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MMDで24fps&アニメーション2コマ打ちの手法を探る

MMDでのリミテッドアニメーションテストの手法を備忘録的に留めておきます。

結果

要件

各コマでポーズをきっちり調整したい(まばたきとか)

手法

基本的な考え方

コメント 2020-04-22 183422

1. MMDで120Fを1秒とする。(30fpsと24fpsの最小公倍数なので)

2. 120Fのうち24fpsで使う絵が5Fごとに得られる。

3. 2コマ打ちなので、0Fと5F、10Fと15F、20Fと25F…で同じキーを打つ。

4. MMDから出力したavi動画を5倍速にして5Fごとに表示する。

実作業

1. MMDで通常のモーションをつける。

2. このモーションをvmdファイル(1)に書き出す。

3. VMD Editor(旧Motion Works)でvmdファイル(1)を読み込む。

4. Effect > Frame Expansion... からフレーム数を4倍に延長する。

5. vmdファイル(2)に書き出す。

6. MMDでvmdファイル(2)を読み込む。これでモーションが1/4倍速になる。

7. 重力加速度は通常の1/4にする。1/4倍速なので。

8. 物理演算をトレースモードにして、0F目から10Fごとに通常キー・物理キー・表情キーのすべてをキー打ちしていく。マクロを使うと効率的。

9. 0F目のキーを5F目にコピー、10F目のキーを15F目にコピー…を繰り返す。これもマクロを使うと効率的。

10. MMDでaviファイルを書き出す。

11. 動画編集ソフトでaviファイルを5倍速にする。After Effectsならタイムリマップで表示フレームを制御できる。

注意

重力加速度の他にも時間(フレーム数)依存のエフェクトは調整の必要あり。

メリット

■各コマでポーズを調整できる。

■使うコマ(5Fごと)の前後数フレームは補完されたアニメーションが表示されるので、直近で一番良い絵を使える。この場合は例えば10F目を15Fにコピーするのではなく、9F目を10F目と15F目にコピーするなど。

■見かけ1/4倍速なので物理演算の解像も一応4倍に上がる。

デメリット

■キー全打ちとほぼ同義なので、MMDのキー数制限にひっかかりやすい。MMDのキーは20,000個まで打てる。モデルのボーン数によるが、10秒~20秒ぶんくらいしか作れないかもしれない。対策は1カットずつpmmファイルを分割することだが、長いダンスではいささか面倒。

■5Fごとのキー打ちをしたあとは修正作業が煩雑になる。MMDでの再生速度が見かけ1/4倍速になるので直感的に調整できない。音合わせしたいなら1/4倍速にしたwaveファイルが必要。

■pmmファイルはほぼキー全打ち、aviファイルも通常の4倍の長さ(しかも4/5は使わない)なのでデータ効率が最悪。

■マクロの実行に結構時間がかかる。手作業よりは早いが。

実験の前提

コメント 2020-04-22 182230

セル画のアニメーションでは背景が24fpsでキャラが12fps…と言われるが、これは誤解だと思う。キャラのアニメーションは2コマごと、撮影(カメラやセルの引き)が1コマごと。すなわち、キャラのポーズ自体は12fpsだけどカメラからの相対位置は24fps。なのでMMDからキャラだけ12fpsで書き出し、別に背景だけ24fpsで書き出して合成するとカメラの動きに対してキャラが1Fおきに遅れるようなカクカクした感じになってしまう。それが良い表現になる場合もあるけれど。少なくとも今回は、キャラのアニメーションが2コマごと、撮影が1コマごとの手法を探った。

120Fを1秒としたのは30fpsで割り切れるフレームレートでの出力が必要だったから。MMDは30fpsでのみアニメーションを作れる。24fpsで出力すると補完されたアニメーションが出力されるため決めポーズが崩れたり、1F刻みのアニメーション(まばたきとか)が作りにくかったりする。

MMDはアニメーションとレンダー、そしてコンポジットが同居しているので、ステージとモデルを別々に出力すると合成が厄介。なのでMMD上でアニメーション2コマ打ちとカメラ1コマ打ちを実現したかった。

以上を踏まえたのが1秒120Fで作る今回の手法。

他の案

「各コマでポーズを調整したい」のと「MMDから別々に出力したくない」のが頭を悩ますところ。前者を考えないのであればMMDから60fpsで書き出して、5Fごとの表示に間引いて12fpsにするのが最も楽で早いし、物理演算の解像も通常の2倍。

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