出逢いに突然、訪れられても困ります。

ある日私は日課の散歩をしていると、車のそばで書類の束を取り落とした人と出くわした。

ひらひらと書類がいくつか道に舞っている。

それを慌てた様子で拾っている人。

私はその横を通って散歩を続けた。

少し歩いた後、なぜあの人と一緒に書類を拾ってあげなかったのかと、自分で自分に失望した。

なんて、不親切な人間だろうか。と

私はなぜあの書類を拾ってあげなかったのか。

道路にかがみ込んで拾う事が嫌だった訳ではない。

急いでいたわけでもない。

その人が書類を拾ってあげたら怒るような人に見えたわけでもない。

書類を拾うという選択肢が頭をよぎったのに、拾わない選択をした。

あの時の私は不親切な人間だったでしょう。

私は、書類を拾おうかと考えたそのとき、

その人にその書類を手渡しするシーンをイメージした。

「ありがとう」「どういたしまして」

そんなやり取りをするだろ事を考えた。

そして、やめた。

歩みを止めずそのまま歩き去ることを選んだ。

私は、

ほんの少し交わすであろう、そのコミュニケーションが面倒だったのだ。

一人で黙々と歩いていたときに、訪れた突然のコミュニケーションの機会に尻込みした。

私は、突然に生じるコミュニケーションが苦手です。

スーパーで知り合いにばったり出会ってしまったとき

人混みを、前からくる人と道を譲り合う瞬間

職場で突然始まる井戸端会議。

避けていいなら、無視したい。

わがわママに聞こえるでしょうが、職場でなんの前触れもなく、そこにメンバーが集まっているというだけで、始まる雑談混じりの会議が苦手。

会議ならちゃんと会議してほしいし、雑談なんだったら、参加を強制するような空気を出さないでほしい。と思ってしまう。

私は明らかにコミュニケーションモードと、お一人様モードがあり、スイッチを入れ換えるようにモードチェンジをしている。

お一人様モードの時に声をかけられる事が嫌だ。お一人様モードからコミュニケーションモードにスイッチを入れ換えるにはかなり労力を使う。

きっと。お一人様モードの時が素の私で、コミュニケーションモードの時には、色々と気をはってしまうのだろう。

それは、だれでも同じだ。と内心思うので、やっていた仕事の手を休めてそっとその会議に加わる。そして、疲れてゆく。

こういった急に訪れるコミュニケーションを負担に思う人は少ないのだろうか？

私は一人が大好きで、一人の時間が毎日2時間以上は少なくとも必要です。

一人で集中して作業するのも好き。

好きすぎる。

コミュニケーションが嫌いなわけではないのです。一人の時間が好き過ぎるのです。邪魔されたくないのです。

この感覚をどうお伝えすれば相手に失礼で無いのかわかりません。

私が誰かとともに過ごす時間より、一人でいる時間を大切にしていると、大抵の人は私がその人の事を軽んじていると思うようです。

私が、私一人で過ごす時間をどれだけ大切にしているかを語っでも、きっと不快に感じるでしょう。

私と同じくらい一人が好きな人に出会えたら最高ですよね。

だけど、お互い一人で過ごす時間が多いので、きっと、なかなか出会えることはないでしょう。

突然の些細なコミュニケーションを苦に思わない強さが、私は、ほしい。