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バングラデシュから日本を見る

人類は滅びたのかな
ってくらい人がいない

舗装されてる
土はどこにいったんだ?

クラクションが鳴ってない
リキシャもトゥクトゥクもいない
車線と信号がある
道路横断しなくていいんだ
逆に車は手をかざしても減速してくれない
バスに飛び乗らなくていい
でも乗ろうとする人を待ってくれない
バスも電車もスカスカで屋根の上に人がいない

ガス臭も腐臭もしない
人が汗臭くない
なんの臭いもしない

川の周りにゴミ山がない
ぬかるみやでっかい草むらもない
川というより水路…?
氾濫はしなさそう

物乞いがいない
子どもが街を走り回っていない
公園にいる子どもですら閉じ込められているように感じる
目があった人は挨拶してくれない
てかまず目が合わない
話しかけるなんてもってのほか
警備員も質問するなと言わんばかりの冷たさ

建物が高くて綺麗
土被ってないしボロボロなんもひとつもない
トタンもない
文化的な特徴もない
たしかに京都っていいな
屋台もスラムもない
あと、作りかけの建物がない
街として完成してる

ハエがいない
食べ物はなんでも食べられそう
ただ、どこで作られたかわからない
その辺に鶏も牛もいないし、野菜や魚のマーケットもない
生き物食べてる感じはしない

イスラム教の服装の女性がいない
半ズボンの人がいる
宗教がない
街で定期的にお祈りの呼びかけが流れることもない

人をパッと見ても階級や貧しさがわからない
みんな同じ

軍人がいない
銃がない
たまに飛んでくる爆音の軍事用飛行機もない

あったかいシャワーが出る
スコールの心配も停電の心配もない
トイレットペーパーを持ち歩かなくていい
道の端を歩いても生ゴミの山もむき出しのドブも現れない



2週間死が少し近かった
明日生きてるかわからない人が目の前にいて、自分も少しその不安があった
でもみんな生きようとしてたし、自分も生きようとしてた

日本は死が遠い
生も遠い

危険な思想と言われそうだが、生きることが死なないことなら、例えば健康寿命が平均百何十歳になってもみんな長く生きようとするのかな
死を近づけて生を得ようとする選択は存在するのかな

近代化で求め続けた安心安全が本当に得たかったものなのか考えてみる


バングラデシュで「東京はロンドンよりorganizedだったよ」って言われた
すごく腑に落ちた
これは褒められてる

でもなんか、人生ゲームでゴールした後のような、人狼で死んだ後のような感じ
まさにdeveloped countryのdevelopedって感じ
近代化を完了して脱近代化にも向かわずに静止して漂ってる感じ

「成長から成熟へ」とか、直感的にわかる
時間が止まってる

近代化が求め続けた豊かさは来るところまで来た

悪いことではないかも
日本がここからあんな劇的に街が変わりそうな雰囲気になるとは到底思えない
ああいう勢いになろうっていうのは違う

個人的には世界はもっと美しくなれると思うんだけどな


とにかく次は、伝統から最先端までのモノづくりと日本の貧困とゴミ処理を見に行こう

おやすみなさい

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