平成16年3月に完成した、さいたま市総合相談(CRM)システム基本構想は、市民本位の相談・苦情・要望対応システムの構築を目指したものだ。
ここにあるCRM(Citizen Relationship Management)とは、「顧客志向の行政経営」と訳すことができる。
さいたま市は、このシステム運用の成果目標を「市民本位のサービス提供の充実」とし、これによる“市民満足度の向上”を実現しようとするものであった。
具体的には、市民が行政サービスを受けるにあたって、サービス利用援助から苦情処理まで、サービス全般を市民の側に立ってサポートし、更にはその過程で抽出された市民の声を行政運営に反映していくことを目指すものだった。
このような「顧客志向」又は「市民本位」の考え方に基づいた総合相談(CRM)システム整備の目的としては、市民個々の状況に応じて必要な情報を迅速に得られる仕組みの整備、市民がサービスを選択するための相談・問合せ機能の充実、市民個々の属性・希望に応じた住民サービスの提供、市民の声によるサービス改善、事務改善の実現、市民参加による行政評価、市民意見による事務事業の推進が掲げられた。
この総合相談(CRM)システム基本構想を受けて運用が始まったコールセンターは、今現在これらの目的のどれほどを達成することができているだろうか。