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2021年のタクワン(2)吊るしは藁縄に限る

昨日葉を落としたので今日は吊るすことにした。毎年やっているのだがこれが一番面倒。

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紙ヒモ(干し柿用)を使ってみたら一発で切れた。

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しかし、ビニールの縄を使っていたために、安定しないのである。多分藁縄ならいいだろうなと思ってはいたのだが、手に入らないと思いこんでいたのである(普段からホームセンターでは見ない)。

藁縄は季節モノ

そこで藁縄でやってみようと思いホームセンターに買いに行った(売っているのを見たことがなかった)。何とこの季節になると売っているのだ。太さも色々とあり、一番細いのを選んだ。

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ところが今日行ったらあったのだ。一番細いのが1.5分と言う太さである。昔は庭の雪囲いもこの藁縄であったが今はビニールの縄だ。いつくらいからの事であろうか。ぼくが東京に行く前(1980年位)は藁縄だったが、33歳で戻った(1993年)時はもうビニール紐だったような気がする。グローバリズムの嵐が始まる頃である。今や藁縄は贅沢品のだろう。

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縛ってみてびっくりした。大根への吸い付きが圧倒的に違う。5本縛るのに2.5尋(左右に腕を伸ばして1尋)でちょうどよかった。

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わずかしか使わない。50円大根縛るのに1000円の紐かと妻には言われたが、この紐が美味しいタクワンを作るのだと言っておいた。

縛りの技

大根は毎日細くなっていくので縛り方に工夫がいる。父は上手ではなかった。毎年苦労していたようであった。

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僕はなんとかしようと、タクワン作りを引き継いだ時に工夫したら上手く出来るようになった。

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互い違いに片側を一巻きして縛って次を巻く。

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吊るされると自重でしっかりと締まっていく。細くなっても抜け落ちることはない。半分に折れるくらいまで細くなるのだ。

本当に驚いた。いつもの半分以下の時間で出来たのである。

タクワンは発酵食品

あまり注目されないが、タクワンぬか漬けファミリーの一員なのだ。発酵食品とは、マイクロバイオームにより代謝されて、生のときとは違った物として身体に取り込まれるプロセスのことである。

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水分を十分に脱いていく過程でも大根というマイクロバイオームのコロニーのうちでは代謝活動が進む。そして、米糠の内に塩漬けされた時に漬け樽の中は一つの世界になる。そしてその世界は2つとして同じものはない、タクワンも二本として同じ味のものはない。干し柿にとった柿の皮を同じ様に天日で干して合わせるのだ。そこで暮らしているヒトと同じ環境で作られることには意味がある。

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市販のタクワンは工場での乾燥させ、大きなプールの等な所で塩につける。強烈な色粉を入れて黄色くして味をつけるための添加物を入れる。ソレはソレで良いのかもしれないが、僕は食べたいとは思わない。

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しかし、ソレしか食べたことがなかったらタクワンとはそういうものだと思うほかないのだ。お裾分けの基本は自分が食べているものをお分けするということだ。300食を目指して試算しているが、どれだけ大根を漬けなければならないだろうか。しかし、このタクワンを食べたら、よそのものは食べれなくなる。罪作りなタクワンである。

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昨日漬けた葉も随分しんなりしている。塩を足して重しをした。

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干し柿もようやく水分が抜けた感じになってきている。父はいつも手に届く柿をモンで潰したものだ。子どもたちは食べようとしなかった。

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2012年位から干し始めている。

2008年にはまだ母も元気で娘とつけていた。

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#大根の縛り方

#タクワン

#百年のお裾分け


厨房研究に使います。世界の人々の食事の価値を変えたいのです。