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信長のシェフ16巻でめちゃくちゃ良かったエピソード -2023年4月20日

漫画「信長のシェフ」の16巻ネタバレを含みます。

・漫画「信長のシェフ」を一気読みしました。
・まだ完結していないですが、すでに34巻出ているので、結構読みごたえがあります。
・現代の料理人(ケン)が戦国時代へタイムスリップし、織田信長に仕える物語となっています。
・いわゆる異世界転生ものと思ったんですが、あくまでタイムスリップで異世界のモノは出てこないです。

・歴史上の人物である、織田信長、明智光秀、豊臣秀吉、徳川家康やらと、現代の料理人ケンが交流することで、過去と現代が交差して、様々な物語が生まれます。
・私は現代の激ウマ料理を、草とか食っていたであろう戦国大名たちが食べて、驚き喜ぶ姿を見たくて読み始めたんですが、結果的に戦国大名に興味を持つことになりました。
・※ちなみに戦国大名は草なんか食べていなかった。
・漫画だし、信長サイドに付くわけなので、信長のキャラクターも一般にイメージされている残虐な人というわけにもいかず、人間味溢れる感じになっています。

・今日は、自分が一番好きなエピソードを紹介します。
・登場人物の一人に、秋山虎繁という武将がいます。
・この人物は武田家の人で、主人公の料理人ケンは、数巻にわたって交流し、良い関係値を築いています。
・一方で信長と秋山(というか武田家)は敵対しており、最終的に秋山は降伏し、処刑されることになります。

・まず、秋山が降伏するまでの流れがとてもいい。
・秋山は、籠城戦中に信長の息子である信忠に降伏するのですが、主君である勝頼が援軍を送るまでは耐え、援軍を出したという情報が伝わった時に降伏しました。
・これは武田勝頼が、援軍を出さずに自分を見殺しにすれば、勝頼の評価が下がってしまう。
・かと言って、勝頼と信忠をぶつけてしまうと、力の弱まっている勝頼は勝てない。
・だから、勝頼が見殺しにしたと言われず、そして信忠と勝頼が戦わなくていいように、勝頼が援軍を出した時に降伏したのです。
・非常に主君思いの武将ということが表現されています。

・信長側にいるケンは、なんとか秋山の処刑を止めようとする。
・ケンは信長に「秋山の最後の晩餐を作れ」と命じられる。
・信長は屋敷に秋山を招き、飯に付き合えと言う。
・そして「おぬし明日磔にするぞ」と物のついでのように言い、秋山と笑い合う。
・ここの雰囲気がとてもいい。
・敵対していた信長と秋山だが、戦国時代ではなければ、友人になれていたんだろうな、と思ってしまう。

・秋山の最後の食事を任されたケンは満漢全席を作る。
・満漢全席とは、数十種類の料理を数日かけて食べるもので、これにより信長と秋山の語り合う時間を増やそうと画策していた。
・信長と秋山は環境によって敵対していたが、一人の人間として接すれば仲間になることが可能だと見抜いていた。

・しかし、信長は一言「何も変わらぬぞ」と言い、秋山もやるべきことをやったのだから死んで信玄に会えるのが楽しみなくらいだと言う。
・結局、ケンの望みは叶わず、秋山の処刑を止めることはできない。
・ここもとても良い。
・ここで処刑を止めて、信長と秋山が手を取り合えば現代の価値観だが、そういう安易なハッピーエンドに逃げない。
・あくまでも時代は戦国。人の死によって進んできた時代です。
・信長と秋山は、ケンの料理を食べながら、話し、笑い合って、そして翌日に処刑される。
・これが一番好きな16巻のエピソードです。
・気になった方は是非。思いがけず戦国時代に興味を持つことでしょう。

・史実が気になってWikipediaを見てみる。

虎繁は城兵の助命を条件に信忠に降伏した。
織田氏はこれに対し城兵を殺害し、虎繁は11月21日に捕縛されると岐阜へ連行され、11月26日に妻の、おつやの方、家老の大嶋長利・座光寺貞房とともに長良川で逆さ磔に処された

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%A7%8B%E5%B1%B1%E8%99%8E%E7%B9%81

・信長さん、あまりにも残酷で草ですわ。

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