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ニッカウヰスキー余市蒸留所見学

余市にあるニッカウヰスキーの蒸留所の見学に行ってまいりました!
完全予約制でなかなか人気なので、予約を入れた時点で朝イチのひと枠しか空いていませんでした。そこが運よく取れてよかったです。1人から9人まで申し込めます。「1人」でも行けるのが良いところですね。

ホームページの記載を参考に余市蒸留所について記してみます。

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「一人でも多くの日本人に、本物のウイスキーを飲んでもらいたい」。熱い想いを抱き1918年に単身スコットランドへ渡り、不屈の精神でウイスキーづくりを学んだ創業者竹鶴政孝。余市蒸溜所は、ウイスキーづくりの理想郷を求めた竹鶴がひらいたニッカウヰスキー初の蒸溜所なんです。
学んだウイスキーづくりを一切の妥協なく再現するため、スコットランドに似た気候と自然環境を求めた竹鶴が数多くの候補地の中から選んだのが、北の大地。小樽の西、積丹半島の付根に位置する余市だったのです。

当時の余市は民家もほとんどなく、ただ雑草と土塊に覆われた湿原が続く寂しい土地でしたが、竹鶴の目はこの海風が吹く原野こそウイスキーづくりに理想的な場所であると見抜いたのです。

出資者を募った竹鶴は1934年、ニッカウヰスキーの前身である大日本果汁株式会社を余市に設立。妻・リタを工場敷地内の木造洋風家屋に迎え入れて蒸溜所建設に取り組みました。2年後にはポットスチルの炉に石炭がくべられ、ウイスキーづくりの第一歩が刻まれたのです。

しかし、ウイスキーは蒸溜してすぐ販売できるものではありません。原酒が熟成して出荷できるようになるまで、竹鶴は地元特産のりんごを搾ってジュースとして販売し運転資金の足しにしました。「大日本果汁」、後に「ニッカ」となる社名は、このりんご果汁にちなんだものです(これ、初めて知りました!)。ジュースだけでなくゼリーやワイン、ブランデーなど、りんごは数々の商品となって黎明期の経営を支えました。さまざまな苦難を乗り越え、遂にニッカウヰスキー第一号が世に出たのは、1940年のこと。スコットランド留学から22年目の秋のことでした。

竹鶴政孝が余市蒸溜所に託した役割は、重厚で力強いコクのあるモルト原酒をつくること。そこで採用したのが、自ら学んだスコットランドのロングモーン蒸溜所と同じ「石炭直火蒸溜」です。

「石炭直火蒸溜」
ポットスチル


蒸溜の際に使われるポットスチルは、下向きのラインアームを持つストレートヘッド型。アルコール以外のさまざまな成分を残しながら蒸溜が進むため、原酒に複雑で豊かな味わいを与えます。底部は1000℃を超える高温になるポットスチルを、職人が絶妙なタイミングで石炭をくべ入れ、適度な「焦げ」ができることで独特の香ばしさが生まれます。

余市は北に日本海を臨み、三方を豊かな自然あふれる山々に囲まれた地。厳しい冬の間に標高約1,500mの余市岳を始めとする山々に降り積もった雪は、春の訪れとともに雪解け水となって余市川に注ぎ込みます。鮎が泳ぎ鮭が遡上するこの豊かな清流が、原酒の仕込み水になるのです。モルトウイスキーの原料である大麦も豊富で、石狩平野では麦芽にスモーキーな香りをつけるピート(草炭)や石炭も採掘できました。
四季を通じて寒冷な余市の気候は、ウイスキーの熟成にも適しています。わずかに潮の香りを含む湿潤で澄んだ空気が樽を乾燥から守り、芳醇な香りを封じ込めます。厳しくも豊かな大自然に包まれた北の海辺は、竹鶴が目指した力強い原酒を育む地として理想的な条件を備えているのです。

石炭直火蒸溜でつくられる余市モルトは、竹鶴政孝が目指した通り力強く重厚。何にも負けないコクがあり、木の個性が強く出る新樽に詰めて熟成させても、新樽特有のウッディな香りやバニラの香りを備えながら、本来の重厚さを失わない味わいになります。グレーンウイスキーや複数のモルトを組み合わせても余市モルトが基幹となり、深みのある豊かな味わいのウイスキーをつくり出すことができるのです。
「余市モルトには潮の香りがする」とも言われます。石狩湾から吹く海風のフレーバーを樽が吸収し、熟成の間に原酒に溶け込んでいるのかもしれません。ヘビーピートタイプのモルト原酒も、余市蒸溜所で伝統的につくられてきました。」

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ツアーの詳細は、以下の記事が詳しいです。


蒸留や樽作りなどの作業を担う職人さんの紹介記事が大変興味深いものでしたのでご覧ください。音楽職人である私からすると、こういう人たちの活躍が本当に心揺さぶられるものがあるんです!

①炉の火の様子を見極めながら、職人の手で石炭がくべられる石炭直火蒸留を担う職人さん。近代化・効率化とは相反するその手法が、余市のウイスキーの独特な味わいを生み出すのだそうです。

②樽職人と貯蔵と混和を担当する職人さんたちの声。二回の蒸溜を経て、ウイスキーのおいしい部分(ハート)のみが樽に詰められます。この段階ではまだ無色透明。樽の成分を吸収しながら熟成が進むと、その色は琥珀色へと変わっていきます。そうして色だけではなく味も深まった原酒同士を掛け合わせて(混和)ウイスキーは完成へと近づいていくのだそうです。

見学の最後はお待ちかね「試飲」。以下の3種類が飲めます。
「余市」「スーパーニッカ」「アップルワイン」

「余市」はニッカウヰスキーシングルモルトの代表的銘柄ですが、ジャパニーズウイスキーの人気ゆえに簡単に入手することは困難。たまにバーに行った折に「余市」や「宮城峡」をストレートやハイボールで味わうことがありますが、なかなか自宅用に買うこともできません。蒸留所での説明や職人さんの働きを知った後に飲む「余市」には格別の味わいがありました。

売店で「蒸留所限定商品」を買い求め、大満足のうちに蒸留所を後にしたのでした!皆様も蒸留所に足を運んでみては?ウイスキー愛、ニッカ愛が膨らむこと間違いなし!です。


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