部品同士の接合方法について

概要

この記事では機械設計における部品同士の接合方法について記載。かなりザックリとした内容ですが、機械設計の実務において困らないレベルにはなっているかなと。

まず部品同士の接合とは

まず機械が単体の部品で出来上がっているということはなく、たくさんの部品たちが集結して機械の形になってます。

AとBをくっつけてCという機械が組み上がっているという感じ。

そもそも機械は1つの部品だけで出来ていることは殆どなくて、複数の部品(場合によっては10万点とかそれ以上)が集まってできていることが殆どです。この部品たちを組み上げるためにボルトで締結したり、溶接したりしますが、それを接合と読んでます。接合方法は大きく分けて、機械的接合、治金的接合、化学的接合の3種類に分けらてるのですが、何だか難しいことはおいといて、代表的な接合法とそのメリット・デメリットについて簡単に説明します。

ボルト・ナットによる締結(最も一般的)

もっとも一般的に利用されている接合方法。なんといっても安価。機器メンテナンスや部品交換の必要がある時はボルト・ナットによる接合を使う以外の選択肢は無いと行っても過言ではない。
なおステンレスの母材に鉄のボルトを利用すると電蝕で猛烈に錆びるので注意。鉄の母材にステンのボルトを利用する場合はそうでもない。
また薄板同士の接合の場合は高強度接合が難しい。また作業者によって締め具合などの感覚が異なるので、この点も注意。トルクレンチなどで統一化は可能。

  • メリット

    • 安価、耐熱温度、設備費用、作業時間が短い、作業難度が低い、低温接合、異種材接合が可能、取り外し可能

  • デメリット

    • 外観と平滑性、電蝕、シール性、薄板高強度接合、耐震性、筐体剛性

リベット

ボルト・ナットよりも安価なことが多く、作業時間も非常に短い。リベッターという道具を用いると釘を打つように短時間で大量に作業ができる。接合強度はボルト・ナットと同等と考えても良いが、ボルト・ナットと異なり緩んでしまった場合に再度締めることができない。取り外すことがない部分に使うことが多い。あとユーザに取り外してほしくないところとか。

  • メリット

    • 異種材接合、耐熱温度、設備費用、作業時間、作業難度、低温接合、塗装耐熱性

  • デメリット

    • 電蝕、シール性、薄板高強度接合、部品精度吸収、耐震性、筐体剛性、取り外し困難

溶接

漢字の通り金属を溶かして接合するので非常に強い。溶接の熱によって変形してしまう場合がある。また溶接する工程がはいるので、ボルト・ナットにくらべ高コスト。溶接の距離が長くなればなるほどお金がかかる。
防水などのシール性が必要な箇所に使うことも多いが、作業者のスキルによって外観に差が出ることもある。剛性があり、また緩むということが原理上ない。他の接合法と比較して剛性が高いので、剛性が大事なときに利用することがおおい。

  • メリット

    • 耐震性、筐体剛性、耐熱温度、塗装耐熱性、ASSY化

  • デメリット

    • 歪と変形、異種材接合、電蝕、薄板高強度接合、振動吸収性、コスト、時間、取り外し不可、

接着(両面テープや接着剤)

スマートフォンの誕生により非常に一般的になった接合方法。メリットはなにより手軽かつ安価なこと。ただし接着してしまったものを再度剥がすことは非常に難しい。また組立が一発勝負になる(間違って貼っ付いちゃったら剥がせない)
個人的な感覚としてはappleがiPhoneの製造で利用してから一気に広がった感じを持っている。

  • メリット

    • 歪と変形がない、異種材接合、電蝕防止、シール性、薄板高強度接合、耐震性、筐体剛性、設備費用、作業時間、作業難度、低温接合

  • デメリット

    • 耐熱性、取り外し不可、位置決め、耐熱性、接合時間(接着剤)、接合が一発勝負(両面テープ)

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