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10月23日(月)「未利用魚・イトヒキアジ」

今日の豊田は朝方は曇り、その後は晴れ。
朝の最低気温は10℃割れ、日中の最高気温は23℃。
週末も冷たい風が吹いて気温低下してましたが、まだその余波が残っているようです。大風が吹いていたせいで、フネもあまり出ておらず、週末の一色市場はサカナ少なめ、でも人出はまずまずでした。さて、

先週末には「醗酵飲料(焼酎)・若潮酒造」についてお届けしましたが、今日は「未利用魚・イトヒキアジ」について書いて行きたいと思います。

イトヒキアジ。
アジ科の魚であり、主として熱帯・亜熱帯域に棲息している為、日本でも北海道以外であれば大抵ドコでも獲れるようなおサカナでもあるにも拘らず、一般的な認知度は低く、見たコトも聞いたコトもないヒトが多いのではないかと思われます。

そもそも、イトヒキアジと言う名前は幼魚の頃にその菱形のカラダから伸びた糸を引いたような背鰭と臀鰭から付けられたモノなのですが(そして、沿岸の定置網で良く獲れるのはこの幼魚が多い)、成長するに連れその糸はどんどん短くなってしまって、しまいにはギンガメアジロウニンアジ等のヒラアジ系の形にもなり、且つ1m近く迄成長するようです(豊洲等では菱形の幼魚を見るコトはありませんが、偶に60㎝前後の成魚を見掛けるコトはあります)。

このサカナは、全世界の熱帯・亜熱帯水域に棲息していて、日本でも基本的には南日本の沿岸域を中心に多く漁獲されているものの北海道以外のドコでも獲れている魚であると言えます(昨今の温暖化もあって、そのウチに北海道でも獲れるようになってしまう気もしますが)。
であるにも拘らず。
豊洲市場やフツーのスーパーマーケット等でこの魚を見掛けないのは、恐らくではありますが、①然程漁獲量が多くはないコト、②そもそも一般消費者の認知度が低いコト、③上述の通り成魚は1m程度迄成長する為一般消費者では捌き切れないコト等でありましょうか。

でも。
このおサカナは美味いんです。流石にアジ科の魚でもあるし、身質もクセのない淡白なモノで、生でも煮ても焼いても、そして揚げてもイケる、万能魚です。まぁ、幼魚の方は身が薄いコトもあって三枚おろしにすると薄っぺらくなってしまうと言う特徴(欠点?)はありますが。ただ、幼魚は激安ですからねぇ、贅沢は言っておれません。
また、成魚の方は割と脂も乗っているコトもあるし、肉厚にもなって来るので、大物を自分で捌くコトの出来るヒトであれば使い勝手のある魚だと思いますよ。

と言うことで、入手は中々カンタンではありませんが、もっと評価されて、もっともっと食べられても全然おかしくはない魚(=未利用魚)だと思います。
恐らく、この秋の時季であれば一色でも時々出ているようなので、入荷したら一色からお取り寄せすると言うコトも出来るかも知れません。格安状況が続くのであれば(≒一般にその美味さが認知されてしまわなければ?)、一色から取り寄せてお店で出すのもアリかも知れません。

と言うコトで、本日はこれまで。
明日は「二十四節気霜降(そうこう)」について書いて行こうかと思います。


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