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知っているけど新鮮。

日々、新しい物語――僕の場合は映画やドラマの企画を考えていると、思うことがある。

自分が作りたい作品は、「知っているけど新鮮」なものだ、と。まあ、これは一般的にも企画論として語られがちなことで、なにも僕特有の考えではないのですが。
矛盾するような要素なのだけど、エンターテインメント作品にはこれが大切。もちろん、一部のアート作品と呼ばれるものは別ですが。

新しすぎるものは、どう受け取っていいかわからないので人々に拒否反応を起こされがちです。「型(かた)」が見えないので、どう見ていいかわからないのです。
かといって、あまりにも古臭いものは「もう知ってるよ」と無視される。
この塩梅が難しい。

人間にとって最も強い感情は「懐かしい」という説もあります。
つまり、「知っている」ものはやはり強いのです。
飛躍するけれど、つまり【同窓会】って最強のエンターテインメントなんでしょうね。
「知っているけど新鮮」ですから。


そして、同窓会とまで言わないけれど、もう少し日常的に体験できる最強のエンターテインメントを発見しました。
自分の住む町で、ときおり、1年間に2〜3度起きるあの瞬間です。


「あれ?あの人、誰だっけ? 見たことあるけど、知らないな」

そう、よく行くコンビニの店員さんの「私服姿」です。
普段、制服姿でしか接しないのですぐには正体がわからないのです。
ここはほぼミステリーですから、エンターテインメントたりうる部分。

知っているけど新鮮。
正体がわかったときの、あの爽快感と安心感。

これからも、よく行くコンビニの店員さんの「私服姿」みたいな企画の作品を作っていかないとななんだこの例え。

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