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もう区役所手続きに係るファストパスレーンを設置する考え方は古い。

もう区役所手続きに係るファストパスレーンを設置する考え方は古い。
長蛇の列の解消手段としてディズニーランドに現れたファストパスレーン。
皆が同じアトラクションに長蛇の列で並ぶことを避けるために、優先入場レーンを各アトラクション毎に整備したもので、お客さんが待ち(時間)状況を確認しながら、お客さんの都合を踏まえて、また、お客さんはほぼ無意識的なんだろうとは思うが、ディズニーランド側にすればアトラクション利用を分散するという期待も含みつつ、人気アトラクションの利用時間の予約を適正に配分しようとするものだ。
園内の各所にあるアトラクション毎の自動発券機にお客さん自身が“リアル”に出かけて、そこで利用可能時間を確認しながら、自分の一日のスケジューリングをして、そのスケジュールに合わせた紙の利用券を受け取ることができる。
しかし、アメリカのディズニーランドではこのファストパスレーンが既に廃止され、東京ディズニーランドでもこの発見機は幌をかぶせられたままになっている。
もう、東京ディズニーランドでも、各アトラクションの利用調整を図るのに、紙を使用する必要は既に無くなった。
密になる列を作ることを避けるためのコロナウイルス蔓延の対策なのかなと最初は思っていたが、今では、スマホ上のアプリにおいて、お客さんは一日のアトラクションから食事、ショー、買い物まで、ディズニーランド側の“抽選”という形の利用調整(利用の平準化)を踏まえながらも、一日のスケジューリングがとても容易になった。もう、園内のどこでも自分のスケジュールを組み立てて、それをスマホから確認することが可能になった。
今までは、もう何がなんでも早いもの勝ち!的なファストパスレーンが人間に与えるストレスっていうものはとても大きいものだったので、利用の公平性(だぶん公平なんだろう)や、平準化を踏まえた安堵感のあるアトラクションの自動的(他律的な)利用調整は精神的にも大分人間に精神の安らぎを与えてくれる。
このアプリによるディズニーランドの楽しみ方が定着するなら、もうファストパスレーンは復活することはないだろう。
最近、区役所窓口にファストパスレーンを作ろうという意向を持つ自治体が増えたが、隣でスムーズな手続きを行う人を横目で見ながら順番を待つのがストレスになるのはディズニーランドも区役所も同じだと思う。
このディズニーランドで稼働しているシステムがAIを活用したシステムなのかどうかは分からないが、電子申請対応から窓口・相談対応、そしてDXの成就までのインクリメンタルな改善に係る移行措置時期においてさえ、市民の公平や平準化を踏まえた自治体の窓口利用等に係る調整が自動的(他律的)になされるならば、市民に安ど感を与える素晴らしい取り組みとなるだろう。
これはまさにone to one 対応の発展形で、CRM(コールセンター)やマイポータルの今後の変革を示唆している。
そして、その実現におそらく絶対的に必要なのは、“DX”に係る創造性だろう。

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