HCC(ヘッドコーチチャレンジ)導入について

プレーを”さかのぼって”判定する

今シーズンの試合を見ていると、プレーをさかのぼってノーコールからファールが吹かれること(あるいは、そのチェックが入ること)が多いように感じた。

例)レイアップに対してディフェンスがシリンダーを犯したことに対するファールコール、得点決まってバスケットカウント
の後に、ディフェンスチームのHCからオフェンス選手の腕がディフェンス選手の顔に当たっていた点についてオフェンスファールではないかというアピール

2:05からのプレー。ハイライトではカットされているが、この後にHCCがあったはず(違ったらごめんなさい)


そもそもHCCはどのような状況において請求できるのだろうか。下にまとめてみた。

1)成功したフィールドゴールのショットでカウントされる得点が2点か3点か。
2)成功しなかったフィールドゴールのシューターがファウルをされた場合、与えられるフリースローが2本か3本か。
3)パーソナルファウル、アンスポーツマンライクファウル、ディスクォリファイングファウルがそれぞれの判定基準を満たしているかどうか。あるいはアップグレードまたはダウングレードされるか、テクニカルファウルとみなされるかどうか。
4)ゲームクロックもしくはショットクロックの誤操作が起こった場合、正しく修正されたあとにそれぞれのクロックに表示される時間はどれだけか。
5)正しいフリースローシューターの特定。
6)あらゆる暴力行為の間のチームメンバー、ヘッドコーチ、ファーストアシスタントコーチ、チーム関係者の関与の特定。

HCCの使用条件

今回のケースは、ファーストジャッジで原選手のファールは吹かれていないので、6)に該当するだろうか。
しかし、このプレーを暴力行為と表現するのはいささか不自然さを感じる。確かに原選手の腕は平尾選手の顔にヒットしているが、その前に平尾選手がシリンダーを超えて原選手にファールをしていると判定されている。


だが、もっと原選手が腕を大きく振り上げていたらどうなっていただろうか。暴力行為(故意性があるかも含めて)かどうかは分からないが、けがの予防にはなるかもしれない。
一方でファールをされたことに対する反射で腕が出てしまった場合に、そのプレー全体をオフェンスファールで片付けてしまうのも何か違う気がする。

個人的には時計が止まったよりも2,3プレー前までさかのぼるのも違和感を感じる部分もあるが、、
時代とともにバスケが変わっていると言われたらそうなのかもしれない


HCCを請求する目的

HCCは成功しても失敗しても1試合では1回までしか使えない。そのため、試合序盤にアウトオブバウンズなどの確認をしてほしい場面でも試合終盤のことを考えてHCCを請求しないこともある。

この辺りは各チームのHCの考えが分かれるところではあると思う。
・選手のgoodプレーに対して称えるため微妙な状況でもHCCを要求する
・流れをつかむために試合序盤でも積極的に使う
・試合終盤のタイムアウト代わりにするために残しておく
・選手からのアピールがあった時に使う
etc…

この1度しか使えないという条件が逆にベンチワークも試される感じがして個人的にはいいと思う(あからさまな間違いを修正できないときは悲しいが)

特に話の落ちがあるわけではないが、HCCに関して思いついたことをまとめてみた。
いずれにしても今季から導入された制度ということもあり、オフシーズンには議論が交わされそうだ。


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