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旅人のルール

私は毎回、旅をより有意義にするために旅のテーマやルールを決めることにしています。

普通に生きていると遠慮や妥協をしてしまい機会を逃してしまうことが多々ありますが、マイルールを決めることで ”言い訳をして挑戦をしない=後から後悔する“ ということがなくなり、達成感を得ることができます。

例えば、私は東南アジアを旅する時は「食べたことのない料理を見かけたら絶対に食べてみる」というルールを決めていて”クロラン“という現地の人しか食べないようなローカル料理と出会うことができ、より旅を楽しむことができました。

◆5つのルール

旅の間、何となく自分でこだわっていたものを、後から言語化したものに過ぎないのですが、私がアメリカ横断で決めたルールは以下の5つです。

自分で後から振り返っても非常に有意義なマイルールだったと思っているので、何かの参考にしていただければ幸いです。

【アメリカ横断5つのルール】

ルールNo.1『1箇所に長く留まらない』

ルールNo.2『事前に調べすぎない』

ルールNo.3『不足の事態を楽しむ』

ルールNo.4『点ではなく線の旅をする』

ルールNo.5『自然への配慮(ウィルダネス)』

◆ルールNo.1『1箇所に長く留まらない』

私が好きな冒険小説「キノの旅」では、主人公のキノはより多くの国を見て回るために「1つの国には3日以上滞在しない」というルールを自らに課しています。

そこで、私もアメリカ横断中は「1つのエリアに3日以上滞在しない」というルールを決めて行動することに決めました。

バイクの故障などで必ずしもルールを守れないこともありましたが、このルールのおかげでより多くの場所を見て回ることができました。

◆ルールNo.2『事前に調べすぎない』

大まかな目的地やゴール地の設定は必要ですが、

必要以上にスケジュールを決めないこと、調べすぎないこと。

これが学びの喜びを得るためのマイルールにしています。

机上の空論、百聞は一見に如かず、書を捨て旅に出よ、などとという言葉がありますが、

今はネットで何でも調べられる気になる時代です。

しかし、自然の中を旅していると、現地で実際に体感しないと得られない学びの連続です。

予めネットで調べて詳しくなった気にならず、謙虚に、先入観の少ない状態で新鮮な驚きと発見と学びを得て、疑問を持った後に本やネットで調べることで、より深く知ることができます。

また、旅をしてみるとネットでは得られない情報が多いこともよく分かります。

謙虚になり無知を自覚して、現地の人との交流する中で教えてもらえることが本当に多いです。

事前に調べすぎて分かったつもりにないこと、キッチリと事前に予定を立てず、現地での発見や情報を頼りに、興味深いエリアを探っていく。

これがフィールドワークの一つの楽しみ方かなと思っています。

◆ルールNo.3『不足の事態を楽しむ』

バイクは全てのパーツが露出しているため、故障が付き物ですし、メンテナンスが必須の乗り物です。

人間でさえ剥き出しの状態で搭乗するわけですし、ちょっとした転倒でも故障したり大怪我をする可能性もあります。

バイクの旅は不足事態の連続です。

しかし、どんなトラブルも経験や、乗り越えるべき試練と捉え、自分のプラスの経験に変えていく、そんな心持ちが必要になります。

私は、このトラブルが多い”バイク“で旅をしたことにより、ヒッチハイクや、キャンプ場での情報収集、雨宿り、遭難した経験など、多くの困難への挑戦と、人々との交流が生まれ、実りある旅ができました。

これは、後に経験した車の旅では経験できないことの連続で、バイクの魅力は苦労をわざわざ買って出ること、それにより生じる人々との助け合いの交流にあると思っています。

◆ルールNo.4『点ではなく線の旅をする』

これが私の旅の最も重要なテーマです。

子供の頃、私はよくツアー旅行や家族旅行に連れて行ってもらいましたが、移動中は寝ている事が多く、目的地に着いたら降りて能動的に観光やスポーツを楽しむだけでした。

大人になりバイクの免許を取り北海道を旅した時に、私は旅の本当の面白さに気付きました。

バイクの旅とは、目的地で観光することはきっかけでしかなくて、どのルートを通って、どんな道や景色を走れるかといった、バイクで走ることが主目的だったりします。

地図を見てルートを考え、道を走り、目的地まで到着すると、旅の目的が点から線に変わります。

能動的な旅では目的地にしか興味が行かなかったものが、移動そのものも楽しめる様になり、旅が何倍も楽しくなりました。

バイクやクルマの旅を趣味にしている人の多くが、能動的な線の旅の喜びを知っているのだと思います。

能動的に旅をすれば、今まで退屈だった移動こそが楽しみになります。移動中の景色の移り変わりから得られる情報も非常に多く、学びと感動に満ちています。

線の旅の喜びをより多くの人にぜひ知ってほしいと思います。

◆ルールNo.5『自然への配慮(ウィルダネス)』

ウィルダネスは、バイク旅だけではなく、自然を求めて旅する旅人全員に、絶対に知っておいて欲しいルール、マナーで、人が自然を訪れる際、手つかずの自然を守っていこうという環境保全の考え方です。

かんたんなところで言うと、ゴミをポイ捨てしない。こんな当たり前のことができていない人がとても多いのが悲しい現状です。

ゴミをポイ捨てしないのは当然ですが、もう一歩踏み込んで、人間が自然へ悪影響を与えないような創意工夫の考えがウィルダネスになります。

ウィルダネスについては、次回詳しく解説していこうと思います。美しい景色を自分たちだけではなく後世に残していくためにできることから意識していく必要があります。

◆あなただけの旅のルールを

旅のルール=旅のテーマとも言い換えられますが、それは手段や状況や興味分野によって千差万別です。

ですが、どんな状況で旅をするにしろ、自分の中で目的を決め、縛りを決めることで、旅をより実りあるものにすることができると思います。

あなただけのマイルール、ぜひ挑戦してみてください!

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