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職場ではマニュアル通りに行動する能力はかなり高い。
しかし仕事の本質を元から考えて、自分なりの付加価値をつけ、新しい分野を開拓しようという気概や意欲を持つ人は非常に少なくなった。
さらにそれらの情熱を推し進めるのに必要な勇気などというものの存在も、おそらく聞いたこともないのだろう。
人に逆らっても、自分の信念の筋を通す人など、ほとんど見かけなくなったのだ。
霞ケ関の役人に接する度に、私は「前例だけで生きているんだなあ」と思うことが多いが、民間の仕事に従事する人も、ほとんど同じような発想しかしなくなった。
人間がまるで機械の一部のようになったのだ。

(抜粋:正論(曽野綾子))

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