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日記「おばあの夏」

今、私は1ヶ月間、滋賀県で里帰り育児をしており
日中は80歳超えのおばあと、生後2ヶ月の子と3人でゆっくりまったり過ごしています。

想定していたよりもおばあが子(おばあにとってはひ孫ですね)にブチ上がっていて面白いので、備忘録として残しておきます。

※0430→4時30分の意

0400
子の早朝授乳。おばあも起床。この時間のおばあは、茶を煮出したり、家の前を掃除したりと忙しい。だから、子に一発でかい声で「お!は!よ!」と挨拶をしただけで去っていく。
私の寝ぼけた声で目を覚さない子が、これでシャキッとするので、このデカ挨拶はありがたい。

0700
出勤前のお父さんお母さんが代わりばんこに仏壇のお鈴を鳴らす。3年ほど前に亡くなったおじいへの挨拶をしている様子。
ちなみにお盆が終わった今も、おばあの手によって仏壇にはてんこ盛りのおやつが置かれている。いまは、ほうじ茶ミルク味のアーモンドボール(クッキー)、ミルクドーナツと、おじいの好みを無視した、おばあの好物が並んでおり、完全に自分で食べることを想定したラインナップ。おばあは仏教徒でもあり、リアリストでもある。
ちなみに、おばあは、クッキーやドーナツだけでなくパンも好きで、棺桶にたくさんのパンを入れてくれと遺言を残しており、グルテンフレンドリーでもある。

0950
予定の時間よりも早く腹が減ったので待たされる子。おばあが可哀想がってだっこすると、服の上からおばあの乳を吸おうとしていた。
おばあの愛次第で授乳できそうな勢いがある。

1200
私がジムに行く間、おばあに子を預ける。
帰ってくると、おばあは大抵、子を抱きながらTVに悪態をついている。この習慣のおかげかどうかはわからんが、とにかくおばあのおかげで子は話しかけられる量が増え、喃語が出るようになってきている。

1400
外が暑すぎることを子に教えてあげるおばあ。ただ6月生まれの我が子は、まだこの灼熱の世界しか知らないので、この暑さがいかに絶望的かというのは、たぶん伝わっていない。

1500
私がリビングのTVでピーキーブラインダーズ(イギリスのヤクザドラマ、バイオレンス系)を見るので、おばあは自室でテレビを見る。おばあはいつも、そのまま寝落ちして昼寝しているが、死んでるみたいで怖いので、ちょいちょい見にいく。

1630
暑さが和らいだ頃、ベビーカーで子と散歩。
日焼け止めをベッタベタに塗ってたらおばあがじっと見つめてくる。赤ちゃんの肌にそんな薬を塗るのかとか何とか咎められそうな予感がしたので、こちらから先手をうって「これ赤ちゃん用の優しい日焼け止めやねん」とアピールをしたところ、おばあは「ちっちゃい時に焼けたら一生取れへん、色白のかわいらしい肌なんやからもっと塗れ」と、私の心配をよそに、日焼け止め過激派の発言。ありがとう謎の迷信、多分それはただの色黒の子だとおもう。

2200
子と一緒に寝室へ。寝室は、深夜の授乳導線を考えて一階のおばあの部屋を借りている。この夏おばあは、おばあの部屋の手前の仏間で寝てくれている。
おばあの部屋には、私たちが帰ってくるまで、古くてポンコツエアコンしかついていなかったのに「まだいける」と、熱中症で死ぬ老人の手本みたいなことを言っていて家族から心配されていた。
出産前に、里帰り中はおばあの部屋を寝室にしたい旨を伝えてエアコンの買い替えを提案。そしたらその3日後には新品のエアコンが付けられていて、まさに鶴の一声だと言われた。母からよくやったと褒められた。
新品のエアコンが嬉しいのか、おばあは私と子が寝る頃に合わせて部屋を冷蔵庫くらい冷やしているので、こっそり温度をあげてから寝る。

2400
授乳のために、一旦、子とリビングに移動。子は授乳後なかなか寝付かない時でも、仏間を通って寝室(おばあの部屋)に戻ると、割と簡単に寝てしまう。
お盆もあって仏間と寝室はかなり線香の匂いがしていて、リラックス効果でもあるのか。
夜は線香の匂いに包まれて眠り、朝は仏壇のお鈴の音で起きる子。仏道を叩き込まれている。大きくなって何か頼みがあるときは、仏(おじい)に頼むのが良さそう。

以上おばあの1日でした。また気が向いたら(とても似通っている気はするけれど)別の1日もメモをとっておこうと思っています。

では。

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