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さいたま市が全国一位にランクされていると言う“さいたま市の中学生の英語力の詳細を少し見てみました。
これは、文部省の令和3年度英語教育実施状況調査の結果によるもので、CEFR(セファール)というイギリスの英語基準に英検等の取得点数を換算した時に、A1というレベル以上に何パーセントの中学生が入っているのかを調査したものとのことです。
このA1というレベルは6段階の最下位のレベル。
よく使われる日常的表現や基本的な言い回しを理解/使用することができる。自分や他人、居住場所、持ち物など、個人的な情報について質問したり答えたりすることができる。相手がゆっくり・はっきりと話し、助けを得られれば、簡単なやり取りをすることができる。
そういうレベル。
A1レベル以上のさいたま市の中学生の割合は86.3%。
これはとても高いレベルです。
全国の平均は47.0%。
国際派とも思える横浜市は54.9%。
神戸市は48.1%
さいたま市の次に割合が高い福岡市でも66.0%となります。
ただ、これは市内の公立中学校で取った数値です。
しかも実際に流暢に話す中学生の割合等は見ていない。
最低ランクをクリアした中学生の割合を何らかの目安にしようと数値を取ったものでしょう。
全国の私立中学校の生徒は調査対象外となっています。
ただ、このさいたま市の数値は極端に他市と比べて高いので、最低限のレベルを中学生にクリアさせるために相当な努力を教育委員会や学校はしたのでしょう。
調査結果にもありますが、さいたま市の英語検定試験を受けた中学生の割合は95.9%(全国平均は44.5%)と断トツの日本一な分けです。
おそらくは市を挙げて中学生に英検3級(A1レベル)を受験させているのでしょうね。
ただ、私立中学校を含めてまだまだ全国には、流暢に話せるというレベルも含めて上には上がいるように思いますし、調査するレベル(指標)の捉え方によって、調査の結果にも変動が出て来る可能性もあるでしょう。
こういった条件で出てきた数値によって、さいたま市は“全国トップの英語力”であるとプロモーションをしている分けです。
プロモーションなんていうものは所詮この程度のものなんですよね。
ただ、“全国トップの英語力”というコピーには疑問を抱かざるをえないけれど、教育委員会や学校にお任せすれば、子ども(中学生)の英語力を一定のレベルまで引き上げてくれるということは確かにありそうなので、教育委員会や学校、先生方のそういった努力を図る指標の一つであることは確かなんだと思います。

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