「BOWMORE」になりたい
シングルモルトウィスキーの聖地、スコットランドのアイラ島に、「BOWMORE」という醸造場があります。お酒好きの方はご存知の方も多いと思います。
3年ほど前に、「堀田カーペットがどんな会社にしたいのか?」ということを考えていたときに、社員から「BOWMORE」のことを教えてもらいました。僕はそれからBOWMOREの虜になりました。理屈抜きにしてそもそもめちゃくちゃカッコいいのですが、僕がBOWMOREを目指そうと思った理由は、5つあります。
1. お客様が飲みたい味を追求するのではなく、自分たちが最高と思うウィスキーをつくっていること。
僕たちはカーペットメーカーとして、ものをつくりお客様にお使い頂いています。もちろんお客様が何を求めているのかも大切だと思いますが、それ以上に、自分たちは「何がつくりたいのか?」、自分たちが「本当に良いカーペットをつくれているか?」、の方が大切だと思っています。
最終的に本当に良いカーペットかどうかは、お客様に決めていただくわけですが、そもそも自分たちが「欲しい!」と思っているもの、自分たちが「良い!」と思っているもののほうが、お客様に喜んでいただける確率はあがると思っています。
だからこれからも、自分たちがつくりたいカーペットを探し続け、自分たち自身のレベルを上げていくことに集中していきたいと思っています。
2. 世界中に「ファン」がいる。一方で「アンチ」もいること。(嫌いな人は薬みたいな臭いで飲めないという人もいるそうです)
堀田カーペットは「ウールのウィルトンカーペット」というかなり特殊なカーペットに特化して生産をしています。日本のカーペット生産量の1%にも満たないカーペットです。BOWMOREも、「シングルモルトスコッチ・ウィスキー」という希少なウィスキーをつくる会社です。
純粋に世界中の人に堀田カーペットのつくるカーペットを知ってほしい!使ってほしい!という思いもありますが、世界中に売らないと生産できなくなってしまうかもしれない、という危機感もあります。一方で、特殊な商品、特殊な会社は、熱烈にファンになってくださる方もいれば、極端に嫌いという方も出てきます。アンチがいてこそ一流であるとも思います。
堀田カーペットは世界のブランドになりたいと思っています。
3. BOWMOREはホテルやコンビニ、バーやレストランもやっていて、アイラ島になくてなならない会社であること。
堀田カーペットのある、大阪府南部の泉州地域は、日本全国のカーペットの80%を生産している産地です。ですが、生活スタイルの変化や経済環境などによって、多くの会社が倒産に追い込まれ、産地として今過渡期を迎えています。
BOWMOREのある、アイラ島も同じように時代の流れとともに、一部の醸造所が閉鎖されたり、買収されたりしています。BOMMOREは島全体の観光産業を支えるため、ホテルの運営やコンビニの運営もやっています。アイラ島そのものを背負ってたっている会社です。
堀田カーペットも、カーペット産地の誇りを取り戻せるように、未来に夢が持てるように、何より産地として継続できるように、地域を背負って立っていける会社になりたいと思っています。
4. アイラ島の海は荒れていて、空は曇り空で、海に囲まれてはいますが決してリゾートっぽくはなく、それでいてとても美しい。目指すべきトーンに近いこと。
堀田カーペットがつくるウィルトンカーペットは、イギリスの産業革命のときに、はじめて機械化された「ウィルトン織機」を使って生産しており、イギリスにはとても縁のある会社です。
また、堀田カーペットは、英国産ウール(Britishwool)を好んで使っています。反発力、光沢感、カーペットにはとても適しているウールです。
堀田カーペットは、決して南の島のようなイメージではなく、どちらかというと、どんよりとした雰囲気の中に、古い機械の音が鳴り、ノスタルジックなイメージのある会社です。アイラ島にあるBOWMOREのイメージは、堀田カーペットのイメージにぴったりだと思っています。
5. 醸造所の看板など、めちゃくちゃカッコ良い工場であること。
BOWMOREのウィスキーを発酵させるタンクの上には、創業社長から、現代の社長までの「プレート」が設置されています。また、働く職人の姿や佇まいは、見ていて惚れ惚れするほどかっこいい。
堀田カーペットも、決して新しく美しい工場ではありませんが、古い機械を大切に使い続けていることを、丁寧に表現することで、見ていただいたお客様に感動してもらえる工場を目指したいと思っています。
2018年1月、どうしても行ってみたかったBOWMOREに行ってきました。ここで紹介している写真はその時に撮影したものです。実際に行って、その雰囲気や佇まいを肌で感じ、ますますBOWMOREのファンになりましたし、堀田カーペットが目指すべき会社として、間違いない!と確信を持つことができました。
まだまだBOWMOREまで距離がありますが、一歩ずつ前に進んで行きたいと思います。
追伸
最後になりますが、実はBOWMOREはサントリーに買収され、僕はまったくお酒が飲めません。それでもアイラ島、BOWMOREは最高です!
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