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「週刊プラグインレビュー」PSP Audioware / Flare

さて、今月も書いていきます。
周りの人も僕も今月はやたら喉がイガイガしている人に会うことが多く、花粉じゃない何かが飛んでいる気がする昨今です笑

今月はずーっと開発していた、ベーストラップの開発がついに佳境を迎え、皆さんにお届けすべく、最後の大詰めを迎えております。
8月ぐらいにはすべてを整えて、ちゃんとお披露目できる日が来たら良いのですが・・・。皆さんお楽しみにでお願いいたします。

さて、今回とりあげたいのはPSPAudiowareのFlareです。
音響心理学を駆使したコンプレッサーということなんですが、正直音響心理学を口にしているプラグインってあんま打率低くて、あんま期待せず試してみたんですが、これがなかなかスゴイ。
円安で「ウッ・・」となるところはあるんですが、今回もやっていきます!
プラグインレビュー!!

Flareとは?

サウンドデザイナーのPaoloさん考案の仕組みでPSPと共同で開発をした音響心理学に基づいたコンプレッサーだ。
通常のコンプレッションにあらわれる副作用なしに、音量の一貫性を維持してくれるとのこと。
映画やTV,ポスプロ向けに特別に設計をされているが、独自の動作設計が優れているので殆どどんなシーンでも効果を発揮できるらしい。
それがどんなものであるか?序文からPaoloさんのコメントをご紹介したい。

世の中には無数のダイナミックプロセッサーが存在していますよね?
そしてその多くは非常に良い音を出します。でも、それでもなお...

特にダイアログやナレーションを扱う放送業界で仕事をしていると、素晴らしいコンプレッサーが提供してくれる色彩やインパクトだけでは解決できない一貫した問題に直面することがよくありました。それは、これらのコンプレッサーが入力信号の瞬間的なレベルだけを厳密に認識しているという事実です。サイドチェインをフィルタリングすることで時々満足のいく結果が得られることもありましたが、耳が感じるレベルと一致しないことが多く、結局のところ手動でボリュームオートメーションを行う必要がありました。波形が実際には安定している「圧縮」状態でもです。
どうすれば、信号のレベルだけでなくその密度を処理するダイナミックプロセッサーの問題を解決できるのか?
こうしてFLAREが誕生しました。
リアルタイムDSPを用いた最初のプロトタイプから、結果は有望で、私の耳が求めていた一貫性をついに聞くことができました。入力レベルが同じでも、叫び声はささやき声よりもはるかに圧縮されました。歪んだギターはクリーンなギターよりも厳しくコントロールされました。そして、出力された波形が視覚的には入力時よりもさらにダイナミクスがあるように見えるのは驚きでした。
しかし、私の耳が伝える物語は全く異なっていました。すべてがコントロールされていて...ある意味で、それはちょうどよかったのです!
ただし、問題がありました。使用していた標準的なエンベロープは「骨組みのみ」で、音楽性に欠けていました – そして、ここからPSPaudiowareの魔法使いたちとの物語が始まります。
いくつかの初期デモとアイデア交換の後、PSP Flareプロジェクトが開始されました。私のミニマリストかつ心理音響学的なアプローチと、音声プロセッサーの世界に関するPSPの素晴らしい知識が融合し、私の初期ビジョンを拡張し、パワーハウスへと変えてくれました。
その初期のアイデアは尊重され、育まれ、「心理音響学的」圧縮を数十デシベルも提供できるコンプレッサーに成長しました – 私の記録は70dBの圧縮です! – それでも非常に音楽的で一貫しています。
PSPのおかげで、私の夢の一つが引き出しからスタジオへと飛び出しました。

Paolo Pasquariello – サウンドデザイナー、ミックス及び放送エンジニア

マニュアルの序文より。

「GRたったの5dBか…ゴミめ…」
「7dB?あれは余のメラじゃ・・!」

などと突っ込みをせざる得ないわけだが、もしこれが本当だとしたら伊達じゃなくヤバいものがリリースされている・・・。

で、これは正気の沙汰じゃないな・・ということで試してみたところ、確かに、他にない綺麗な圧縮が簡単に出来てしまった。
これが今回このFlareをご紹介する動機だ。

なお、プラグイン名がFLOWからFlareに途中から変更になっている。
この辺は大人の事情ありきなのかな・・という感じもする。

先に断っておきたいことがあって、そのメカニズムを明らかにすることが出来たらいいな・・という思いはあったものの、そう簡単に検証できるモノではなかったので、あくまでも今回は感想文が中心になる旨、あらかじめご了承いただきたい。

音は↓の動画が非常にわかりやすいので是非。
最近このおじさまサジェストに良く出てくるのは僕だけでしょうか・・笑

一応、イントローセルで20%OFFになっているそうです。


機能面

基本的なコンプレッサーに便利な機能がある程度ついている・・という感じである。
コンプレッサーの操作方法がわからないという人はここの読者さんにいらっしゃらないと思うので、オプション類について詳しくみていきたい。



RMSボタン
ディテクターをRMSに切り替えるボタン。
Autoボタン
オートリリースを設定してくれるボタン。
リリーススライダーが常にベーシックなディテクターのリリースタイムとして機能をしていることに注意が必要。このオートリリースがONになると正確なリリースタイムは継続的に調整をされるようになる。
LookAheadノブ
アタックタイムから先読みする時間のパーセンテージを決めることが出来る。
SC HPF
サイドチェインハイパスフィルターを調整するノブ。
SC LINK
ステレオのLRをどの程度リンクさせるかを決めるノブ
Auto makeupボタン
自動でメイクアップゲインをしてくれるボタン。
機能をONにしてもメイクアップスライダー自体は昨日をするので注意。

他、サイドチェーンの音量を手元で操作できたり、InternalとExternalの割合をパーセンテージでスライダーで決められたり・・と小回りが効いた設計になっている。

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検証してみる。

大変申し訳ないが、冒頭でお伝えした通り、割と丸一日触って全く機構を検証から突き止めることができなかった・・・が、大まかな傾向はよくわかったので、そのあたりをお話できればと。

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