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【第3回】単数・複数【クリミア・タタール語】

クリミアタタール語で単数をteklik、複数をçoqluqと言います。

基本的には、単数は一つのもの、複数は二つ以上のものを指します。

複数を表す接辞は-ler/ -larで、母音調和に従って用いられます。使い方と例は以下の通りです。

03. 単数・複数_page-0001

-ler/ -larをつけるときに母音調和に従わない例として挙げられているものは、語中のlの口蓋化(リャのようになる)によるものと理解できるような書き方をしているものがありましたが、もう少し多くの語彙を見なければわかりません(baar「春」に限ってはrですし)。

「春」の複数とはどういう意味でしょう。トルクメン語では時間を表す言葉に複数接尾辞を用いると、大体の時間を表します。日本語では「春頃」という感じでしょうか。クリミア・タタール語ではどうかはここではまだわかりませんが、今後また例が出てきたら更新しますね。

【あいさつ】
Saba şerifleriñiz hayırlı olsun.「おはようございます。」
Kün şerifleriñiz hayırlı olsun.「こんにちは。」
Aqşam şerifleriñiz hayırlı olsun.「こんばんは。」
Sizge de hayırlı olsun.(あいさつへの返事)「あなたにもいいことがありますように。」

【今日の学習の感想】
複数接尾辞の表記の仕方はトルコ語やトルクメン語とも似ているので、理解するのに負担はありません。til「言語、舌」、köz「目」、kün「日」、qulak「耳」は全て無声子音で始まっていますが、オグズかキプチャクかで言うと全てキプチャクの特徴です(トルクメン語ならそれぞれdil, göz, gün, gulak)。これだけではまだ何とも言えませんが、キプチャクに分類されているのも納得と言ったところです。でもあいさつのところに出てきているolsunはオグズらしい特徴でもあります(キプチャクではbolsunでしょうから。)。