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「マジで『プロジェクト・ヘイル・メアリー』を読んでくれ」と言うだけなのはアレなので未読の人へオススメする記事

先日Kindleの半額セールが終わったので今が定価で買うチャンスの
プロジェクト・ヘイル・メアリー
というSF小説があります。(定価で買った方が著者が潤うと思い込んでるけど別にそんなことはない?)

Twitter等で
「読んでくれ!! 頼む!!!」
しか言ってなかったけど改めて読み返すと未読の者に伝えたい内容がちらほらまとまってきたのでここに記す。

読んでない人に読んでほしい的な内容なのでネタバレはできるだけしないようにしているつもりです。(既読の方で「ここは変えた方がええんでないか?」という点があればご指摘下さい)

僕がこのSF小説を勧める大きな理由は「読みやすい」事です。


の前に大枠としての説明

『プロジェクト・ヘイル・メアリー』はアンディ・ウィアーのSF小説です。長編としては第三作目になるんですかね。
ウィアー先生は映画化された『オデッセイ』の原作『火星の人』の著者ですね。読んでねえ。映画は見た。

今作のお話としては
「地球がヤバイ」
「なんとかしねえと」
という状況で、主人公がなんやかやします。面白いです。

(内容にはあまり触れたくない。読め)


2大読みやすい要素

いや、まず読みやすい本じゃなくて面白い本勧めろよ、と思うでしょ。当然めちゃくちゃ面白いです。僕ここ数年で読んだ本の中ではプロジェクト・ヘイル・メアリーが一番好きです。すっげー面白かった。

けど、読めば面白い本っていっぱいあるんですよ。(きっと(僕もあまり読書家ではないのでアレですが

なぜあえてこれを推しているかというと「よみやすい」からです。

・SF
・翻訳
の時点で「普段読まねえなーこういうの」というような人でも読んで欲しいし、なんなら
・小説そもそも読まない
くらいの人にすらオススメしたい。そのくらい読みやすかった。

そもそも(僕が考える)小説が読みにくい要素ですが、
★話の内容が重い
★話が枝葉に逸れる
があります。ありません? 僕はあります。

・主人公がひどい目に遭う
・可哀そう
・助けはもちろん来ない
・辛い
みたいな要素で読み進めるのが辛い時ってあると思います。
十二国記の最初のやつなんだっけ。あれの序盤辛かったー。好きだけど。最高だけど。
まぁでもそういうので読み進めるのが結構心理的なハードルになる事ってあると思います。ありません? 僕はあります。

けどプロジェクト・ヘイル・メアリーにはいくつかの要素でその辺りの障壁が緩和されています。
つまり【お話が暗くならない】。これが2大読みやすい要素の1つ。

そしてもう一つ
・長い
・本編が進むまでが遠い
この辺りで読むのやめちゃう人いません? 僕はまぁまぁあります。

が、そもそもプロジェクト・ヘイル・メアリーはSFの割にサクッと読める分量です。えーと今『三体』と比べてこんなに少ないって言おうかと思ったけどズル過ぎるな。けどそんなに量ないです。

内容自体も凝縮されつつ、「話が早い」「展開が早い」です。これは作風もあるとは思うんですが舞台や登場人物の特徴によるものも大きいかと思います。とにかく話が早い。枝葉に逸れない。全部本題。
つまり【話が早い】が2大読みやすい要素のもう1つ。

以下、ほぼ箇条書きですが少しだけ詳しく説明していきます。
この時点で興味を持ってくれた人はもう用はないです。僕のこんな駄文読んでないでプロジェクトヘイルメアリーを読め。


とにかく明るいグレース

ちょっとワードチョイスミスって全裸に見える感じになっちゃったけど、主人公であるグレース君はとにかく明るいです。

常にユーモアを忘れない。
たとえ記憶があやふやでも。
たとえ全裸でも。

基本的にはグレースのモノローグで進むので地の分とか無くずっとグレースが冗談を挟んできます。
これがかなり読みやすい。結構辛い境遇のはずなのにそうでもないような気さえしてくる。


地球がヤバイので話が早い

・ストラット(偉い人)がすごい合理主義
・地球がヤバイので急いでる
という状況なので、話の展開がスピーディ。作戦が決まったら即開始。なんか分かりかけたらすぐ試す。作る。論文の査読とかもしない。

「あ、なんか政治的なやつで時間がかかりそうな気配・・・?」
と思った次の瞬間にはストラットが強引に事を進める。
超法規気持ちいい~。ってなる。


科学者は「謎」にポジティブ

科学者である主人公グレースは「謎」というものにポジティブ。
きっと本物の科学者もそうなんじゃないですかね。だって普通自然現象や化学反応は答えを誰も教えてくれない。

「誰も教えてくれない」に慣れっこであるが故、へこたれない。開幕からめちゃくちゃ謎だらけの展開で、心が折れても仕方のないような状況でも全然平気。がんばれそう。

この姿勢を以て、仮説と検証を繰り返して解明していく展開がこの作品一番の見所であると言えると思います。


科学者は話が早い

グレースは科学者なので理不尽な目にあっても筋の通った説明をされるとつい納得してしまう。ゴネるターンが比較的すぐ終わる。ある意味悲しい生き物。
この辺りの「あんなに文句言ってたのに。フフッ」っていう展開もまたお話が暗くならない要素。好き。


科学者問題を整理しがち

問題が起きたりパニックになっても、
・番号を振って課題を整理
・問題の優先付けから始める
など、読んでる人にもとても親切な情報の整理を行ってくれる。なるほどネックはこれやねんな。この順番に解決していくんだな。読みやすいー。


登場人物が少ない

出てくる人が少ないのでめちゃくちゃ読みやすいです。下手したら主人公の名前もうろ覚えのまま読破できる。実際今僕グレース君のファーストネーム思い出せない。なんとかグレース。なんだっけ。覚えてない。けど読める。読みやすいー。


人類が愚かでない

政治や別チームみたいなのからの妨害はないです。
湯葉先生の書評(僕は湯葉先生の書評を読んで、面白そう~ つって買いました。書評も面白かった)にもあるとおり、米中露がファンタジーレベルで協力してる。それもあってお話の進みがサクサクです。愚かな人類の邪魔パートは無い。すまんネタバレしたな。人類愚かパートは無いのよ。


話の展開や目的がわかった所で更に面白そうな謎

具体的には上巻の半分くらいのところ。

ここからまたねー。面白くてねー。面白いんですよー。なんも言えねえけど。

あ、本屋さんの帯とかではこの辺以降のネタバレをかましてくる事があるとの噂を聞いたことがあるので、物理本を買われる場合は薄目で買って下さい。Kindleとかでもそういうのあるかも。薄目で買って下さい。


読め

読んでくれ。頼む。


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