3−4 広告運用について


はじめに


広告運用本題の前によく出てくる単語の意味を覚えておきましょう。


・Imp(インプレッション)
お客様に表示された回数です。まだクリックはされていない状態を示します。


・クリック
商品をクリックされた回数です。


・セッション
商品ページに訪れた人数です。クリックの場合は一人が数回クリックをした場合でもカウントされてしまいますが、セッションであれば人数の数値になるのでこちらの方が個人的に好きな数値です。

・CTR(Click Through Rate)
クリック率のことです。商品の表示回数に対し、どれくらいの数クリックされたかの割合を指します。
クリック数/インプレッション数で算出。


・CPC(Cost Per Click)
クリック単価のことです。広告運用で、1クリックを獲得するのにかかる費用を指します。
費用/クリック数で算出。


・CV(コンバージョン)
商品の成約のことです。

・CVR(Conversion Rate)
商品カタログへ訪れたアクセスのうち、何%がコンバージョンに至ったかを割合で示します。
コンバージョン数/クリック数で算出。


・CPA(Cost Per Action)
顧客を1人、もしくは1回の商品購入や会員登録などのCV成果を獲得するのにかかる費用を指します。
費用/CV数で算出。

・ROAS(Rerurn On Advertising Spend)
その広告からの売上と、広告費用の効果を測る指標。費用対効果ともいいます。
売上/広告費で算出。


・ROI(Return On Investment)
投資収益率のことです。転売をやっていると割と聞いたことがある単語ではないでしょうか?
ROASが売上に対して出す指標に対し、ROIは原価などを差し引いた利益率を図る指標となります。
利益/広告費で算出。

・ACOS(Advertising Cost of Sale)
売上高広告費比率のことです。 これって実は、Amazonスポンサープロダクト広告等の広告で使われるアマゾン独自の指標なのです。
売上に対して広告費がどれくらいかかったのかを割合で示します。つまり、商品の利益率以上のACOSを叩いてしまった場合、赤字が出ているということですね。
広告費/売上で算出。



スポンサープロダクト広告について



Amazonにはクリック型課金のSP(スポンサープロダクト)広告というものが存在しています。



クリック課金型の広告なので「ワンクリックあたりいくら」という感じでクリック数に応じて広告費が発生します。


SP広告を打つことによってページを作成したてでも広告枠で商品を表示することにより、成約に結びつき、回転数を上げることで商品ページの自然検索順位を上げることを可能とする優秀な武器です。勿論、広告を打たなくても時間をかければジワジワと販売実績を積んでページを育てることも可能ですが、時間がかなり勿体無いですよね。


一気にページの検索順位をあげて利益が出る状態を作ってしまえばあとはこれまでの商品開発にかかった経費を回収するまで待つだけのお仕事。ここの近道として使わない手はない。




SP広告の運用


SP広告にはオートで検索キーワードを選定するオートターゲティングと自分で特定のキーワードの検索で広告表示をするマニュアルターゲティングの大きく分けて2種類が存在しています。 初心者にオススメは、最初にオートターゲティングで運用し、その結果がレポートで取得できるので、レポートから成約が発生した検索キーワードやセッションの多いキーワードを選定してからマニュアルに切り替えるのが鉄板です。


オートターゲティングだと幅広いキーワードで広告表示をしてしまいがちなので、広告費が無駄にかかってしまうというデメリットが存在しています。




オートターゲティングの役割として、


・自分では気づかなかったキーワードを拾える

・広告知識がない人がとりあえず運用してもある程度成約を発生させることができる


この様なことが可能になります。


ただし、オートターゲティングは1〜2ヶ月くらい回さないとユーザーの検索キーワードをしっかり拾ってこないです。(最初の一週間目とかはほぼ無意味レベル)


オートターゲティングで2週間程度回したら、レポートを取得してマニュアルと併用して利用するのが良いでしょう。 ただし、ここまで解説したオートターゲティングから徐々にマニュアルターゲティングに切り替えるというSP広告運用方法は世間一般の誰しもが取り組んでいる方法です。


次から更に効率良いSP運用方法について提案させていただきます。


マニュアルターゲティングの役割として、


・狙いたいkwの広告枠上位表示させるために利用

・キーワードごとの単価調整が可能

・部分一致で回すと細かいキーワードを拾うことができる。オートは大まかなキーワードで広告費を消化する様に働くので細かいキーワードは拾わない。


この様なことが可能になります。



さて、ここからが僕が提案したいオススメのSP広告運用方法になります




その方法はArrows10やセラースプライトをせっかく利用しているのだからそれを利用し、少数キーワード特化のSP運用をするという方法です。




ツール内の検索キーワードサーチから重要度と月間検索ボリュームのあるキーワードを絞り出して、商品と関連性が強いキーワードに集中してマニュアルターゲティングで広告を出す。(オートと併用) これによってSEO対策として有効な成約率向上につながるのと同時に無駄なキーワードへの広告費を有効なキーワードの広告費に回すことが可能となります。




広告のマッチタイプについて


部分一致、フレーズ一致、完全一致をそれぞれ使い分けましょう。


右に行くほど範囲が狭く、商品によりマッチできる広告になるのである程度キーワードの精査ができていればフレーズ一致や完全一致でも打ち出します。


オススメは完全一致で関連性のあるkwに対して広告を出すこと。その他の取りこぼしはオートで拾えばOK。




広告費の調整


広告費はAmazonが推奨するカテゴリー毎のクリック単価が表示されるのでそれに合わせるのが良いです。(少し回してみて利益に余裕があるようなら入札単価をかなり高めに設定しても良し。)      ただし、競合がかなり多い商品の場合は予算の許す限り広告をかけるのをオススメします。



ページの検索順位がかなり上がってきたら広告費を削減していきましょう


ここで広告費を下げることによってトータルの利益が落ちるようであればまた広告費をもとに戻します。


広告費と利益のバランスが一番良くなる状態を探すのが今後の課題となります。



広告枠の掲載順位について


広告枠にも表示順位が存在しています。


PC版だと検索上位に4商品分程度表示されることがありますが、近年購入率の高いスマホからの表示だと1商品or2商品だけしか表示されないことが多いです。

→つまり、広告にも表示順位が大きく関係する。



ということは検索結果だけの広告枠で考えると


広告枠1位:

最強。一番見られる。


広告枠2〜4位:

PCなら検索上位に表示。スマホでもちょっと下の方に表示されるしまぁまぁ良い。


広告枠5位以下:

検索結果の広告枠だけで考えると厳しい戦いを強いられる。


広告表示順位は


入札額*関連度*商品スコアリング


この数値が高いカタログから表示される仕組みになっています。


商品スコアリングというのは前述したAmazonSEOの対策におけるカタログ評価のことです。                                     広告表示順位は足し算ではなく掛け算。




つまり、入札額だけを上げればどんなゴミ商品でも広告上位取れるというわけではないです。


ちゃんとAmazonがお客様に自信を持って紹介したくなる商品カタログを準備することが大前提。



そして大事なのは、広告掲載場所は把握することです。


これ案外やっていない人多いです。



上では広告の掲載順位について記載したが、その掲載場所は毎日把握するレベルでチェックすることが重要。最低でも週1回はやってください。




SP広告の入札戦略設定


SP広告では様々な入札方法で運用が可能です。


まず土台として考えて欲しいのが入札の自動調整有無です。

アップどダウン

→成約に結びつきやすいものは入札を自動アップ、その逆は自動ダウン


ダウンのみ

→成約に結びつきにくそうなものは自動で入札をダウン


固定

→セラー側の指定する金額で固定入札


基本的には固定額入札を行いましょう。


一定額での入札を行うことで、後からデータを見返す時に分析がしやすくなるためです。自動で入札調整が行われてしまうと、分析がしにくくなりますし、商品の運用状況によってパフォーマンスの良し悪しが変動する(例えばレビューが増えてきたり、価格を下げることでCVRが上がったりする)ので、広告自体の良し悪しか判断がしにくいためです。


ただし、商品の主力となる広告配信先が不透明な場合(いろんな広告配信先からポツポツ成約するような商品)は、幅広く広告設定を行いダウンのみで設定して運用するのもアリです。無駄な予算を絶対にかけたくない場合はこれでいきましょう。



CTRは0.3%以上を狙う


上記ではToSに関するCTRについて記載させていただきましたが、キャンペーン全体でのCTRは0.3%以上を狙いましょう。



Amazon広告はimpに対して課金されないため、CTRがいくら低くても金銭面で悪影響は出ないのですが、SEO対策を行う上でCTRもそれなりの数値が必要なのと、CTRが極端に低い広告でも費用は発生しますし、そのような広告はCVRも低くなりやすい傾向にあるため、結果的に一定数値以上は叩いておきたい内容です



もちろん、市場によってはそうでないケースも存在しますが、一つの基準として捉えていただきたいのと、重要なのはあなたが実際に運用してみた数値とどの程度乖離があったのか、そしてその数値を今後改善していく意識です。


0.3%以下だから悪い、それ以上だから良いで終わらせるのではなく、その数値を今度は基準にしてそこから改善していきましょう。




CVRは5%以上を狙う


CVR(クリックに対する成約率)は5%以上を目安にしましょう。10%以上取れれば言うことなし。


PPCコスト率にもよりますが、どの市場でも5%以上ないと広告費が膨れ上がりジリ貧になる可能性が高い傾向です。




ただし、最初の数ヶ月は赤字で回転率をあげるという戦法を用いる場合はそれも一種の作戦になります。


つまり、赤字戦法を用いない場合は5%以上のCVRが見込めないキーワードでの広告掲載はするべきではないですね。


もっと言うと、各広告の平均クリック単価とCVRを考慮して採算が取れていない広告があれば、


・入札を落とす

・広告を停止する


の2択で判断しても良いと言えます。

ただし、前述した通りSEO対策のために赤字が出ても実績を取りにいきたいと言う場合は入札調整をする前に、採算があっていないその広告がカタログ成長に貢献しているのか否かをしっかり確認しましょう。


例えば、


単利:800円

平均クリック単価:100円

CVR:10%


という広告が存在した場合、1個売るたびに200円の赤字が出ます。


しかし、蓋を開けてみればオーガニック含めた全体の成約の内50%がこの広告経由だったとしたらどうでしょう?


運用初期段階とかであれば実績重視したいので、無理に入札を落として露出を減らしたり、広告を停止にしてしまうのは危険かもしれません。


ちなみにここまでCVR5%とかを基準に話してきましたが、商品内容によっては成約率20~30%とかも全然行ける世界です。


ここを引き上げる施策としては前述した画像内で訴求するべきポイントをしっかり満たしていることや如何に指名検索が入る商材に成長させるかが重要となります。



また、販売し始めたばかりの初期段階はレビューもなければ検索順位も低かったりしますので3~5%のCVRを目処にすると良いです。





除外キーワードの重要性


広告レポートを都度確認して検索されているkwを確認しましょう。


不要なものを除外設定することで余計な広告費もかかりません。


また、オートターゲティング運用初期では関係のないASINが検索kwに混入してきます。これらも物によっては除外に入れておいた方がいいです。


オートターゲティング初期でASINが検索kw内に入ってくるのは該当ASINの商品ページ内のスポンサープロダクト枠からクリックがされているということです。


あくまでもオートなので、その該当ASINが自社のカタログと関係があるかは正直精度的にいまいちですが、物によっては関連性が高いと判断されるものもあります。


また、自社商品とは関係のないブランド名も検索kwに入ってくることがあります。




これで成約していることも割とありますが、基本的に除外に入れた方が良いでしょう。


関連性のあるkwでの成約のみ集めていった方がSEO上有利に働きます。





ACOSの基準について


広告運用見出し直後でも紹介しましたが、ACOSとは売上に対してかかった広告費のことです。



ACOSは一般的に10%~20%程度が良いと言われています。



当然ですがACOSが利益率を上回ると赤字です(広告内で)。


ある程度の販売実績を作り、検索順位が落ち着いてきたら出来るだけACOSを低くできるようにしていきたいところですね。


ACOSは一見低ければ低い方が良いと捉えられがちです。


広告単体で見たらそれは間違いではないのですが、重要なのは"どれだけ利益を叩き出したか"です。


ACOSの数値が悪くなったとしても売上が増えて結果、利益も伸びるのであればそれは成功と言えるでしょう。



Amazon広告の難しいポイントの1つですね。


繰り返しになってはしましますが、広告の比率と売上金額から一番利益を叩き出せる調整を見つけていくことが非常に重要です。


ACOS考察


・Amazonの広告管理で表示されているACOSはあくまでも広告内での数値であって、オーガニック(自然検索)から発生した成約は含まれていない。


・広告からなかなか売れなくても、広告から発生したクリックで指定kwの検索順位が上がってオーガニックでの成約に結びついているということもあるため、一概にACOSが悪いから広告を停止しようという考えは安直。


・広告運用内での利益、ACOSの計算。オーガニックも含めた利益、ACOSの計算をしっかりとしておきましょう。それを踏まえて広告費の調整や広告停止を検討すること。


一つイメージが掴みやすくなるかなと思って僕とかが良く使う考え方をシェアしておきます。




それは広告内ACOSと全体ACOS(tACOS)のどちらも把握しておくということです。    ACOSは一般的に広告運用内での数値としてしか反映されません。


つまり、昨日の"広告経由での売り上げ"が10万円だったのに対して広告費が5万円だった場合はACOSは50%と広告キャンペーンマネージャー上では反映されます。


利益率が30%程度の商品だった場合は採算が合っていないように感じます(利益率-20%)。


しかし、売上は広告経由だけではありませんよね。


オーガニック込みでの売上が100万円だった場合はどうでしょう?


この場合は全体ACOSが5%です(利益率25%)。


この違いです。




何を伝えたいかというと、一見、広告キャンペーンマネージャーだけみると全然採算が合っていなくて今すぐにでも広告を止めたくなるシーンもあるはずです。


しかし、蓋を開けて全体でのACOSで算出してみればトントン以上で回っている。こんな事例は少なくないです。


そして、我々の目的はAmazonSEO対策。オーガニックでの売上を伸ばすために自然検索の順位を上げること。


つまり、全体でトントン以上とかで回っているならその分の実績は反映されるので遠慮なく回してカタログを成長させるべきなんです。




この広告内ACOSと全体ACOSの把握ができているかいないかだけでも心の余裕が変わります。




広告停止のタイミングについて


ある程度自然検索で売れるのであれば無理に広告をブン回しする必要はありません。




広告単体では赤字が出ていて、狙いたいkwに対して検索上位に表示できていることを確認できれば停止してしまった方が良いケースも多いでしょう。  勿論、また検索順位が下がってきたら再度広告を打つことも可能ですし、広告単体で黒字が出ているのであればそのまま回し続けるのも手です。



利益が最大化するポイントを狙って手探りしてみてください。




スポンサーブランド広告


商標を取得してAmazonにブランド登録を行うとスポンサーブランド広告を利用して、検索結果のヘッドラインに広告を出稿(SB広告商品コレクションorストアスポットライト)することが可能。


個人的にはSP広告の方が遥かに回る(予算消化しやすい=クリックされやすい)のでメイン広告にはしなくていいなと考えています。


成約率に関してもSPの方が高い傾向にあります。


予算に余裕がある人はついで程度に回しておくくらいで良いかなという所感です。



こっちの方が広告枠の少なさゆえ、SP広告ほど予算消化はしにくい(単価にもよる)が、採算は合わせやすい傾向あり。




広告番外編:動画広告


動画広告はスポンサーブランド広告の一部なので、商標を取得してブランド登録していないと使えません。

より一層商標取得の重みがこの件によって増しました。           難しいことを話しても伝わりにくいと思うので端的に説明すると


・CVRは高くなる傾向

・CTRも目立つだけあって良い

・ただし予算が回りにくい


こんな感じ。


SP広告枠と違い、指定のkwでの検索結果で動画広告が表示されるフィールドって少ないんですよね。なぜなら画面の占有率が高いから。


また、気をつけるべきポイントとして動画広告というのはクリエイティブありきです。


SP広告はただ単にカタログが広告枠に出稿されるだけですのでメイン画像の見栄えとかくらいしかクリエイティブ要素がありませんし、メイン画像は制約が多すぎて表現の幅がありません。


しかし、動画広告はその名の通り動画で表現します。


基本的にユーザーの検索結果に対して露出をしていきますので、気になって動画閲覧をしてくれたユーザーに該当商品の特徴や世界観をパッと見でも伝わるようなクリエイティブが必要なのです。つまり、動画広告では客寄せになるようなクリエイティブを制作する必要が出てきます。




広告番外編:スポンサーディスプレイ


Amazon広告では


・スポンサープロダクト広告(SP広告)

・スポンサーブランド広告(SB広告)

・スポンサーディスプレイ広告(SD広告)


の大きく分けて3種類で運用することが可能です。


一番予算も周り、販売につながりやすいのはSP広告であることは周知の事実ではあるのですが、2021年からSB広告で動画広告の配信ができるようになったり、CPCの増加から安く面を厚くする施策で活用しやすいSD広告もしっかり活用していくことが成功への近道だと僕は考えています。                          ※SB広告とSD広告はブランド登録する必要あり


SD広告ではASINを指定して露出する商品ターゲティングとオーディエンスを指定する設定が存在しています。


商品ターゲティングは理解できるけどオーディエンスは理解できないという方もいると思いますのでここで詳しく触れておきます。


FB広告などの外部広告に触れたことがある方なら一般用語であるオーディエンスですが、Amazonではなかなか聞き馴染みがないですよね。


オーディエンスとは僕なりの言葉で端的に説明するなら配信面のことです。


例えば、「1度でも自分の商品ページを訪れたことがある人」という様な配信面が存在します。


業界用語でリマーケティング広告(以後、リマケ)と呼ばれてたりします。


SD広告ではリマケが可能になるので、一度自分たちの商品を閲覧してくれたけど離脱してしまったユーザーへ追撃が可能になるのです。


リマケに初めて触れる人からしたら

「一度離脱したユーザーに追撃してもどうせ買わないからスルーされて予算だけ無駄に消化するのでは?」

と思う人もいるでしょうがそうではありません。


僕はFB広告集客を基軸にしたShopifyでの自社ブランド販売にも2年ほど取り組んでいて月利は300~500万円を2020年12月からキープしているくらいにはFB広告にドップリ浸かっているのですが、一番費用対効果が高い広告はリマケです。


これは僕の組織がたまたまリマケが上手とかって話ではなく、よく情報交換させていただいている同業者さんも口を揃えて言います。


リマケは売れる


なぜかというと、単純ですが接触回数が多くなるためです。


ザイアンスの法則というのですが、人は接触回数が増えれば増える分だけ関心や興味を持ちやすくなるのです。


一度離脱されるのはあなたの商品に全く興味がなかったという人も一定数いますが、大半は興味・関心があるけど他の商品も比較したいから一度離脱するというユーザーです。


Amazonでは特に商品ページ内で他社商品登場フィールドが多すぎます。


ユーザーの行動パターンとして物を探している途中で他の商品も良さそうに感じて離脱、そのまままた別の商品なども比較していき、結局戻ってこないケースは非常に多い。


ここを刈り取るためのリマケです。                         


上記ではリマケが一番費用対効果が高いという話をしましたが、それは他の広告などを踏まえた上でのリマケによって成約しているということなので当たり前の話なのです。


リマケは単体で意味を持つ広告というよりは他の広告だったり自然検索流入経由とのコンビネーションでパフォーマンスを発揮させます。と、ここまでリマケ中心に話をしてしまいましたが、本題としてはSD広告を活用することで配信面を厚くすることができるよってことを伝えたかったです。


オーディエンス設定はリマケだけではありませんし、新規向けのオーディエンス設定も存在しています。


こちらもうまく活用してみてください。




広告番外編:チューニング(最適化)


広告の運用は最初の設定のまま最適なパフォーマンスを維持できることはありません。


市場流通金額(検索ボリュームがここでは分かりやすいかも)は月日を追うごとに変化し、競合有無によってその入札合戦の状況も変わります。


つまり、一度完璧な状態に広告の最適化が出来たからといって、それは明日にも最適かとなるとそうではないのです。


手順1:1商品の広告全体の数値チェック


全てのキャンペーン合計での数値を確認し、

・消化予算

・クリック数

・クリック率

・成約件数

・成約率

・売上

・ACOS

・ROAS

これらをチェックします。                             この段階で「この商品の広告は全体でどれくらい利益が出ているor赤字が出ている」かを確認します。



手順2:キャンペーンごとの数値チェック

次にそれぞれキャンペーンごとにチェックします。


例えばオートターゲティングのキャンペーンなどです。


ここでもチェックする項目は同じで

・消化予算

・クリック数

・クリック率

・成約件数

・成約率

・売上

・ACOS

・ROAS

これらをチェックします。                             この段階で「このキャンペーンはどれくらい利益が出ているor赤字が出ている」かを確認します。



手順3:フィールドごとの数値チェック


次にキャンペーン内のフィールドごとにチェックします。


例えばマニュアルターゲティング(kw)の"スマホケース"というkwはどうかという具合に


・消化予算

・クリック数

・クリック率

・成約件数

・成約率

・売上

・ACOS

・ROAS

これらを各フィールド毎にチェックします。手順4:思考する時間


ここまで各種数値を出すとどこが調子良くてどこが調子悪いのかは一目瞭然です。


であれば、悪いところの広告配信を停止したり、入札金額を下げて燃費良くすれば良いよねって話になるのですが、残念ながらそんな単純なことではありません。


というか、今Amazonに取り組んでいる人がみんなそれくらいのやり方で取り組んでいるから僕みたいに特に才を持たない人間でも出し抜けます。


正直僕から言わせればここで入札の調整したり採算合っていない広告を停止するくらいでチューニングと捉えているのであれば、それはチューニングをしていないに等しいと考えています。                                   その考え方ではただ単に広告の数値を良くしようとしているだけだからです。


自社サイトとかならそれで良いと思いますが、ここでの戦場はAmazonです。


Amazonは如何にして自然検索順位を上げるかのゲーム。


つまり、広告内での採算有無なんて正直どうでもいいのです。


最近これ関連のAIツールサービスが乱立し始めていますがどれもやってることはただの数値改善で言葉を悪く言ってしまうと、ちゃんとAmazonに取り組むなら使う価値がありません。


数値改善なんて何の意味も持たないからです。                   何度でも言いますが大切な考え方は「広告はカタログを育てるorスコアをキープするための補助」だということ。


だからこそここから本題に戻りますが、ただ数値の悪い広告を調整する前に、本当にその調整をすべきか否か考えるべきなのです。



例えばですがスマホケースを販売していたとして、"スマホケース"というkwに広告配信を行うと競合も多すぎるため確実に赤字を掘ってしまう。

だけど、クリック数も多くて成約もそれなりに取れる。                    こんな状況ならあなたは広告を停止しますか?


確かに採算があっていないことは明確だとしても、"スマホケース"というkwからの流入と成約は確実に実績につながります。


ここへの配信を停止してしまった場合、一番自然検索露出を狙いたいkwであるはずの"スマホケース"への露出はできない可能性が出てきます。


つまり、未来の儲けを消す行為に繋がるのです。


ボタン一つで未来が変わります。


だからこそ採算の有無だけで判断するのは良くない。           仮に"スマホケース"のフィールドで採算があっておらず、そこ単体では赤字を掘っていたとしても広告全体でプラマイ0くらいだったり、オーガニック含めた全体でのパフォーマンスは赤字が出ていないとかなら、僕は喜んでそのまま運用を続けます。


確かに目先の利益はそこで赤字を出している分減るかもしれませんが、そのほうが未来の利益は確実に増えると確信しているからです。


だからこそ、採算の有無にだけ囚われず、未来の動向も見据えた判断を下す必要があり、それを行っている人は非常に少ないです。



手順5:オーガニック込みでの数値算出


先程手順4の最後でサラッと「全体でのパフォーマンスは赤字が出てない」とか記載しましたが、その内容がこちらになります。


今度は広告キャンペーンマネージャーだけではなく、ビジネスレポートの数値を参照してください。


ここでは広告を含めた全ての数値の合算が表示されます。               広告キャンペーンマネージャー上ではあくまでも広告経由の数値しか表示されておりませんので、全体通しての数値はどうなのかをチェックする必要があるのです。・広告消化予算

・全体クリック数

・広告クリック数

・全体クリック率

・広告クリック率

・全体成約件数

・広告成約件数

・全体成約率

・広告成約率

・全体売上

・広告売上

・全体ACOS

・広告ACOS

・全体ROAS

・広告ROAS


手順6:広告掲載枠順位チェック


ここまでやっている人は僕の知る限りほとんど知りません。


少なくとも僕の組織や関係者よりも上手くいっていないところは1人たりともやっておらず、逆に僕よりも凄く上手くいっているところはやっている人もいました。


つまり、やるだけでこのnoteに出会っていないプレイヤーより優位性が取れると言っても過言ではありませんし、それくらい重要な手順です。


何をやるかと言うとAmazon購入用サイト(シークレットモード使用)で自分の商品が広告枠何番目に掲載されているかをチューニングを行うときに必ず定点観測してください。例えば、"スマホケース"と言うkw検索に対して広告枠1位を取得している、競合商品Aの関連商品広告枠で3位を取得している

などです。


これを毎回スプレッドシートなどにまとめて各フィールド毎に順位の定点観測を行います。


これを行うことによって、自分の商品をもっと露出させることができるのかだったり、自分と凌ぎを削りあっている強豪はどんなカタログがいるのかが分かります。


更に、これを行うことによる真のメリットはカタログスコアの判別と市場の小さな変化に対応しやすいことです。


広告掲載順位というのは  入札金額*カタログスコア*露出フィールドとの関連性


で決まります。


入札金額をあげていないのに、掲載順位が上がっていた場合考えられることとしては


・競合が退いた

・カタログスコアの向上


ですよね。これを瞬時に判断できるようになるのが真のメリットです。


「なんか先週のCTRかなり落ちてるし売上も悪いな...」というシーンに遭遇した時、これをやっていないと原因解明に時間がだいぶかかりますが(もしくは解明できない)、やっていれば瞬時に判別できます。


これがどれほどデカいかはAmazonをだいぶ経験している方でないと分からないかもしれませんが、本当に力になるので必ずやってください。



手順7:自然検索順位チェック


広告とは関連性がありませんが、チューニング作業の時に一緒にやっておいて欲しい作業として自然検索順位の確認です。


何度も言っている通り、Amazonを攻略するためには自然検索の向上が必須とも言える現状です。


自然検索の順位もチューニング作業の時に一緒にやっておくことを推奨します。


こちらも手順6と同様に狙っているkw全てに対して行い、スプレッドシートなどで定点観測しておいてください。これが手順の全てですが、どれくらいの頻度でやれば良いかというと最低でも週に1回の頻度でやってほしい。


そして曜日と時間は固定してください。

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