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note#54特定の価値観に距離を置くと私が広がる@「歴史思考」
本著には、固定観念からの脱却を手助けしてくれる、言葉の数々が散りばめられていました。
なぜ偉人は遅咲きの人が多いのでしょうか?
理由の一つは、人は歳をとるほどしょぼくれていくように思われがちですが、実際は逆にどんどん可能性が広がり、加速していくからではないでしょうか。
あなただって、「奇跡の人」の1人かもしれません。あなたが何気なくサポートしたり、手助けした人が、巡り巡って奇跡を起こしているかもしれないわけですから。
悩みの原因になるのは特定の価値観です。その価値観から外れてしまった人が悩みに苦しんでいるのです。しかし歴史を見てきたことで、価値観には「絶対」がないことがわかりました。価値観は環境によって規定されるものであり、時代や文化によってコロコロと変わります。ということは、あなたを苦しめている価値観も最近成立したものかもしれず、そのうち、消えてなくなるものである、ということです。価値観はもちろん大事ですが、一生振り回されるようなものでもありません。
世間の価値観を絶対だと思い込んでしまうことで、そもそも悩む必要なないのに、「自分は悩んでいる」と信じ込んでいるパターンも多いんです。本心では悩んでいないのに、悩んでいると思い込んでいるという、ややこしいケースもあります。
意訳ですが、苦しみとは、自分の願ったことが願った通りにならないことである、とゴータマはいいます。
ゴータマは人間が本来、コントロールできないことをコントロールできると思い込むことを「執着」と呼びました。
つまりあなたは、あなたのことを「あなたたらしめる絶対の本質」を持った存在として定義している。「あなたらしさ」や「あなたをあなたとして存在させる何か」があり、それは絶対に動かないものだと思っている。でも、それが勘違いだということを、ゴータマは指摘しているのです。ならば、そもそも、悩み用がないといううことになります。うつろう「私」がうつろう「悩み」について苦しんでいるなんて、二重の幻想ですから。
教養によって特定の価値観や考え方から自由になるのが「メタ認知」なら、特定の「私」から自由になるという究極のメタ認知が「悟り」です。
多様性という言葉をよく聞きますが、これは色々な価値観が併存しているということです。
だからこそ、教養を身につけて、特定の価値観や考え方から距離を置いた方がいい。
大切なのは、その価値観が唯一絶対だと思い込まず、他の価値観も認めておくこと。
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