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アイドルという人生

2022年2月12日、私はひとつの人生を終わらせました。1年半という短い人生。

アイドル文化としてグループに加入したり脱退・卒業することは生と死に例えられます。前に入っていたグループは前世、そこから新しいグループ加入すると転生。そして応援する人が現場に足を運ばなくなることを他界と呼んだりします。

そういった文化もふまえて、アイドルとしての活動はひとつの人生なのだろうと思います。今私はアイドルとして死んでいる状態なのです。卒業を決意したのは自分なので、自分で自分を殺した、といった感じです。

アイドルとしての日々は輝かしくも苦しむことが沢山ありました。アイドルってどうあるべきなんだろう?と何度も考えて、私なりに出した結論はどんな状況にあっても、どれだけ消耗しようとも目の前のステージに全力を尽くすことでした。今できる最高のパフォーマンスをする。そのパフォーマンスの質を高めるための努力を惜しまない。観てくれる人の心を動かすことが私の最大の目標であり、夢でした。

アイドル界は広く、沢山のタイプのアイドルがいます。中には私のように泥臭く頑張るタイプと相容れないようなアイドルもいます。別にその子のやり方が間違いだとは思わないです。それを好きだといって応援する人がいることも事実だからです。
ただ私はそうはなれなかっただけです。

正解のないこの世界で、私は私なりの正解を貫きました。間違ったことをしたとは少しも思ってません。それに共感してか、そうじゃなく直観的にかは分からないけど、そんな私を応援してくれる人もたくさんできました。自分の信じた道を支持してくれる人がいる、それが活動の何よりのモチベーションでした。

どうせ地下アイドルなんて、お客さんに媚び売って接触でお金を稼いでるしょうもない仕事だと、そう思う人もいます。私はそれが許せなかった。アイドルとしてステージに立つ、お金をいただいてステージを観せる、その覚悟を知らないくせにアイドルを見下すようなことを言う人が大嫌いでした。
私がアイドルになってから、上っ面な情報だけを見て私の存在を否定してくる人たちもいました。東大入ったくせに地下アイドルとか、親に申し訳ないと思わないのか?とか学歴しか売りがない可哀想なアイドルだとか、東大の恥さらしだとか、もっと酷いこともたくさん言われました。でも私は誇りを持ってアイドルをやってました。だってアイドルは私にとってたった一つの"夢"を叶える手段だったから。

私の"夢"は言葉にできない感情をパフォーマンスで表現して、観る人の心を動かすことです。誰かが飲み込んできた言葉を、伝えたいのに伝えられなかった感情を私が表現することでその人の救いになりたい。その"夢"は今も消えてくれそうにありません。色んな感情を抑えて、色んなことに耐えて、なんの希望もなく生きてきた私が唯一見つけた"夢"だから。

たぶんこの"夢"が消えるとき、私も本当の意味で死ぬんだろうなと思います。極端ですけど。それくらいの思いがあります。

いつかまた光り輝くステージに立ちたい。そして"夢"を叶えたいです。この命がある限り。アイドルとしての私は死んでいても、心はまだしっかりと生きています。いつかまたアイドルとして、また命を灯し、"夢"に1歩ずつ近づこうと思います。

私の"夢"への軌跡を、どうかこれからも見届けてください。

(活動をお休みしているこの期間も、歯がゆいですが自分のこの先の人生のための休息だと思って、志を失わずに生きていきます。ちゃんと生きていきます。)

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