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SIMGOT EK3の美しさを伝えたい

SIMGOT EK3です。レビュー企画に乗っかって、今回もお借りしました。SIMGOT製品は音の良さもさることながら、パッケージング全体のクオリティの高さに定評があります。今回もとても楽しみです!

EK3はこんな製品

SIMGOT EK3は、現時点で日本におけるSIMGOTのフラグシップモデルです。価格はおよそ4万円です。

ドライバー構成は、バランスド・アーマチュアを3機搭載し、筐体をドイツ製の医療用レジンを使用して光造形プリンターで作成しています。色はクリアとクリアブラックの2種類。試聴機の色はクリアブラックでした。

箱です。

とてもシンプルです。しっかりとした作りで、金属プレートのワンポイントが渋い…!

付属品は、強度の高いケースにSIMGOTおなじみのイヤーピースが2種類(バランスタイプのEartip1と低域重視のEartip2)とメンテナンス用ブラシです。このケースは裏にポケットがあり、ブラシ等を入れておくことが出来ます。

筐体の美しさ、滑らかさがとても素晴らしいんですよ!見てくださいよ!

この透明度、ハニカムなプレートデザイン、内部のメカがチラリ…!こんな写真じゃこの筐体の美しさは伝わらない…撮影ブースが欲しい!

EK3をさらに特徴的にするギミックとして、2つのスイッチが存在しています。このスイッチを切り替えることで音の設定を変更することが出来るのです。組み合わせには次の名前が付けられています。後々も出てくる単語なので覚えておいてくださいね。

OFF/OFF:ボーカル
ON/OFF:エアリー
OFF/ON:バランス
ON/ON:ピュアトーン

ケーブルは0.78 2pinのコネクタとなっており、社外品に変更することが出来ます。ただ、コネクタの形状がケーブル側にガイドがあるタイプなので一般的な2pinのケーブルを装着すると物理強度的にとても不安になります。くれぐれも慎重に取り扱いましょう…

聴いてみる

試聴環境は次の通りです。

プレイヤー:iBasso Audio DX160
再生アプリ:Mango Player
ゲイン: High
イコライザー:OFF
デジタルフィルター:Fast Roll Off

クリアでスッキリとしています。それでいてシャキシャキとしすぎない、適度な柔らかさがあります。楽器やボーカルの響きといった中域の印象が強いですね。低域はタイトで深さがあり量感は十分にあります。場は広くはないですが、解像度が高いので音が埋もれることはありません。

エージングは50時間以上、100時間は鳴らす事をおすすめします。箱出しでは音の輪郭がボヤケているのと、低域がスカスカでかなり眠たい感じです。50時間を超える頃になると、低域がしっかりと出てくるようになり、輪郭もすっきりしてきます。100時間を超える頃になると、音の艶や張りといった表現が良くなります。試聴が進むにつれてどんどんと印象が変わっていくのでメモをかなり書き換えることになりましたよ。販売店で視聴する場合には注意してくださいね。

スイッチを変えてみる

基本的な音の傾向がガラリと変わるわけではありません。中域(特にボーカル域)を中心にして周囲の出方が変化していくように感じました。

ボーカル:全体的にスッキリしています。EK3の特徴を最も出しているのではと思います。ボーカルが中央部前でバッチリ決まっています。ボーカル曲はこれが一番。空気感というか、音の広がり方が良いですね。
エアリー:ボーカルがほんの少し下がり、重心が低くなり低域よりの中域の量感が増えています。男性ボーカルや楽器の響きがグッと艷やかになります。
バランス:ボーカルの後ろにいたバックバンドも前に来る感じになります。低域重視よりは響きが広がる印象です。
ピュアトーン:スイッチの通りにエアリーとバランス重視を足した音。全体的にグイグイくる。ノリ良く楽しく聴けるのはコレです。

装着について

耳への収まり、フィット感が高く、遮音性はかなり高いですね。電車に乗るときは注意ですよ。大きめのイヤピで耳の外側に蓋をする様な装着は難しいです。というか無理ですね。フィッティングに困ったらワンサイズ小さいものや柔らか目のものを試してみると良いでしょう。

ちょっと困ったのが、耳内の変化が音に影響を与えるということです。どういうことかといいますと、そうですね、まずは自分の耳たぶの辺りに触れてください。そして口を大きく開けてください。顎の骨が動くのがわかりますね。この顎の骨が動くだけで音が大きく変わる事がありました。顔を横に向けるだけでも結構変わるんです。

これはイヤーピースによって音の変化の度合いが変わってきます。いろいろ試した結果、純正のEartip1に落ち着きました。硬めのイヤピよりかは柔らかめの方が相性は良いかもしれませんね。

音源との相性

アコースティックな音源

楽器主体の音源はベストマッチですね。楽器や人の歌声の領域はEK3が最も得意とする中域に位置していますので、最も美味しいところを味わえます。弦の繊細な響きから、高らかに鳴る金管楽器の表現力は流石です。それでいて低域もしっかりと出るので迫力も充分です。

ポップス・アニソンな音源

ボーカル主体な楽器も同様に得意ですね。音数多くゴチャつきやすいアニソンも高い解像度のお陰で問題ありません。複数人のハーモニーも「あ、こっちとこっちとこっちで分かれてる!というのが掴みやすいです。

EDM・電子音な音源

もう少し低域の深さと、高域の伸びと、全体的にキレが欲しいかな?と思う事はあります。とはいえ不満を探すなら、というところで十分満足出来ますね。

まとめ

どんなジャンルもこなすオールラウンダーです。スイッチで好みにより近づける事も可能な万能選手です。スイッチの設定は個人的にはボーカルかバランスが良いと感じました。

注意しなくてはならない点としてはイヤーピースとのマッチングですね。鳴らしやすいイヤホンなのでスマホでの使用でも鳴らせるので、スカスカな印象を持った時はイヤーピースを疑ってみてください。

音の良さだけではなく、装着感の良さ、遮音性の高さ、デザイン・パッケージングの質の高さと、隙きのないクオリティに十分満足出来ると思います。

自分はマルチBAの繋がりの悪い不自然な感じがあまり好きではなく、シングルドライバーが好きです。しかし、近年のマルチBAの性能の向上は凄まじいですね。フィッティングも調整し、100時間のエージングを終えたEK3は箱出しから見違えるほどの良い音になりました。どんどん良い音になり、こりゃ凄い!と思っていたら試聴の期限終了…SIMGOT製品はいつもそうだ!

そしてEK3はちょっと高いな…と思いの貴方!そんな貴方にはEM2という製品もありますよ!これもまた素晴らしいんです。是非お試しあれ!

購入先リンク

EK3はAmazonから購入出来るようです。


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