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祥月


【 祥月 】 
故人が死去した一周忌以降の、
亡くなったその月のことを表す言葉。 

あらたよという"悲しみをたべて育つバンド" がキャッチコピーの 祥月 という曲を最近はずっと聴いている。
「どんなに会いたくても会うことが叶わない相手を想って書いた曲です」(あらたよ ひとみさん)

祥月… 私も何回最愛の人の命日の月を越えただろう。
自分の生きる理由であり居場所であった人を亡くしてから、悲しくて苦しい情緒的な曲にばかり惹かれて繰り返し聴くようになった。内側に抱えた気持ちを代わりに叫んでくれるような気がして。

私はそれからというものずっと「心に穴が空いてしまった」みたいな満たされない気持ちを強く抱えるようになった。いままで最愛の人のために頑張ってきたから、生きる理由も居場所も見失ってしまった。失ってから気づいたけれど、自分自身はなにも生み出すことが出来ない、なにも持っていない空っぽな人間なのだ。

そんな気持ちを抱えながら、空いた心の穴に代わりのものをあてはめてみては、私が本当に欲しいものはこれじゃないを繰り返して、どうすれば自分が満たされるのかもがきながら生きている。生きる理由や居場所、自分を探している。

自分自身の感情をこうして言葉にして表現することは苦手だ。嬉しいことだったり単純な感情は分かりやすく表に出るのに、自分が本当に伝えたいこと否定的な感情に関しては一切誰にも打ち明けることがなく心に留めておくのが子供の頃からの癖だった。

でも、今こうして少しずつ自分の言葉にして書き記すようになってから取り戻せない時間の後悔や悲しみ、満たされない気持ちを昇華できるような気がしている。

そして、そんな自分の気持ちにいつでも寄り添ってくれる音楽に救われている。

君のさよならがほら
今も胸にずっと残っている
愁いを惜しんでも
心は痛いまま
欠けた月を
ただ眺めてた

https://youtu.be/w6gD2XS-fxM


祥月命日は、月を眺めようと思う。

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