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2024年6月18日(火)「未利用魚・カナガシラ」

今日の新潟は曇り時々雨。
朝方の最低気温は21℃、日中の最高気温は23℃迄しか上がらず。
昨日福島を出て、今日は新潟に。新潟のアトは長野へ。多動症、治りません(笑)。さて、

昨日は「醗酵食品・アンチョビ」について書いてみましたが、本日は「未利用魚・カナガシラ」について書いてみたいと思います。

カナガシラ。
あんまり聞いたコトの無いおサカナじゃあないですかね。漢字だと「金頭」と書くのだと思います。ただ、そのカタチからしてもお分かりの通り、ホウボウ科に属するホウボウのお仲間ですね。ホウボウと比べると、口の先っちょが寸詰まりで、胸鰭はホウボウほどの派手さが無く(胸鰭もホウボウのような鮮やかな青ではなく赤)、また短い。ホウボウがややスマート系であるのに対し、コチラはややドンクサ系と言うか愛嬌のあるカンジでしょうか。
ホウボウは豊洲等の中央市場を含めドコの魚市場でも大抵見掛けるし、気の利いたスーパー等でも売られているメジャー級であるのに対して、カナガシラは決して珍しいおサカナでは無いものの、豊洲等でもスーパーでも殆ど見掛けるコトのないマイナーなおサカナであると言えるでしょう。勿論、産地では珍しくも無いサカナではあるのですが。その意味では、都会に於ける未利用魚であるとも言えましょう(強引かな?)。

そんなカナガシラ。
日本に於いては北海道から九州まで、大抵ドコにでも棲息し、獲れているサカナなのに、然程多くは流通しておらず、売られていても安い(因みに、冒頭写真のカナガシラは一色さかな村で10匹400円でした(笑))。
でも、ホウボウに比べて味が劣るかと言えば、そんなコトも無い。クセのない白身で、刺身でも焼いても煮ても、揚げ物にしても汁モノにしても美味い。干物にしても美味い。言わば、万能選手ですね。まぁ、一つだけ難点を言えば、サイズ的にホウボウほどは大きくならないコトですか。
しかし、カナガシラのお仲間も実は多いようで、カナガシラ属があるようで、言わばその親分ですね(笑)。

また、カナガシラは縁起物のおサカナでもあるようで、長崎では丈夫な歯が生えるように、骨が丈夫になるようにと、お箸初めの膳にカナガシラの焼物を乗せる習慣があったり、節分の日には「金に肖る(あやかる)」としてこのサカナを食べる習わしがあったりもするようですね。お食い初めでも尾頭付きのこのサカナが膳に上るコトも多いようです。

とまぁ、マイナーだけれども中々にオメでたくて美味しいこのサカナ、ドコかで入手可能であれば、出して行きたいですね(恐らく、安いから助かるんですよね(笑))。

明日は「漁師料理・ブイヤベース」についてお届けして行きたいと思います。

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