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事業計画を立てる時に、各事業のロードマップを作ろうとする場合がある。
ロードマップだから、例えば策定期間が10年の計画ならば、10年後の目標達成までに、その間の10年の各々の年にどんな事業内容で進めていくか!を記載していく。

例えば、建物などの建築事業の場合は、最初の2年は調査、研究。次の2年は基本計画の策定、次の2年は実施計画の策定、7年目から3年間で建築を行う等々、事業のプロセスを順次記載していく。

しかしながら、例えば健康寿命の延伸とか温室効果ガスの排出量の削減とか、個人に対する啓発を地道に継続していくような事業も多々ある。
それらの事業は基本的には同じような啓発を毎年重ねていくということになる。

こういった継続的な啓発事業はロードマップを作成したとしても、毎年の取組の記載内容がほぼ同じになってしまうので、ロードマップの活用は、事業のプロセスを順次表示するという意味合いでは、あまり芳しくはない。

このような毎年の取組を一にする事業の場合は、事業内容では無くして、まずは10年後のKGIを設定し、そのKGIに至るまでに目指すべきKPIの積み重ね値を毎年順次掲示するようにしてはどうか。

ロードマップとしては、目指すべきKGIに至るまでのKPI(インジケーター)のロードを示すようにすると良いと思う。

策定期間が10年等の長期計画を立てる場合は、例えば首長の任期が4年なのに、なんで5年以降の取組内容を計画書に記載するんだなんてことを言う人もいるけれども、

事業の内容自体ではなくて、自治体が長期目標に向けてクリアすべきKGIやKPIをロードマップに示すなら、皆の理解が得られるのではないか。

それらの数値はまず事業ありきではなくて、将来像や長期目標からブレイクダウンして得ることができる程度の数値とする。

このようにKPIやKGIを皆で共有することにはさほど違和感を持つ人はいないだろう。

そしてそのインジケーターで測るべき事業の取組方法や内容は、その時々に市政を任された首長が判断して選択をしていけばよい。

もちろんKPIそのものだって、時の首長が変更しても、その説明に辻褄が合うなら構わないだろう。

人によっては、首長任期が4年なので、長期目標とか将来都市像を計画に掲げることを良しとしない人もいるが、やはり都市が一つの長期の仮説を立てて、それに向かって歩みを進めることは必要であり、その成就に向けて行われるその時々の事業の手法については、時の首長に任せるとしても、皆で将来を形作るためのインジケーターは予め明確にして共有しておきたい。

そういった考え方が良いと思う。

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