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新人歓迎会における乾杯の挨拶

新人歓迎会における乾杯の挨拶

皆さんこんにちは。
今日はお招きくださり、ありがとうございます。
さて、今なんといっても今世の中を賑わせているのは日大アメフト部事件。
違法な監督の命令に忠実に従って違法な行為を選手が行ったということですね。
あの選手はどうなるんでしょう。
どう処分されるのでしょう。
違法性なり責任なりを問われるのでしょうか。
で、似たような話が他にもあって、目を転じてナチスドイツの話です。
収容所の所長だったアイヒマンは、大量虐殺の責任について問われ、
私は自発的に行ったことは何もありません。
善悪を問わず、自分の意思はそこに介在していません。
ただ上司の命令に従っただけですと言いました。
日大のケースと話が似ていませんか。
で、実は皆さんについて言いますと、まあ日大事件と同じようなことが起こらないとは
限らないわけです。
皆さんは→違法な上司の職務命令に従わなければいけないのか。
地方公務員法第32条(法令等及び上司の命令に従う義務)
職員は、その職務を遂行するに当つて、
法令、条例、地方公共団体の規則及び地方公共団体の機関の定める規程に従い、
且つ、上司の職務上の命令に忠実に従わなければならない。と書いてある。
さあ、どうしましょうか。
ハンナアーレントという哲学者は、収容所長アイヒマンについてこう言います。
アイヒマンは、思考する能力を放棄しました。
自分で考えることをしませんでした。
その結果、モラルまで判断不能になりました。
思考ができなくなると、平凡な人間が残虐な行為に走るのです。
考えないと、間違った行為も平気でやることになります。
皆さんにも、これからもいろいろな力が上から下から降って来ると思います。
上司のパワー、市民のパワー、不当要求のパワー。
そういう時こそしっかり自分で思考を巡らして、
自分でできるだけ適当と思われる自分の行為を選択していくことが必要なんだと思います。
そういう難しい職務を担っている皆さんのために、そして、本日は社会人になったばかりの新人職員の方々のために、
そして、本日ご参加いただいている全ての皆さんの明るい未来とご健勝を祈念して乾杯したいと思います。




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