(14)どういたしまして

老人は、駅近くの本屋さんに頼んでいた本を受け取りに来た。

帰り道、ときたま入るセルフのコーヒーショップに入った。

ブレンドを呑みながら、買ったばかりの本を開き、タバコを一服大きく吸った。


飲み終えて、容器を戻そうと席を立っ。

バイト風の女性店員と目が合った。

「はい、いただきます」とトレイを受け取ってくれた。

「あっ、ありがとう。おいしかった!」

すると、そのバイト風女性がひとこと、

「どういたしまして」

「・・・・・」

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?