リニアフェイズEQとは?〜素材を壊さず変化させるEQ〜 [音楽用語 vol.178]
リニアフェイズEQ(Linear phase Equalizer)
位相のズレによる歪み発生させない、濁りがなくキレイな効果を得ることができるEQのことをいいます。
EQで狙った周波数の音圧を変化させると、そこで微量ですが歪みが発生します。
それが音のキャラクターにもなるのですが、最終2mixのようないろんな音が混ざった状態の処理はあまり濁らせたくありません。
そんな時にリニアフェイズEQが効果を発揮します。
少し大げさに言うと、「本当にEQの処理かな」と思うくらいの違いがあります。
キレイに調整できて全部このEQで良いのではと思うかもしれませんが、やはりメリットもあればデメリットもあるので、使い所を見極めて効果的に使っていきたいです。
使い分けとしては、「味付けをするためにアナログEQ」「バランス・質感を崩さないようにリニアフェイズEQ」という考え方で良いと思います。
リニアフェイズEQの特徴
リニアフェイズEQの最大の利点は、上記でも説明した通り「位相(フェイズ)のズレによる歪み発生させない」ということです。
しかしその効果を作るにはとても多い計算量が必要になるので、どうしてもCPUの負荷が大きくなり、レイテンシーも起きてしまいます。
ということで、各トラックに挿して使うというのはおすすめできません。
そのかわり、2mixにはとても効果を発揮します。
<メリット>
・濁らず透明感のある調整ができる。
・2mixをナチュラルに微調整できる。
<デメリット>
・CPUの負荷が大きい。
・レイテンシーが発生する。
リニアフェイズEQのおすすめ
ひと昔前はそのCPUの負担の大きさから使用される人が限定されていましたが、近年ではパソコンの性能も上がり、かなり身近になってきています。
<リニアフェイズ専用のEQプラグイン>
プラグインでリニアフェイズEQの有名なものは、waves『Linear Phase EQ』やIK Multimedia『TR5 Linear Phase Equalizer』があります。
<スイッチでモードを切り替えられるEQプラグイン>
iZotope『Ozone 9EQ』やFabFilter『Pro-Q3』など、近年のデジタルEQのプラグインには、スイッチを切り替えるとリニアフェイズモードになるものもあるので、とても気軽に扱えるようになっています。
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『リニアフェイズEQ』を詳しく知りたい方はこちら
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