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『Comprexxor』レビュー 〜 優等生の万能コンプレッサー。〜 [機材レビュー vol.169]

普段良く使うソフト・機材を簡潔にレビューしていきたいと思います。
今回はコンプレッサー、IK MultimediaのT-RackS 5TR5 Comprexxor』の使ってみた感想を紹介します。

特 徴

・ビンテージ・コンプ定番『EMPIRICAL LABS Distressor』のモデリング。
・FETタイプ・オプトタイプなど、さまざまな用途に使える万能コンプ
ハーモニックディストーションやGBモードで積極的な音作りが可能。

使ってみた感想

今回紹介するのはIK Multimediaの『TR5 Comprexxor』という、ビンテージ・コンプの定番「EMPIRICAL LABS Distressor EL-8X」を再現したコンプレッサープラグインです。

「EMPIRICAL LABS Distressor EL-8X」といえば定番のコンプレッサーで、レコーディング・スタジオでも良く見かけますが、とても使い勝手の良いコンプとして、実機を保有しているDTMerは多いです。

ステレオ使用で実機を揃えるとそれなりの価格になりますが、『TR5 Comprexxor』ではもちろんステレオ処理は可能ですし、この価格でこれだけ再現してくれているのは本当にありがたいです。

なんといっても、いろんなタイプのコンプレッサーを再現できるというのが特徴で、さらに便利な機能もたくさんです。
そして、音質もナチュラルでかなり良いです。

TR5 Comprexxor」使い方

使用してみた感触ですが、パラメーターを把握するにはコンプの知識が少し必要かなと思いました。
しかし、いろんなビンテージ・コンプのパラメーター知っているととても便利なコンプです。

<レシオ・スレッショルドの設定>
「1:1」〜「20:1」「MAX」まで8段階の中から「RATIO」(レシオ)でイメージの音を調整していくやり方で、「MAX」でブリックウォール・リミッター状態まで持っていけます。
スレッショルドはレシオによって自動設定で固定され、「GB MODE」では「1176」の全押しのような過激な設定まで可能です。
この過激な設定にしても、音が破綻することなくとっても扱いやすいのが好印象です。
肝心のコンプのかかり具合は、「INPUT」を上げていきスレッショルドのしきい値に音圧を押し当てていくというやり方で、中央の上にあるメーター「GAIN REDUCTION」(ゲイン・リダクション)を見ながら調整します。

<オプト・コンプ使用>
中央下の「OPTICAL」ボタンを押すとオプトタイプ(光学式)のコンプになり、「RATIO」は「10:1」の固定になり、「ATTACK」は「10」に変わり「4」までの調整、「RELEASE」は「0」に変わり「2」までの調整となり、オプトタイプ特有の少ないパラメーターでの調整に変わります。
そして、コンプのタイプも自然でナチュラルなボーカルストリングスに会う、オプトコンプの質感になります。

サイドチェイン・シグナルをコントロール>
「HP」(ハイパス)と「BAND」(バンドパス)の2種類のフィルターが用意されています。
音域の広いパートやバスコンプの調整では、このサイドチェインで信号を調整できるかがとても重要になるので、この機能はありがたいです。

<ハーモニック・ディストーション倍音を付加>
右上の「COLOR」には倍音を付加させる「Dist 2」「Dist 3」のボタンがあります。

「Dist 2」・・・真空管を通したようなサウンド
「Dist 3」・・・テープのような歪み
ダイナミクスのコントロールだけではなく、「1:1」での通すだけで心地良いサウンドになり、さらに「Dist 2」「Dist 3」で倍音を加えて音にカラーを付けられるのが、かなり気に入っています。
「TONE」で好みのサチュレーションに近づけやすいです。
右のカラーメーターで倍音の効果量が分かります。

パラレルコンプ
プラグインならではの「DRY / WET」で、パラレル・コンプが簡単に調整できるのはとても便利です。

好きなところ

・いろいろ使える万能なコンプレッサー
・音がまとまりやすい!
・音が破綻しにくい!

気になるところ

コンプの知識がないと初心者の方には分かりにくいかも。

こんな方にオススメ

・いろんなタイプのコンプを使う人
コンプの知識がある人
・IK Multimediaが好きな人

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『Comprexxor』をもっと詳しく知りたい方はこちら


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