見出し画像

EBPM

さいたま市行政デジタル化計画アクション・プラン(令和3年3月)によると、用語解説のところには<EBPM>Evidence-Based Policy Making(証拠に基づく政策立案)の略。(1)政策目的を明確化させ、(2) その目的のため本当に効果が上がる行政手段は何かなど、「政策の基本的な枠組み」を証拠に基づいて明確にするための取組。・・・とある。
そして、施策目的のところには、“市役所の業務で得られた各種データやレポートを集積・共有するなどして、全庁におけるデータ活用を促進する。”“データに基づく課題分析や市民ニーズの把握、組織マネジメント等(EBPM) を推進する。”とある。
そして、実施内容としては、“特別な知識がなくても職員自らがデータを分析・活用できる「セルフサービス BIツール」である「さいたまシティスタット基盤」を活用し、全庁的に可視化・ 共有すべき情報や各所管における課題の解決に必要な情報など、庁内のニーズに 合わせてレポートを整備する。” “データの可視化だけでなく、BIツールの機能を活用した事務の効率化にも取り組む。”とある。
一方、内閣官房行政改革推進本部の資料“各府省におけるEBPMの取組状況(令和3年11月4日)”には、EBPMの推進の考え方として“一連の政策プロセス(政策の立案・評価・見直し)におけるEBPMの普及・浸透を進めるとともに、政策手段と目的の論理的なつながりの裏付けとなるエビデンスにも焦点を当て、EBPMの質の向上を図っていく。”とある。さらに、EBPMの基本的な考え方として“EBPM(エビデンスに基づく政策立案)は、①政策目的を明確化させ、②その目的達成のため本当に効果が上がる政策手段は何かなど、政策手段と目的の論理的なつながりを明確にし、③このつながりの裏付けとなるようなデータ等のエビデンス(根拠)を可能な限り求め、「政策の基本的な枠組み」を明確にする取組。限られた資源を有効に活用し、国民により信頼される行政を展開するため、EBPMを推進する必要---とある。
そして、具体的にはロジックモデルの作成と、その予算プロセスにおける活用(①予算検討・要求プロセス、②主計局説明、③ステークホルダーへの説明、④モニタリング・効果検証(事前・事後)---への落とし込み)を図っていると記述がある。
両者(市のプランと内閣官房の資料)のEBPMの定義や活用方法に関する記述の量や具体性は大分異なる。
定義が曖昧なプランには適当な施策がぶら下がりにくい。

※そもそもEBPMを実践する各ステージを整備する必要があるのではないでしょうかね。事業・施策・政策と、様々な段階において、相当量のデータの活用、分析を可能とすることが、行政経営システム構築の前提となります。
いわゆる行政経営システム(ERP)の究極の形を求めるのならば、予算要求から財務会計、人材・組織管理のシステムまでつなげて、しっかりとエビデンスに基づく分析をするために、そのための効率的なデータの管理や一元化・活用が必要です。
日立総合研究所の高畑和弥さんと松井は、20年以上前から、中央政府/地方自治体は、政策を立案、決定する段階で現在の環境やこれから起こること、政策が住民や企業に及ぼす影響などを十分な情報を基に予測、検討し、政策の質を高めていかなければならない。」として、そのIT機能として以下の4点(4つのステージ)をあげています。

①情報共有支援
(情報を組織の壁を越えて共有する。)

②政策立案支援
(シミュレーション等により効果的な政策立案を支援する。)

③政策決定支援
(民意の生かされた政策決定を支援する。)

④政策評価支援
(需要予測・合理性・目標値の再確認と検証。)

そして、ITの活用により、「担当者の経験などの属人的要素に左右されることの多かった政策立案や政策決定に、より高い客観性を確保することができる。」と考えています。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?