“一人ひとりを幸福にしようとする思い”(再掲)

“一人ひとりを幸福にしようとする思い”(再掲)

みなさんおはようございます。
寒い中、お忙しい中、お越しいただきましてありがとうございます。シティセールス研修、本日は「人が街に求めるもの」を踏まえて、ターゲットを意識した効果的なPR方法について考えていこうということで、先生をお招きいたしております。
その前に私の方からごあいさつも兼ねて雑談ということで、今までのシティセールス研修も若干振り返りながら、10分くらいお話をさせていただきたいと思います。
よろしくお願いいたします。
2月に入りまして、そろそろバレンタインデーも近づいてきたというところで、お相手がいる方はわくわくしたり、面倒くさかったりしていると思うんですけれども、これは一つのキャンペーンですよね。
バレンタインデーに好きな男性に女性からチョコレートを送るというのはみなさん御承知のことと思いますけれども、このバレンタインデーは日本で始まったという話があります。
京浜東北線を大宮駅からずーっと南に降りていくと大森駅がありますけれども、大森駅を過ぎるとすぐメリーチョコレートの工場があって、そのメリーチョコレートカンパニーというところが日本で初めてバレンタインデーを始めたと聞いています。
女性から男性に告白するという。それで、欧米では女性から男性にではなく、女性から女性でも、男性から女性でもOKということで、また、チョコレートでなくてケーキでもお菓子でもなんでもいいと聞くんですけれども、昔、ピーナッツという漫画があるじゃないですか。スヌーピーが出てくるやつです。あれを見るとチャーリーブラウンが出てきて、チャーリーブラウンが赤毛の女の子が好きで、その赤毛の女の子からチョコレートをもらうことをわくわくしながら待っているシーンがあったのを思い出すので、あながち欧米と日本がそれほど違わないんじゃないかとも思うんですけれども、そういうキャンペーンでチョコレートが売れ、その後はホワイトデーでキャンディーが売れるということですね。
良いセールス手法ですよね。
後はもう一つ、キャンペーンだと、ついでに話をしてしまいますが、皆さんもご存じの土用の丑の日にウナギを食べようキャンペーン、平賀源内が始めたと聞いていますけれども、さいたまのウナギ屋さんもそれでキャンペーンをやっていまして、土用の丑の日にはウナギを食べようということで。
去年の12月にウナギ屋さんに行ったんですけれども、浦和の美園に満寿家さんという古いウナギ屋さんがあって、そこに良く行くんですけれども、その店に土用の丑の日のポスターが貼ってあって、土用の丑の日ってそれを見たら年間3日もあるんですよ。夏だけじゃないんですね。11月と12月にもあったみたいで、僕が行った12月もちょうど丑の日で、うなこちゃんのビニールファイルをもらいました。そういうキャンペーンをやっていて、みなさん宣伝を工夫しながらがんばっているなあというところです。
僕はフェイスブックをやっているんですけれども、フェイスブックの友達になっている方で、三浦 展(あつし)さんという方、昔三菱総研にいて今コンサルタントをやっている人がいるんですけれども、その人が、千葉、埼玉、神奈川、東京に住んでいる人で20代から40代の方5000人の調査をやって本を出版しました。
住みたいまちはどこ?という質問をしています。
さいたま市絡みだと、14位に大宮が入って、33位に浦和が入っています。
埼玉県の南部に住んでいる人だけというところで回答を見ますと、住みたい町の1位が大宮、2位が浦和、3位が川口、その後、越谷、鎌倉、池袋と続き、なんで鎌倉なんだろう?よくわからないですけれども、北西部に住んでいる人(西武線の方ですかね)そっちの方の人で抽出すると、1位が川越に住みたい、2位が大宮、その後鎌倉と続くというところで、埼玉県内について言うと我々の街ってまぁまぁブランド力があるのかなぁという気がします。
三浦さんによりますと、2015年の国勢調査を見ると、人口の東京中心部への集中が進んでいると。
東京圏の都市でも所沢や多摩では30代が急減しているという話です。三浦さんの著書の中にも書いてあるのですが、さいたま市でも岩槻区では人口が減少しているという風に書かれています。
なんで東京に人口が集中しているのかといいますと、それは都内の住宅供給事情が良くなっているから。つまり住宅が購入しやすくなった、価格が安くなっているということだと思います。これは我々にとっても非常に関心を向けるべきことなのかなあと思います。
都内の住宅が高価だったから人が流れていただけの地域というのは、これからどう生き残っていけばいいのかということで、真剣に頭を悩ます状況になっていくんだと思います。さいたま市がそうとは思いませんけれども。
最近ちょっと思うんですけれども、どんなところに住みたいかと聞かれたときに、私は自分のライフスタイルに合っているとか、気にいっている土地柄とか、気の合った気持ちの良い人と交流できる土地とか、そういうところに住みたいよなあと最近本当に思います。
やっぱり終の棲家を選ぶということは、その地域で得られるサービスやもので土地を選ぶということとは、何か違うように思います。
土地への誇りとか愛着ということを醸成することが必要であるということがありますけれども、そういったこととですね、自治体間で争うような地方創生の総合戦略的にこっちが統計的に1番だとかこっちが2番だというようなこととは、なかなか相容れないような気もしています。
なにかそういう豊かな暮らしみたいなもの、例えば無印良品的な雰囲気だとか、スターバックスでコーヒーを飲んでジャズを聞いてゆっくりするとか、蔦谷書店のいい雰囲気の中で好きな本を探すとかね。僕自身はそういう雰囲気とかイメージが大切なような気がしていて。定性的な捉え方になりますけど。
いろんな自治体がありますけれども、それぞれの地域というのは全て一律の仕様書に沿って動いているわけではないですし、地域が醸し出す雰囲気とか包容力とか自然とかいうようなもの、地域に住む方々の人柄といったもの、そんなものはなかなか統計や数字では顕在化しないよなあとも思うし、変な喧嘩を他の地域に売らないでも、その地域の方々が好きだと思えるような、好感を持っていただけるような、また我々自身が、行政職員が自分が理想と考える街にしたいと、そういった施策を皆さんと進めたいなと思います。
そのためにはしっかりと一人一人の住民意識というか、それを踏まえたうえで、総合振興計画や、皆さんのところには色々な分野別計画があると思いますが、それらの計画を策定しながら、または毎年PDCAで過去の事業を反省しながら次年度予算を要求するとか、そういったプロセスをしっかり回すことが必要だろうと思っています。
皆、どんな街に住みたいと思っているんだろう。
そんなことを思い描きながら、
そして、我々にとって誰が顧客、ターゲットかを考えて、その顧客(彼ら)のニーズにぴったりするものやサービス、それは何かをまず考えて事業を組み立てるということ。PR云々の前にそういうことを押さえることが必要だと思っております。
以前から研修でこのようなことを言っておりますけれども、まずは彼市民にぴったりするものを企画、実現して、それを市民にPRしていこうと。
やっぱりシティセールスも一体的な総合行政システムの一部です。きちんとした施策がないと、当たり前ですが次の段階のPRには進めません。
みなさん大学でマーケティングを勉強した人も多いと思いますけれども、例のコトラーさんが、マーケティングの神様である彼が、マーケティングの理想は販売を不要にすることであると言っています。事業がニーズにばっちり合ったらプロモーションはいらないでしょう。プロモーションしなくても売れるよねという話だと思います。それを考えるとやっぱりOne to Oneということで、一人ひとり相対しようとする姿勢。一人ひとりを幸福にしようとする思い、一人ひとりからしっかり話を聞いて、一人ひとりのニーズにどれだけ応えられるかということがとても大切だと思っています。良いサービスなり事業なり、まずは顧客は誰なのか、誰に向けてサービスや情報を投げかけ、誰にどうなってほしいのかということを考える。
彼らに合ったサービスなり事業を作って、それで彼らにそれをしっかり届けるということが必要だと思います。
ニーズをまずは見極めること、それが鉄則だと思っています。
15年前位は行政CRMが流行っていたんですけれども。
これは、簡単に言うとコールセンターのシステムで、苦情や提言やなど、窓口や電話で拾ったニーズをしっかり事業のPDCAに活かしていくというようなものが流行っていて、うちもそのような形が発展してコールセンターが今動いていると思いますけれども、現代がビッグデータの時代といっても、その本質は、CRMと変わらないと思います。
ビッグデータからどれだけニーズをしっかりと拾っていくことができるのか、ということが重要なところだと思います。
ですから事業を企画する時点で、誰に向けた施策を作っていくのかということを押さえつつ、その後PR、セールスについては、しっかりとPR、セールスする適切な手法について考えていただきたいというところが、復習を兼ねた私からのお話です。
最後に、昨日総務省から、転入転出超過数のランキングが発表されていまして、住民基本台帳人口移動報告ということで、転入転出超過数、転出したよりも転入した人が多い自治体ランキングということで、さいたま市が市町村で東京都特別区も含めて上から4番目で、+8655人、転出より転入の方が超過しているというデータが出ました。これは一つの指標として、セールスの指標としてとってもいいと思っていて、転入者が多いということは、さいたま市に魅力を感じて来ていただいている方がいるということですし、転出者が少ないということは、魅力を感じていただいて市外に出て行かないでいただいているということで、そんな単純な話ではないですけれども、大雑把に掴めばそういうことで、大変喜ばしい話です。
みなさんも是非これを一つ指標として、もちろん市民の方の満足、一人ひとりの満足を、重要な一つの目標として事業を行っていただきたいし、一人ひとりに相対する事業が行われれば、市外の方にも魅力的に写りますから、そうやってシティセールスすることも大切なことでありますし、また市外へのPRについても意欲的に取り組んでいただければとも思います。
転入転出超過数については市役所全体の職員にとって、大変参考になりますし、その向上が誇りに繋がるでしょう。
さて、情報シャイネスという言葉を聞いたことがあるでしょうか?
シャイネスというのは恥ずかしがりという意味だと思いますけれども、梅棹忠夫先生という方をご存知ですか?知的生産の技術(岩波新書)という大ヒット本を書かれた方で、国立民族学博物館(いわゆる民博)を作った人なんですけれども、そこの梅棹忠夫先生が言っているんですが、「日本人は他を理解することに関しては非常に謙虚であるが、他人に自分を理解させようという点では極めて消極的である」と書いてあって、これは自分も含めてすごくそう感じているんですが、みなさんは自分のことをどう思われていますか?
他にPRすること、自慢話をすることは、どっちかというとやってはいけないというか、慎ましやかさを求めるというか、、強い自己主張は好ましくないというイメージを持っているんではないでしょうか?
我々にはそういう面がどうしてもありますので、それを踏まえた上でPRをより積極的な姿勢を持ってやっていただきたいと思います。
先ほども申し上げましたが、PR、セールスというのは、まずはきちんとその人にとって必要な事業を我々が作って、実施するわけですから、その事業やサービスをしっかりと必要な人に届けるために、その事業をサービスの情報を分かりやすく伝えていただくものだと思いますから、決してそんなにこれでもかこれでもかと主張して嫌がられるものでもない、やっぱりしっかりとやるべきものだと考えていますので、これからのシティセールス、PRを、市内外問わずみなさんと一緒にしっかりやっていきたいと思っておりますので、よろしくお願いいたします。
今までの研修は、「シティセールスとは何か」といった話だったりとか「こんなのぼりとかこんなイベントとかを活用しながらセールスをやっていこう」「宣伝文の書き方。コピーがあって、こんなマークを使って、つまりブランドを使ってセールスをやっていこう」とか、そして、前回は「コピー文の書き方」「リリース文の書き方」「キャッチフレーズの書き方」というところで、実践的な研修をさせていただいて、とっても沢山の反響をいただいて、本当にありがとうございました。
今回はですね、矢野経済研究所の池内先生にお越しいただきまして、「人が街に求めるものを踏まえて、ターゲットに合った効果的なPR方法」について講義をいただきます。
まちに対してどんなニーズを一般的に人は持っていて、その我々がターゲットとする人々に対しては、どんなツールをもってPRしていけばより効果的か、我々の日頃の仕事の中で活かせる事柄ですので、是非お楽しみに聞いてお帰りください。本日はお忙しい中お越しいただきましてありがとうございました。

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