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『Sunset Sound Studio Reverb』レビュー 〜 IRリバーブはやはり気持ちいい質感。〜 [機材レビュー vol.170]

普段良く使うソフト・機材を簡潔にレビューしていきたいと思います。
今回はリバーブ、IK MultimediaのT-RackS 5TR5 Sunset Sound Studio Reverb』の使ってみた感想を紹介します。

特 徴

・伝説のLAスタジオ「Sunset Sound Studio」の空間を再現。
・空間をシミュレートして残響音を作る、コンボリューション・リバーブ・プロセッサ。
・簡単操作でリアルな残響音を生成。

使ってみた感想

今回紹介するのはIK Multimediaの『TR5 Sunset Sound Studio Reverb』という、伝説のLAスタジオ「Sunset Sound Studio」をシミュレートしたコンボリューション・リバーブプラグインです。

コンボリューション・リバーブとは、IRリバーブとも呼ばれ、普通のデジタルリバーブとは違い、空間をシミュレートして音に残響を加えていく方法のリバーブです。
DTMではよく出てくるリバーブです。

今回のプラグイン『TR5 Sunset Sound Studio Reverb』は、「Sunset Sound Studio」という「ローリング・ストーンズ」「ドアーズ」「レッド・ツェッペリン」「ヴァン・ヘイレン」「プリンス」などの名盤を生み出したスタジオの、3つの「エコー・チェンバー」「ライブ・ルーム」「アイソレーション・ブース」に加え、「プレート・リバーブ」「スプリング・リバーブ」を再現することができるツールになっています。

使ってみた感想は、残響音がクリアというより、生々しくて伸びがキレイといった感触でした。
生演奏好きの僕にとっては、結構感動ものでした。

やはり生楽器にすごく馴染みが良いという印象で、特にドラムには完璧な仕事をしてくれます。
パワーと一体感がグッと出てきます。
「プレート」「ブース」は歌にはとても使えます。
ギターにも臨場感が加わり楽しくなってきます。
ということで生楽器の臨場感を本当によく作ってくれます。

パラメーターも複雑ではなく分かりやすいので、レコーディングのオモチャ感覚で扱えて、かなり楽しいです。
実写付きでどのようなリバーブかも分かりやすいので、設定後に右の「DRY」「WET」を使えばイメージの音を作りやすいと思います。

右上に「360°」マークがある画像は、グーグル・ストリートビューのようにマウスでドラッグすれば、部屋の環境が360°確認できるというオマケがIKっぽくてたまらないです。
録音状況や部屋の広さ、天井の高さ、マイクのセッティングなど、さらに部屋の環境がよくわかります。
いじっていたら楽しくてあっという間に時間が過ぎてしまいます。

❶「REVERB TYPE」

ここの左の4つのボタン「CHAMBER」「LIVE ROOM」「ISO BOOTH」「PLATE SPRING」からリバーブのタイプを選べます。

<CHAMBER>
残響音を生成するために作られた部屋。
壁の反射音を広いリバーブを作ります。

<LIVE ROOM>
レコーディングルーム。
ドラムストリングスなどマルチに使う部屋です。

<ISO BOOTH>
ボーカル録音やギターをタイトに録音する時に使う隔離されたブースです。

<PLATE SPRING>
プレート・リバーブを2種類「EMT 140」「Echoplate」、スプリング・リバーブを1種類「AKG BX-20E」を用意されています。

❷ 残響音を調整

「PRE DELAY」と「DECAY」で残響音を調整します。

「PRE DELAY」・・・反射音までの時間。
「DECAY」・・・残響音が減衰していく時間。

フィルターEQで質感を調整

フィルターは「ハイパスフィルター」と「ローパスフィルター」、EQは「低域」と「高域」の調整ができます。

「HPF」・・・OFFにするか、10Hzから20kHzの間でハイパスフィルターをかけられます。
「LOW」・・・低域200Hz固定で±12dBの調整ができます。
「HI」・・・高域5kHz固定で±12dBの調整ができます。
「LPF」・・・OFFにするか、40Hzから20kHzの間でハイパスフィルターをかけられます。

マイクの設定で音の広がりを調整

「MIC」で使用するマイクをセレクトすることができます。
「WIDTH」でステレオイメージャーの設定で音の広がりを調整することができます。

パラレルコンプを調整

「DRY」(原音)と「WET」(エフェクト音)の割合を調整できます。
「SOLO」でそれぞれの音だけで確認でき、ここのパラレルコンプの調整でリバーブのかかり具合をイメージの音に最終調整できます。

プリセットで音作り

プリセットは「インサート」用と「センドリターン」用が用意されています。
設定はどちらも同じですが、「WET」の量だけセンドリターン用はフルテン(100%)になっています。

「CHAMBER」「STUDIO 1」のセッティングや「LIVE ROOM」「STUDIO 2」のセッティングのように、ひと通りのパターンが用意されているので、プリセットから音作りを調整していくのが良いと思います。

好きなところ

・実写で分かりやすいエディット!
・パラメーターもシンプルで分かりやすい!
・音質が生々しくリアル!

気になるところ

・IRリバーブは仕方ないですがCPU負荷が大きいです。

こんな方にオススメ

・生演奏が好きな人
ドラムの音作りを追求したい人
レコーディングの歴史が好きな人
・IK Multimediaが好きな人

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TR5 Sunset Sound Studio Reverb』を
もっと詳しく知りたい方はこちら


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