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なぜか月を観る気持ちになってきた、さては秋が来たのかと案じている。それもいいんだが、暑い夏もいい。

 熱い暑いと要っている内が華、現役も終わりの方になって、たまにお世話になった大先輩にお会いすると、現役の頃がよかったという話が多かった。
私は複雑、永い間やった仕事は、どの分野であれ、概ねわかる、人並みにはできるつもり、それなりに。抜群の実績を残せというのは、状況と能力・資質の点から、評価分かれる。
 退職後もう十年近く、永くやった仕事以外の世界も垣間見てくると、年金暮らしのいまは、最高、好きなことを好きなようにやって時間を過ごせる。間違っても、現役時代の厳しさやつらさをいい思い出と思う気持ちはまったくない。むしろ思い出したくないことばかり。
 こうして、今日のテーマの百人一首、大江千里の
 月見れば千々にものこそ悲しけれ 我が身ひとつの秋にはあらねど
 日々熱い暑いといいながら、朝夕、ほんのり涼しさが漂ってきている。
台風の影響が、こんな遠くまであるとも思えないなか、ヒャリとした一陣の風が心穏やかに、秋の訪れを感じさせてくれる。
 もう秋なんだ、
 立秋なのだ。
 秋きぬと目には清かに見えねども 風の音にぞ驚かれぬる
                      藤原敏行
 日々の時の流れは、早い。
 明日ありと思う心の仇桜 夜半に嵐の吹かぬものかは
                     親鸞聖人
 もうすぐお盆です。親鸞聖人は、日本人の宗教、特に仏教の中で、トップクラスの評価されているお坊様です。四人も奥様がおられ、多数のお弟子さん、お寺さんがあって、本来の仏教を、いかにも日本人らしい仏教にしたお方だと思います。それがいいのか、悪いのか、それは秘密です。
 いずれにしても、学ぶべき先人の一人ではあります。
 日々先人の残してくれた知恵を学んでいきたいと思っています。
 南無阿弥陀 南無阿弥陀 南無阿弥陀 念仏三遍申して止みぬ
                          方丈記 西行法師


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