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企業があたり前に自分たちの「番組」を持つ時代がやってくる。

これからの時代、企業があたり前に自分たちの「番組」を持つようになる。そんな風に感じたのは「手紙社」北島さんとのオンラインでの対談がきっかけだった。

「番組」といっても「テレビ番組」のことではなく「オンライン配信」のことだ。そしてそれは、いわゆる自社商品の紹介動画配信のことではない。

手紙社さんは、昨今の自粛状況に伴い4月19日に「GOOD MEETING」というオンライン上のテレビ局のような場所を立ち上げられた。

◎GOOD MEETINGって何?
手紙社が敬愛する作り手やお店のオーナー、書き手やパフォーマー、あらゆるジャンルの気になる方々をナビゲーターにお迎えして、オンライン上で講座やワークショップ、部活動的な集い、暮らしにまつわる情報交換を行う場です。

オンラインサイトより

家で過ごす時間が増え、多くのウェビナーが企画、配信される中で「GOOD MEETING」がそれらと少し違うのは、目的が学びだけではないことだ。「手紙社」の編集を通して集まった人たちと何かを作ったり、お話ししたり、ゆるやかにつながるコミュニティのような場所になっている。上記の説明にある「暮らしにまつわる情報交換を行う場。」は、まさに言いえて妙。開始から1ヶ月ほどで、常時100以上のMEETINGが用意されているのもすごい。

今回、ご一緒させてもらった「北島対談」は、そんな「GOOD MEETING」の企画の一つ。お声がけいただいた時に有料のライブ配信であることを知り、興味を持ってご参加いただく皆さんにどうやったら楽しんでいただけるか、対談がはじまるまでの間も、はじまってからもずっと考えていた。

その場のライブ感を大切にするために事前の質問リストはない中で、僕が唯一考えていたことは「今考えていることを偽りなく、分かりやすい言葉で話すこと」だった。でも今ふりかえると、この考えはこれまでのオフラインイベントの延長でしかないことに気づく。

対談は、北島さんからの質問に加えて、視聴されている方からの質問を拾いながら進んだ。僕は質問に答えながら「みんなと自由に会話できる(会話をしてもいい)イベントなんだ。」ということを理解した。「会話」と言っても、もちろん音声で直接というわけではない。チャットを通していただいたテキストの質問に映像と音声で答えて、それにまたテキストで反応をもらう、映像と音声とテキストを通じた会話だ。

そうした会話を通して、たくさんの人が確かに参加していることが感じられて嬉しくなった。それから僕もチャットモニターを表示して質問を拾いながら話を進めさせてもらうことにした。

途中、紹介した作家さんが偶然視聴されているという幸せなハプニングもあったり、その作家さんを含めて一緒にトークしたり、北島さんと本音を語り合ったり、乾杯したり、終わってみれば、話をしている僕も一緒に楽しませてもらった対談となった。

今回、手紙社の方が「オンライン良さは、みんなが特等席で視聴できることだ。」と言われていた。加えるならば「みんなで作る」ことも良さの一つかもしれない。

「みんなが特等席」と「みんなで作る」。

もはや話し手と視聴者の間に壁は存在せず、視聴者はただの参加者ではなく出演者の一人として参加するような感覚。そして、これこそがオンラインで、ライブ配信で対談することの面白さだと感じた。考えてみれば当たり前のことではあるけれど、登壇者側から自分で体感できたことは大きい。

手紙社さんの「GOOD MEETING」のような形で、コミュニティを作っていくことは、多くの企業のヒントになるかもしれない。必要なことは、スタジオ設備や配信機材を揃えて番組を編集する能力よりも、誰を呼び、何を伝え、あるいは体験してもらうかを編集する能力

その編集の視点自体が、企業のスタンスを示し、共感を生み、ファンと一緒に価値を広げていく活動になっていくかもしれない。

そんなことを感じた、対談だった。



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