9/2 読書日記

今日から読書日記をつける。

もともと読み終わってからまとめようと思っていたが、間延びするので毎日ちまちま書くことにした。
まとめもやるけど。

だいたい本の途中の感想を書くことになるが、自分が書きたいと思わない限りいちいち背景の説明とかはしないつもりだ。
日記なので仕方ない。
本のまとめに期待。

9/2は朝6時から電車で大阪に行き、電車で読書。8時から17時まで倉庫で働き、昼休みに読書。地元に移動して19時半から22時半まで塾講師をやって、24時過ぎに京都に帰還。
1日って短い…

読んでいるのは『エフェクチュエーション 市場創造の実効理論』(サラス・サラスバシー 著)

今日は第4章"エフェクチュエーションを理解する 問題空間と問題解決の原則"のだいたい最初から最後まで読んだ。

基本的にはコーゼーション(因果推論)との対比を用いて、3つの問題空間の要素と、5つの問題解決の原則について論じている。
(そもそもエフェクチュエーションとはcauseと対になる意味でのeffectから来ている)

エフェクチュエーションの問題空間の3つの要素

1. Knightの不確実性
2. 目的の曖昧性
3. 等方性
である。

1. Knightの不確実性
これは2章で詳しく述べられたのだが、ちょっと思い出す。不確実性には3つのタイプがある。
・確率分布がわかっているくじ引き(分析が必要)
・確率分布がわかっていない(予測困難だが、確率分布自体は存在する)くじ引き(推定が必要)
・原則が存在せず、そもそも予測不能であり、測定対象にもならない、人間の行為によって引き起こされるもの(エフェクチュエーションが必要)

この3つ目がKnightの不確実性である。
また、1つ目と2つ目がまさにコーゼーション(因果推論)ということである。

自分の理解としては
・一つ目は物理学や古典経済学のように定式化された、(語弊はあるけど)決定論的な未来への考え方。西洋的。
・二つ目は定式化は困難だが、達人やAIが多くの経験/テスト/実験を経ることで推論はできる(そして認識できないが原理は存在する)という未来への考え方。東洋的。
・三つ目は新しいファッションのように、そもそも実験もできなければ原理もない可能性があるという未来への考え方。
という感じ。

2. 目的の曖昧性
コーゼーションでは所与の目的を達成するために分析を行うが、エフェクチュエーションでは選好は全く与えられていないか、順序だっていないかのどちらかである。

3. 等方性
どのような環境の要素に注目すべきか、何を無視すべきかが事前にはわからない。

エフェクチュエーションの問題解決の5つの原則

先に述べた問題空間においては"選択/チンギス・ハンの征服"のような論理ではなく、"デザイン/構築/コロンブスの冒険"のような論理でなくてはならない。
具体的には以下の3つの特徴を持つ。
・非予測的: 確率の事象空間を、既知で不変のものとして扱わないこと
・非目的論的: 選好や目標を、所与で変更不可能なものとして扱わないこと
・非適応的: 環境を外的なもの、また適合の対象として扱わないこと

そして、問題解決の原則は以下の5つ。
1. 手中の鳥の原則
2. 許容可能な損失の原則
3. クレイジーキルトの原則
4. レモネードの原則
5. 飛行機の中のパイロットの原則

1. 手中の鳥の原則

作る料理を決めてから食材を調達するのではなく、冷蔵庫の中を見て作るものを決める。
つまり、コーゼーションでは所与の目的に対して手段を選択する(コトラーのSTP)が、エフェクチュエーションでは所与の手段から目的を構築する。

ここで手段とは「私は誰であるか(アイデンティティ)、何を知っているのか(知識ベース)、誰を知っているのか(社会的ネットワーク)」である。
アイデンティティとは結果に対する選好ではなく特定のプロセス(生き方など)への選好であり、不確実な状況下での意思決定を可能にする。

2. 許容可能な損失の原則

コーゼーションではリターンを最大化することを考え、必要資金を割り出し、それを集めるのにエネルギーを投資するが、エフェクチュエーションではいくらまでなら損してもいいかを検討し、心理的コミットメントの評価を知ることでステークホルダーを集める。(非予測的である)

3. クレイジーキルトの原則

コーゼーションではポーターの競合分析を強調する(目標→関与者など)が、エフェクチュエーションでは事前に決められた目標のもとに関与者を選ぶのではなくコミットした関与者を企業の形作りに参加させる。(関与者→目標など)
「掌中の1羽は叢中の2羽に値する」

4. レモネードの原則

コーゼーションでは偶発性は障害だが、エフェクチュエーションでは偶発性はリソースであり、プロセスである。(経路依存性を蓄積する)
「すっぱいレモンをつかまされたらレモネードをつくれ」

5. 飛行機の中のパイロットの原則

コーゼーションでは「未来が予想できる範囲において、われわれは未来をコントロールすることができる」と考えるのに対し、エフェクチュエーションでは「未来がコントロールできる範囲では、予測は不要である」と考える。(非予測的コントロール)
「"万が一の際"にはパイロットがいる方が好ましい」

アンゾフの成長マトリクスにおいて"新規製品×新規市場"は"自殺の第4象限"と呼ばれ、未来が本当に予測不可能であるが、熟達した起業家の何人かはこの自殺の第4象限を好む。予測可能な市場はより資源を持った、より賢い誰かが独占できるから、というのが論拠だ。自殺の第4象限のような市場では飛行機の中のパイロットが必要なのだ。


終わり

結局まとめてしまった。感想書こうとしたけど、「なるほどー」で終わってしまったから仕方ない。

書いてみたけど、途中からだとやっぱり気持ち悪いな。
なんでこれが不確実性への解になるかがすっ飛んでる感じだ。(いや、日記だから…)
あと思いっきり圧縮してるのも変だな
やっぱり感想だけにしようか、この量じゃ続かないだろうし

「ほんまかいな」「なにを論拠に…」みたいな声が聞こえてきそうだが(僕もコトラーとかポーターとか頑張って勉強したので)
サラスバシー先生のしゅごいところはむしろ実験なのだ。(エフェクチュエーション研究は"経験主義的"だ(その後プラグマティズムへ)と言い切ってるし、サラスバシー先生の学士は統計学。実験方法から帰無仮説と定量データ、発話プロトコルのサンプルや実際に使った質問まで載ってる)
むしろこっちを紹介したいが、そうしたらそうしたで「面白いとかはいいから、役に立つ情報だけが欲しい」みたいな雰囲気になるんだろうか。

昨日一睡もせずに今日フル稼働したのに、午前2時半でもピンピンしてる。
地球の自転早いよぉ…
おやすみなさい

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