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夜の四十万(しじま)、この静寂が

 静まり返って怖いほどの闇、先ほど外出していた際、少し霞んで三日月が見えた。年末頃、今より遥かに冷たく寒い時期、買ったばかりのコンパクトデジカメで、月を撮ろうと悪戦苦闘した。望遠レンズは、まだ技術的に無理、スマホカメラではもっと無理、いつかきっと綺麗に撮りたいと願いつつ今日まで。カメラの対象は、次々と変わっていった。まだ続いているのが、花、我が家の隙間に植えた、置いた花、次々と咲く。心、穏やかに日々が続く。梅が咲いた、桜が咲いた、チューリップが咲いた、そして、この花。躑躅かな。色がきれいなピンク。

 夜、カメラで今日、撮った写真をいま一度眺める。夜、午後11時夜の四十万(しじま)、しじま、なんて美しい、今の夜の雰囲気に相応しい言葉だろう。スマホ辞典で見ると、やはり大和言葉。いい響きだ。

 一昨年からの純年金生活者、一切の社会活動や仕事から解放され、自由の身となって、好きなことに日々を過ごしている。一に、読書。二に、家事手伝い、好きでやっている。運動も兼ねて。コロナのせいで、大好きな旅行には生きにくい。パスポート更新期限が迫っている。よくぞ気が付いたものだと、我ながら思う。70歳を目前にして、まだパスポートが要るかと言われそうではあるが、そんなことは全然きにしない。

 勝海舟が福沢諭吉から、幕臣のくせに、幕府を潰し、新政府に仕えるのはどうかと非難され、曰く、「行蔵は我に在り 毀誉褒貶は他人の主張・・・(記憶が薄れた)」と相手にせず。私も我道を行く。

 どっちにしても、他人は、ああやこうやという。聞くのもあほらしい。犬は吠える、されどキャラバンは行く。これも同じ意味。みんな、他人のぐちゃぐちゃには怒り狂っていたのだろうか、それとも本格的な無視だろうか。少し前、女性のプロレスラーがテレビ番組での言動をSNSで批判されて、悩んだあげく自死してしまった。気の毒に、心優しいシャイなひとだったのだろう、まだ二十歳くらいの人、かわいそうに。もう少ししたら全然きにしなくなるのに。若いうちは、真面目だから。私もいろいろ気苦労があった。

 バカは相手にしないこと。心配してくれるのは、嫁さんが親か子か、それ以外はいないと思っている。まして他人は、面白半分。まともな人で、自分のことに精一杯。

 悩むのはやめて、しっかり自分の人生を愉しもう!



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