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Meetyを活用して2ヶ月間で100件の「話したい」を作るためにやったこと

こんにちは、株式会社HERPでデータアナリティクスとカスタマーサクセスを担当しているmasaです。
HERPは現場社員を巻き込んだ採用手法「スクラム採用」を提唱していますが私たち自身もスクラム採用を実践するイチ企業でありまして、私は現場メンバーとして今年の3月から5月にかけて2ヶ月間ほどカジュアル面談プラットフォーム「Meety」の活用を社内で推進してきました。
本記事では、実践の中で得られたインサイトや結果について共有したいと思います。

HERPでMeetyを活用することになった背景

当時ダイレクトリクルーティングやエージェント活用等の母集団形成、ブログ発信などの採用広報活動には取り組んでいたものの、採用目標に対して母集団が足りておらず、有力な候補者との接点をあまり作れていないという課題がありました。
そのような状況の中、Meetyはカジュアル面談のためのプラットフォームで潜在的な候補者との接点を作りやすく、またスタートアップなどIT系企業に所属されているユーザーが多く相性が良さそうと感じたため、活用を推進していくことに決めました。
また私個人としても、潜在候補者と企業の現場メンバーが直接つながることができ、より現場の具体的な話がしやすく精度の高いマッチングが起きやすそうなMeetyの世界観に勝手に共感していたこともあり、社内で活用推進することへの強いモチベーションがありました。

2ヶ月間の数値面での成果

まずは、Meety活用を推進した2ヶ月間で得られた数値面での成果を共有したいと思います。

  • 累計の「話したい」の数・・・102件

  • Meety上で面談した件数・・・69件

結果として、2ヶ月間で100件以上の方に申し込みいただき、70件程度の面談を実施することができました。
参考までに、特性は異なるものの弊社で一番運用しているスカウト媒体であるビズリーチでは同じ期間で50件程度の応募だったので、それなりの成果が得られたのではないかと思います。

申し込み数が多かった募集トップ5

ここでは、Meetyで「話したい」(以下「申し込み」とします)が多かった募集トップ5を紹介します。

①セールスフォース・ドットコムとスタートアップのCSを比べてみました
②SaaSスタートアップにて新規事業開発として取り組み中のことをお話します
③CMO経験者がスタートアップでのマーケターのキャリア形成について語ります
④HRTechスタートアップのデータアナリストが日々やっていることをお話します
⑤リクルート新規事業➔コンサル➔スタートアップ-マーケティングキャリア構築

所感として、当たり前のことかもしれませんが、ペルソナが明確でテーマに一定の具体性があり、かつ世の中に出回っていない希少性が高いテーマに関する募集で申し込みが多かったと感じます。
具体的に、
①についてはSaaS企業で働くCSの方ならどなたでも聞きたいようなテーマかと思いますが、セールスフォース社とスタートアップのCSの違いについて聞ける機会は多くないため希少性も高かったと感じます。
②, ④はそれぞれ事業開発, データアナリストの方を対象として、世にあまり出回っていない現場の具体的な話が聞けるという点で希少性・具体性が高かったと感じていますし、
③, ⑤もそれぞれスタートアップにおけるマーケターとしてのキャリア構築という点で一定の希少性があり、ペルソナ,テーマも明瞭だったと感じます。

とはいえ、スタートアップ業界は変化の流れが非常に早いためヒットするテーマを作ったら終わりではなく、世の中の動きを常にキャッチアップし、ニーズの変化に応じてペルソナ・テーマを変化させていく必要があると思います。

以下からは、申し込みを増やすために具体的に取り組んだ施策について詳細を記載していきます。

①申し込み数の最大化フェーズ

まずは、Meetyにどの程度ポテンシャルがあるのかを明らかにするため、申し込み数をKPIとして取り組むことにしました。その際、Meetyはどれだけ現場メンバーを巻き込めるかが成果を出す上で重要となると思ったため、申し込みの合計数ではなく、申し込みが2件以上来た募集を10件作る、ことをKPIとして取り組むことにしました。

過去の実績を元に、申し込みが来やすそうなテーマの選定

すでに何人かの社員が自主的にMeetyを活用していたため、今までの累計申し込み数, 面談数, 選考参加数, 本人の所感等を集約し、どのようなテーマ・タイトルだと応募がきやすいのか検討しました。
上記内容を元にテーマのたたきを作り、募集を公開してほしい現場メンバーとそれぞれ相談して、誰に何をどのように伝えると良いかを擦り合わせて実際のテーマ, タイトルを決めていきました。

Slackチャンネルで申し込みを可視化し、社内でモメンタムをつくる

上述したとおりMeetyはどれだけ現場メンバーを巻き込めるか(モメンタムが作れるか)が重要だと思っており、モメンタムを生む鍵は成果が可視化されることと各メンバーが自発的に取り組める状態を作ることだと思っていたため、前者の成果がリアルタイムで可視化される仕組みを作りました。
具体的には、MeetyにはSlack連携機能があるため、全員に共通のwebhookURLを設定してもらい1つのSlackチャンネルに情報が集約される形を作りました。
加えて、MeetyのSlack連携では「「話したい」が届きました」と「メッセージが届きました」の2種類の通知が来るのですが、申し込みが来たことを喜びたいから「「話したい」が届きました」だけを見られるチャンネルが欲しいとの意見を複数のメンバーからもらい、Zapierというツールを使って「「話したい」が届きました」だけが来るチャンネルを別途作成しました。
上記取り組みによって申し込みが来たら盛り上がる空気を作れましたし、またどんなテーマに申し込みが集まりやすいかが可視化され、改善を回す土台が作れたと思います。

「話したい」が届きました」のみ通知させるSlackチャンネル

ニーズを元にテーマ・タイトルを磨き込み

申し込みを最大化する上で、どんなテーマ・タイトルだと申し込みが増えるるのかの解像度を高めることが最重要イシューであったため、活用促進を始めた当初は毎日のようにどんなテーマを作るべきかを考え、具体的に以下のような取り組みを行いました。

①面談で「申し込みの背景」と「流入経路(Twitterやmeetyでの検索など)」を聞く
なぜ申し込んでくれたのか、どの経路で募集を見つけたのか、が一番重要な一次情報だと思っていたため、面談で2点を質問するオペレーションを社内で徹底し、ユーザーが興味を持つポイントについて解像度を高めていきました。

②テーマごとの申し込み数を可視化し、申込みが来ていないテーマのテコ入れ
以下のようにテーマごとの申し込み数を可視化してみると、応募が来るものとほとんど来ないものがあることがはっきりと見て取れました。一定期間申し込みが来ていないものは、テーマの具体性を上げる・下げる、もしくはテーマの方向性を変える、というアプローチでそれぞれ対応しました。

20220325-0424における募集ごとの申し込み数

③Meetyの募集やTwitterのタイムライン等を眺め、スタートアップやSaaS業界において今どんなテーマに関心がある方が多いのかを調査
広い目線で、我々がターゲットとしている方々がどんなテーマに関心があるのかをウォッチし、マクロなニーズ起点でのテーマ検討も実施しました

上記①〜③の取り組みを通して、自明かもしれませんが、一定の具体性があるテーマ(≒ 一定のニーズがあるテーマ)を作ることが重要だと感じました。
テーマの具体性が低いと内容が抽象的になるためよほどの有名人ではないと申し込みがこなそう(↑の実績シートにおける「新卒メガベンチャーから40名のスタートアップに転職して思ったこと」など)、
一方、テーマの具体性が高すぎると聞きたい人がそもそも少ない(↑の実績シートにおける「Notionでのプロダクトバックログ管理について知見交換したい」など)ということを感じ、広すぎず狭すぎずの層を狙うテーマ設定が重要と感じました。

また、得られた示唆について社内に浸透させて各メンバーのMeety活用の品質を高めるため、得られた示唆や必要なオペレーション等を以下のようなドキュメントにまとめて社内に展開しました。

社内向けMeety運用まとめドキュメント

②候補者との面談数・選考数の最大化フェーズ

上記したような活動を通じて、当初にKPIとしていた「申込みが2件以上来た募集を10件作る」は達成し申し込み数は一定取れることが分かったため、次は採用成果に直結させるべく採用決定により近いフェーズでKPIを立てることにしました。具体的には、候補者との面談数, 選考意思獲得数をメインKPI, サブKPIとして、それらのKPIを達成するために以下のような施策を実行していきました。

面談テーマを定期アップデートし、良質なテーマへの申込みを持続させる

先程、面談の中でどういった経路で応募したかをヒアリングするようにしていると書きましたが、HERPにおいてはMeetyのプラットフォーム内で募集を見つけて申し込む方が多いようでした。実際、面談中に「募集を上から眺めてピンときたテーマだから申し込みした」という声も聞きました。

Meetyでは日々多くの新規募集が投稿され、ウケがよい募集を1度作っただけでは時間が立つと埋もれてしまいユーザーに発見されづらくなってしまうため、新しい募集を投稿するか既存のテーマをアップデートすることで新着募集一覧の中でなるべく最新に表示されるようにする工夫が必要そうだと感じました。
そして、実際に私が定期アップデートを一定期間試した結果申し込み数が増えたため、(本質的ではないかもしれないですが)定期アップデートすることで良質な面談テーマを埋もれさせず申し込み数を増やせそうと感じ、Slackのリマインド機能を使って定期アップデートする仕組みを導入しました。
結果として、5月は新規の募集をほとんど作っていないものの、新規募集を大量に作っていた3月後半~4月と同等のペースで申し込みが来ていたため、申し込み数を増やすという観点では意味があったと思います。
とはいえ、マッチングの精度を高めるという観点では本質的な取り組みではないとは思うので、各ユーザーの興味関心にマッチした募集が上から並んでいるのが理想的な世界線だなとは思います。

外部流入の拡大

新規の募集作成や定期アップデート等で一定申し込みが増える仕組みは作ったものの実績のほとんどがMeety内検索での申し込みになっており、Meety内でアクションし続けないと申し込みが獲得できないフロー型になってしまっている課題感がありました。そのため、Twitterやnoteなど外部のメディアで蓄積したコンテンツからストック的に申し込みが来る状態を作れないかと考え、以下のような取り組みを行いました。

①Meetyまとめ記事の発信

領域を決めて各テーマの概要やメンバーの紹介をまとめたコンテンツを発信できれば、テーマの魅力が伝わり今後も継続的に申し込みが増やせるのではと思いカスタマーサクセス領域に関するMeetyのまとめ記事を作成しました。

結果として、(間接的な効果はあるかもしれないものの)直接的な申し込みの増加にはつながりませんでした。申し込みが来なかった仮説としては単純にビューが少なかったこととテーマひとつひとつの魅力を伝えきれていなかったことが考えられます。

ビュー数については、自分のnote記事は数百程度でしたが、Meetyでは公表されているユーザー数から少なく見積もってもその数十~数百倍以上のビュー数がありそうなため、そもそも絶対値としてビュー数が少なく、Meetyでの新規募集の投稿や更新に比べて効果が薄かったと思います。また、今回は複数テーマのまとめ記事として出したためテーマ1件1件の魅力が伝わりきらず、note記事を読まれた後にMeetyで申し込みをしようと思いづらかったのではないかと思います。
そのため、複数テーマのまとめ記事よりも、該当の1テーマを深く掘り下げるnote記事を書いて該当するMeetyの募集を動線として貼っておく方が筋が良いのではと考えています。

②Twitterアカウントの強化

弊社にはTwitterを日常的に運用するメンバーが多くなくTwitter経由での流入がほとんどないという課題があったため、Twitterの運用を強化することにしました。
結果として、毎日投稿するなど2週間ほど施策を実施してみたものの、直接的な申し込み数増加につながるまでは時間がかかりそうなことや、そもそも自分が投稿したいと自然と思える内容ではないと投稿しようと思わないため運用が各人の自主性に任せられることなどから、短期的な施策としてはROIが合わなそうと思いストップすることにしました。

面談後アンケートで転職意向を把握し最適なアクションを選定

選考意思を獲得する上で、まずはその方が転職活動についてどのような状況なのか、そしてHERPにどの程度興味があるのかを知る必要があると思い、カジュアル面談後にアンケートを実施することにしました。

面談の中で転職意向の確認や次の接点の案内等をするのが楽かもしれませんが、申し込みいただいた方は申し込みしたテーマ自体に興味があり、必ずしも自社の選考を受けたいわけではないので、
面談中は申し込みいただいた方の疑問を解消すること、申し込みした目的を達成することに最大限コミットして、転職意向等の確認は面談後のアンケートで実施することにしました。

その結果、面談ではGiveすることに100%集中できるようになり信頼関係が作りやすくなったと感じています。
最初の接点で一定の信頼関係を作ることができればその後のタイミングでいくらでも転職意向の確認やアトラクトはできると思うので、初回接点のタイミングでは信頼関係を作ることが何よりも大事だなと実感しています。

希望に合わせて次回接点の案内

上のアンケートを通して得られた転職意向やHERPへの興味度を元に次回接点を案内する形をとっていますが、正直ここはまだやりきれていないです。
現状、社内の他メンバーとの面談や会食のセッティング、オープンオフィスへのお誘いなど実施していますがまだまだ属人的な部分も多く、初回接点獲得後のアトラクトについては今後の重要イシューとして取り組んでいきたいと思っています。

面談後アンケートの一部

さいごに

Meetyに関する所感

上記した内容を3~5月で取り組み、6月から始まった今Qでは採用を個人のメインミッションとしていないため2ヶ月近く運用を放置してしまっていますが、テーマ・タイトルのブラッシュアップと定期更新の仕組みを作ったことで継続的に申し込みが来ており、一定は成果が出る仕組みが作れたのではと思います。
アクションを継続しないと成果が出にくいスカウト業務に比べて、Meetyでは魅力的な募集テーマを作ることができれば募集自体が資産となりインバウンド的に応募が来るため、効率的に潜在候補者と新しい接点が作れる素晴らしいサービスだなと感じています。
合わせて副次的な効果ではありますが、Meetyの募集を出していること自体が現場メンバー1人ひとりの魅力の発信にもつながるため、母集団形成だけでなく採用広報にも役立っているのではないかと感じています。

HERPと検索すると、多種多様なメンバーと応募テーマが並んでいる

ただ、成果を出すには魅力的な募集の作成や各メンバーの面談スキルを高める点などが必要で、現場メンバーと密に協業してコミットメントを引き出すことが不可欠であるため、従来の採用媒体等とは成果を出すためのアプローチが異なってくるのではと思っています。
また、Meetyはあくまでもカジュアル面談として初期接点を作るサービスなので、初期接点を作った後に自社の魅力が伝わり選考に進んでいただくにはまた異なるスキルが必要になってくると思います。ここは弊社もまだまだやれていないので今後取り組んでいきたいです。

個人としての所感

初めて採用プラットフォームを自分で本格的に運用してみましたが、採用領域に関する解像度を上げることができて個人的にもとても良い経験になったと感じています。
潜在候補者の方と話すだけでなく、私自身もMeetyを通して他社の採用担当の方と話す機会が何度もあり、どのような企業がどのように採用に取り組んでいて何に困っているのか等など、リサーチしただけでは知り得ない具体的な話を聞くことができました。
私は普段カスタマーサクセスやプロダクト開発領域におけるデータ活用・データ基盤構築をメインで担当していて、今までは定量データのみで施策の検討やアクションを実施している節が大きかったですが、Meety活用を通じて、定性データや採用担当の方1人ひとりを思い浮かべて以前よりも解像度の高い施策の検討ができるようになってきていると感じています。
私に自由にMeety活用をやらせてくれて多くの面で協力いただいた社内のメンバーには本当に感謝しています。

最後になりますが、Meetyは今までにない採用プラットフォームで、潜在候補者と現場メンバーを直接つなげることで、より精度の高いマッチングが生まれる可能性が高い素晴らしいサービスだと思っています。是非、新たな候補者との出会いや同志との出会いを探している方には活用してみてほしいと思います。
以上、masaでした。


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