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11月23日(木)「未利用魚・小キンメダイ」

今日の東京は曇りのち晴れ。
朝方の最低気温は8℃台、日中の最高気温は22℃近く迄上昇。
比較的暖かい日となりましたね。今日は勤労感謝の日で祝日でしたが、飲食業にはお休みナシなので、働いてました(笑)。さて、

昨日は「二十四節気・小雪(しょうせつ)」についてお伝えしましたが、今日は「未利用魚・小キンメダイ」。

キンメダイ。
言わずと知れた、深海に棲み金色に光る大きな目玉を持つ真っ赤なおサカナ。伊豆半島の稲取伊豆諸島等で獲れるモノが有名ですね。
でも、その主な棲息域は釧路沖以南の太平洋沿岸や新潟県以南の日本海の沖合200~800mの岩礁帯となっていますが、九州や四国でも獲れるので、まぁ北海道の北側を除くほぼ全国的に獲れるおサカナであるし、従って大抵はドコの市場でも出回っています。なので、全然未利用魚ではなく、超?利用魚であって、珍しくも何とも無い魚でもあります。
型の良いモノ(=市場に出回っていて、ナンならばスーパーにも並ぶヤツ=40~50㎝大のモノ)であれば、旨味の強い白身魚なので、煮て良し・焼いて良し、刺身でも美味い。薄切りにしたしゃぶしゃぶでも良いし、汁にしても美味い。良い脂が身全体に刺しているので、甘みも旨味も強い、ある意味万能なおサカナでありますね。

このおサカナは上述の通り深海に棲息しているワケですが、未成魚は大体100~250m程度のトコロに、成魚になると200~800mに棲んでいるようです。従い、その漁獲方法としては電動リールにPEラインを数百メートル巻き、釣針を沢山付けた胴付き仕掛けを使って釣る方法(殆ど延縄漁(笑))もあるけれども(コレで連なって釣り上がって来たキンメを提灯行列等と言う)、一般的には深海底引網で漁獲されるコトが多いですかね。
豊洲市場等では、全国各地から入って来るピン物(=質の良い)の大型のキンメダイは今だと2,500~4,000円/キロ程度の価格で売られていますが、冒頭写真のような25㎝前後の小型のキンメが入荷するコトは殆どありません(もしかしたら、全く見たコトないかも)。

ただ、準ホームグランドである実家のある愛知県の西浦鮮魚マーケット一色さかな村には、恐らく未成魚が棲息する100~250m付近の深海底引漁をやっているからだと思われ、結構な量の小型キンメが入荷し、安値で叩き売られてます。一色の市場には、恐らく駿河湾近辺迄出漁する東三河漁協の船が獲って来る大型のキンメも時期になると入荷してますね(西三河漁協の船はアチラ迄の出漁はしていない(出来ない?)みたいです)。

と言うコトで、西浦や一色では25㎝前後の小型キンメは1匹100円前後と、超格安で売られているんです。地元のヒト達はバケツ持って早朝に買いに来て、オカズ(惣菜)用にしていると思われるので、未利用魚とは言えず、ココでご紹介するのは少々憚られるます。
が、この値段の付け方を見ると、決してメジャー級の魚扱いをされているとも言えず、未利用魚の一旦を担っていると言っても過言ではないかな、と思います。

お味の方はと言うと、流石にコレだけ小型だと、脂の乗りは大型キンメの比較にはならず、サッパリ淡白ですかね。と言っても、腐っても鯛じゃあないけれども、小さくてもキンメではあるので、旨味は充分だし、この値段を考えれば、贅沢を言えないモノだと思いますね。
勿論、煮付け最高、干物にしても美味いし、刺身・霜降り・炙りだってイケます。

と言うコトで、もっと利用されて良いおサカナであると思います(と言っても、水産資源保護の観点からはこのサイズのモノは獲らない方が良いんですが、底引網漁の場合混獲されて、リリースも出来ないのだと想像されます)。

と言うコトで本日はコレにて。
明日は世界一臭い食べ物と言われる「醗酵食品・シュールストレミング」についてお伝えして行く予定です。


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