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夏の太陽、夏の月 15 生き方

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 明けましておめでとうございます。映画館では去年の後半は「ヴァイオレット・エヴァーガーデン」「ミッド・ウェイ」「罪の声」「新解釈・三国志」を映画館で観ました。それぞれ面白く私の心に響きました。どの作品も生を謳歌しています。コロナ禍、生きること生き方を非常に感じた1年でした。また「罪の声」を除いて戦争が大きくかかわってきます。

 年末、年明けから家で映画を観ています。私はF1が好きという事もあり「ラッシュ/プライドと友情」を再度観賞ました。名匠ロン・ハワード監督の元F1チャンピオンのジェームス・ハントとニキ・ラウダの生き方が対照的なドライバーのほぼノンフィクションの物語です。最近映画館で観たばっかりと思いましたが公開が2013年なのでもう結構年月が経ってますね。

 生き方……自由奔放で刹那的な生き方、女好きで煙草も吸うし酒も飲むジェームス・ハントに対し走るコンピュータと呼ばれ緻密な努力家、雨とかのレースコンディションにひと一番神経を使うニッキ・ラウダ。ハントはいつ死んでもいいかのようなその日にやりたいことを全部やるような自由奔放な生き方で45歳で早逝します。ルックスはロン毛でロックスターを想わすようなカッコいい二枚目です。一方、ラウダはコンピュータの異名の通りミスの少ない堅実な走りを常にしますが、ふとしたアクシデントでレース中に大火傷を負います。顔は火傷のためケロイドが出来醜い容姿になってしまいます。しかし、不屈の闘志で復活し合計3回ワールドチャンピオンになり、最近亡くなったのですが70歳くらいまで生きています。両極端な性格のドライバー2人を対照してプライドと友情を絡めて監督ロン・ハワードは上質な作品に仕上げています。

 1970年代のF1は安全面に問題があり、毎年20人そこそこのF1参加全ドライバーのうち2人くらい常に亡くなっています。映画では20%と言ってます、テストでの事故死とかストレスなどの持病も含めての事だと思います。安全性を重視した今のF1界では考えられないです。明日亡くなるかもしれないレース、ハントも豪放磊落な面を見せる反面繊細なところもあり、レース前に極度の緊張感、ストレスからか胃の中のモノを吐いたりします。私も30代、40代の時はやっぱりラウダのように家族を大切にし堅実かつ真面目に生きなければと思いました。アラン・プロストやネルソン・ピケ、ケケ・ロズベルグも私生活は違いますがレース運びはラウダに似た感じで、長生きしています。ハント的なドライバーだと、ジル・ビルヌーブ、ロニー・ピータソンなどなどいずれも短命ですね。

 しかし、還暦前、私も歳を重ねる上、一度しかない人生ハントの生き方もあるよなと思い再度観賞した次第です。生き方に正解はない、私の辿り着いた答えです。本当に好きな仕事についている人ってごく限られていると思います。大多数の人はそんなに好きでもない仕事を好きになるように工夫したり、我慢したりしてして仕事をしていると思います。頭も体も若いうちに好きな事や、好きな仕事に没頭したいと思うのですが、自分の家庭や将来の事を気にするとそうはいきません。この映画でも、ワールドチャンピオンが決まる日本の富士スピードウェーで行われた雨の最終戦、ラウダは妻のために自らレースを辞めます、逆にハントは雨をものともせず死をも恐れぬアグレッシブな走りで3位入賞逆転のワールドチャンピオンの栄誉を掴みます。ハントは短い人生であったけどその生き方は輝き、うらやましくも思えました。私の大好きなアイルトン・セナも30代で亡くなりましたが今なお多くのファンに愛されています。


 

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