住みたい街ランキング

こんな住みたい街ランキングの価値はもう消え去りました。
これは、一極集中のドーナツ都市、東京メトロポリタンエリアにおける”密”を前提としたランキングでした。つまり、単に通勤・通学・娯楽に要する都心への交通利便性を基本とした、旧来型の生活様式ありきの市民需要を元にしたランキングでした。
そこに見えてくる各都市のランクは、各々の都市における市民生活の充足度や都市インフラの熟度、都市の醸し出す楽しさや心地良さを示していたものでは全くありません。
これからは、新たな生活様式に依り、その街で(どういった)充実した人生を送ることができるのか。そういう需要(視点)が重要になります。ですから、今後は、こういった不動産屋さんのまとめる“住みたい街ランキング“等の指標は、全く参考にならなくなると思います。
そして、例えば水辺プロジェクト、吉祥寺のブックマンション、谷中のHAGISOの取組や、サードプレイス、喫茶ランドリーのような地域拠点の構築等、小地域において個々人の生活に寄り添うような取組を、都市の充足度を図る都市の魅力の要素として勘定する必要が出てくるはずです。(いわゆる東京の郊外と言われる地域では、そのような魅力がとても薄いと感じています。)
さらには、密な東京メトロポリタンエリアではなく、人口減少地域における、例えばICTを活用した徳島サテライトオフィスの取組等が現実味を帯びてきます。
東京圏の各都市が策定する総合振興計画が描く都市像も、また全く違うものになるんだろうと考えますし、行政の取組の重要ポイントもまた異なるものになるはずです。
区政の役割も、地域福祉やコミニティーの考え方や商業振興の取組も含めて、パラダイムは変わるはずです。と言うか、さらに従来からのあるべき取組に本腰を入れる必要も出てくるのではないかと思います。

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