に、評価の手法をどう考えるのか、そして、評価表の作成に相対する職員の士気、能力、知識等の在り方について、より重く認識するべきであろうと思います。
さらに、言うならば、評価はPDCAサイクルの一段階にすぎないので、次の段階、つまり予算要求や施策の改善、新規施策の創出に繋がるような連続性をどういった形で実現するのかといったことが重要です。
例えば、記載内容が「○○が望ましい」とか、「○○を要する」、「○○の検討を行なう」とった具体性に欠ける内容になっていますと、施策の改善に直接結びついていきません。
評価表において振返りを行う時点を、職員は具体的な改善内容に言及し、十分な改革に係る企画作業を行なうステージとして捕らえなければなりません。  
今のところ、この評価の先に新たに各事務事業の改善について検討するプロセスや書式は存在しません。そういった情況でありながら、この振返りを記載する欄が不十分では困ります。
また、振返りにより新規事業を実施する必要性が出てくることも考えられますので、新規事業の事前評価作業を行うための書式もこの段階で用意をしておかなければいけないでしょう。
そして、拡大と判断された事業や新規事業等の費用と、廃止と判断された事業経費との相殺を想定することができるような次年度の予算見積もりも、この一連の作業(書式)の中で可能とするべきでしょう。
このような次年度につながる作業が確立すること無くして、次年度事業の施策単位の優先順位付け、予算要求、政策決定などできるはずがないのです。
評価表が施策単位になりますと、このように次年度事業の優先順位付けや予算要求に係る意識が、単なる事務事業評価の場合とは顕著に異なり、明確になってきます。
ここまで来るならば、事後の振返りがしっかりと未来の事業へと繋がったと言って良いでしょう。そして、計画重視の行政・結果重視の行政が実現することになります。
また、評価表の記入においては、担当・課レベルの評価から、局レベルの評価まで整合性のある記述が望まれています。
これは、行政の姿勢を明確にするためには必要なことでありますが、例えば北区の評価表では、課長の評価、部長の評価、政策レベルの企画・総務部の評価を、それぞれの内容が異なった場合についても全て併記しており、実際はこのようにいろいろな視点が示された評価表の方が市民からすると検討しやすいといったこともあると思います。
先に掲げた担当レベルと局レベルにおいて段階評価(1から5までの5段階評価等)がなされることについてですが、そもそも段階評価を決するための各々の指標(根拠)が不明確であることも気になります。
JMAC構造改革推進センターの資料『行政評価・総合計画・予算編成の手法と事例紹介』において、「点数をつけて一定数以下は廃止という機械的な管理方法、評価ロジックなしの総合点数積み上げでは納得性なし」、「目的妥当性、手段の有効性や効率性などを同一の性格のものとして点数化して合計点出して、何が言えるのか?」という意見があります。
これらの段階評価は、それ自体の指標としての正確性の有無も問われていますが、これらの数字を積み上げて統計的に把握する意味も問われていると言えます。

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