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政策評価における事業横断的な分析

政策レベル(計画体系の上位目標)の評価を進めるためには、あたりまえのようですが、政策評価に適した指標を予め設ける必要があるとされます。

例えば、逗子市は逗子市経営戦略ブックを策定し、そこで重視すべき経営手法として市民とのパートナーシップを、そして取り組むべき課題として、教育、環境を明確に掲げており、市民もこれらの方針(基準)に則って評価内容を分析することができることになっています。

計画の進行管理を行うための資料づくりを行う段階で、何か、グラフ化等、視覚的に結果を示すことができないだろうかと考えてみたのですが、評価結果をとりまとめ、事業単位で評価された活動指標評価結果を、複数まとめて施策単位で並べて見たところで、また、グラフ化してみたところで、やはり分析の意味が見出せません。

グラフ化して意味が出てくるようならば報告書も格好がつくのですが。

効果性・効率性等の評価は、事業を個別的に判断する内容であるし、各事業費を施策単位で総計してみたところで、それが多すぎるのか、少なすぎるのか客観的に判断できるわけでもありません。

そういった意味で、評価は数値等による段階評価(A~E 等)で、一見客観性のある評価を行なっているようですが、それは、やはり個別に事業について考える際のみに有効です。

評価内容の文字数についても配慮しなければいけません。

やはり、記述内容を充実させますと、その文章の中に職員や市民のニーズや素直な思いが反映されると考えています。

これは、市民満足度調査というか、アンケート等も、これと同じだと思います。三択の質問はほとんど意味が無いでしょう。アンケートも文章をしっかり書いてもらった方が良いでしょう。

また、施策単位の評価においては、この評価内容(文章)をテキストマイニングする必要があると考えています。テキストマイニングすることにより、各事業や各施策を貫く新たな指標(傾向)が見つかるのではないかと思っています。

従来の事務事業評価は当初定める指標が固定的で、個別事業単位で限られた評価目的は実現するのですが、上位目的に立って事業の横断的な分析を進めるために必要な指標は用意してこなかったのが実態だと思います。

そんな新たな指標や、これから先、行政が実現すべき価値について洗い出して、新たな政策、新規施策、新規事業につなげるのが施策評価、政策評価では無いでしょうか。

従来はテキストマイニングの手法を事務事業評価に取り入れているところはほとんど無いと思いますが、これができて初めて政策評価らしくなると思います。

横須賀市は、政策評価について、市民の満足度評価をもって、そう呼んでいますが、これは、新たな指標、新たに望まれている行政が実現すべき価値について住民の意識に全て委ねてしまっているように思われます。

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