DXの推進により区役所にあるカウンターやパーテーション、机等の什器類はどうなるのか。

DXの推進により区役所にあるカウンターやパーテーション、机等の什器類はどうなるのか。
自治体DX推進計画が具体的な日程をもって提示された今日は、DXを考えることは区役所の形態や什器の在り方を抜本的に捉えなおさなければならない“時期”であると言える。
DXとは、おそらく区(市)と市民の接点がリアルな場でなくなるとともに、マイポータルのようなサイトにおいて、市民が自ら自分のライフステージ(人生・生活)や、市や民間から受給できるサービスを選択的にコーディネートできるようになることだ。
であるから、我々が目指すところの区(市)と市民の接点とは、リアルな区役所という形態ではなくて、バーチャルなコンタクトセンターをその内部に構える“アプリ”になるんだろうと思う。
皆さんはディズニーリゾートのアプリをご覧になったことはあるだろうか。
それは、ディズニーリゾートで楽しむアイテムの全てが、ショーからアトラクション、食事、宿泊、グッズ購入等々について自分の思いをマネージメントできる、いわばディズニーリゾートのマイポータルとなっている。
早いもの勝ちで取得しなければならず、また、レーンに並んでいる時に他の人に追い越されるのもたいへん不愉快な“ファストパス”も既に無くなり、それらのアトラクション、レストラン、お土産物屋やショーへの参加、利用については、ディズニーリゾート側のおそらくは公平で最適な“抽選”によって割り振られることになっている。
そこでは早いもの勝ちにあるプレッシャーは感じない。
このように、ディズニーリゾートの中では、リゾート内で人がより良い時間を過ごせるように、いわばアプリの“マイポータル”化が既に完成している。
このマイポータルを利用するには、スマホ一つあれば事足りる。
このような便利なツールの利用範囲がディズニーリゾートからはみ出て全世界に広がれば、それが住民視点から人生を歩んでいくことができるようなDX(マイポータル)の完成形となるのではないか。
もちろん、考え方としては、アプリだけでなく、そこに従来のコールセンターが絡んでもよいし、グラファー(株)の提案するようなデジタルの活用による双方向の丁寧な“テレビ電話”(クラウド窓口)があってもよい。
しかしながらそれらのやり取りに係る基本は“デジタル”なので、“モノ”ではないし、“ヒト”でもない。
今までの区役所の職員は自宅でコールセンター機能を司るようになるかもしれないし、それさえもAIによるチャット機能が軽々とそれを代替してしまうような気もするが。そして、申請を電子で受けた後のバックにおける事務処理も、各々の区役所ではなくて総合的なデジタルな事務センターが担うことになるだろう。
このようなデジタルな世界では、デジタル上で、お客さんに“書かせない”“待たせない”“来させない”は当たり前で、同じく申請を受ける市にとっても、“書かない”“時間がかからない”“来ない”が当たり前になるはずだ。
これらがDXの成果目標だとすると、今のリアルな区役所は全く必要無くなるし、当然ながら什器類も全く不要になるのではないか。
もはやプリンターも不要となり、お客さんが来ないのだから、ハイカウンターもローカウンターも、自動交付機でさえ、そんなことはどうでもよくなる。
今もっとも必要なことは、マイポータルの各個人や家庭における利用環境をどう最適化するのか、ストレスフリーにするのかということにつきる。
その環境を最適化することで、手続き弱者にもしっかりと対応するとともに、その環境の利用方法についてエンパワーメントを充実させることが大切になる。
それはリモートワーク環境の発展形になるか。
それともそれは、例えばユニバーサルデザインのゲームセンターのようになるのかもしれない。
DXが推進され、改革や革命?が実現に向けて動いていけば、什器屋さんにとっては、厳しい事態になるのは必然であることから、什器屋さんが今後の収益モデルをどのようにリデザインしていくのかに期待したい。
アナログからデジタルに変わるということは、リアルな”モノ“がなくなって、0or1のデータに置き換わるということだから、什器屋さんのような業態には本当に厳しい世界が待っているように思う。
そして、従来の政令指定都市の区役所は、今後その形をどのようにメタモルフォーゼしようとするのか。

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