これは現実の話・僕がバイトをやめるまで①

☆ プロローグ(この項は単に愚痴です。読み飛ばしたほうが良いかも?)

 今ぶっちぎりでニートをしています。
 今日は6月8日。ちょうどあの日から一か月。
 詳細を書いてると吐き気を催すので省きますが、パートのおばちゃんの、こう、何かに欠けるタイプの発言に耐え切れず、そうでなくても間接的直接的に辞めろ辞めろと言われ続けていたんですな。
 発言と言うのはつまり差別偏見ヘイトの類なので具体的になったのは二月ごろからだったかしら。まぁそれまでも品の有る雰囲気ではなかったにせよ持ち前の育ちの良さでやり過ごしてたんですが、仲の良かった社員さんが退職し、多少なにかブレーキを効きにくくしてたんかもしれない。
 新しく入社したふたりの社員の内、若者はパートの人達と共に嫌味や皮肉をぶつけてくる。まぁ若者からしてみたら、10歳以上年上の不器用なバイトなんて、接し方使い方分からんだろうしね。もう一人は中年のいかにも職人さん、元ヤン風爽やかさの持ち主。つまり良い人っぽくはある。で、僕は悪い癖でこういう人に会うと、こいつ多分ウツの人とか自分で自殺に追い込んどいて泣くタイプだなぁとつい思ってビクビクちゃう。(なんちゅう癖だ)後にそこんとこ、やや確信を得るのですが……。
 
 ま、総じてウンザリとはしてたのです。

 パートの人達にはなるたけ言葉を選んで言うべきと思う事、僕なりの真っ当をぶつけてみては無視または冷笑される。慣れては居ても楽しいものではない。言って聞かれないとは言えを殴ったり蹴ったり〇したとして、僕がそう言うことすると『良い歳してプリキュアなんか観てたことの悪影響で……』とかまたつまらん馬鹿がつまらん番組で分析しかねない。だからする訳に行かない!
 だから我慢しようと思ってたんですがまぁ倉庫の中で奇声を挙げる、辺りのもの蹴飛ばす、ななにか机に置く時は出来るだけ大きな音を立てて、等々に気を駆けてました。
 しょっちゅう繰り返される、5分前にしろと言ったことをするな、するなと言ったことをやれなどと言うめいて令に対しては演劇仕込みの腹式呼吸で
「はぁああん!?」(←字で書くと実写版デビルマンのアレみたい)
 と叫び、それが日に三回も続けば人目も憚らず壁に頭をぶつけまくって精神を落ち着けようと試みていましたが、それチョイスした時点で落ち着けて無さはマックスに等しい。
 辞めろ辞めろ向いてないと言われ、まぁ自覚はしてるので4時起きで職場に向かい早めに仕事を始めてみたり、まぁまぁ出来る限りそれでも役立つようにはしてきましたが、その辺のストレスで出来たアトピーを指して汚いから別の仕事探せとか言われたのは、怒りとか悲しみとかじゃない、圧倒的な軽蔑を抱くに至ったのです。
 説明が分かりにくいんで「つまりこういうことですか?」と聞いたら違うがな馬鹿垂れと何十回も遠回りな説明の後、結論は最初に僕が聞いた通り。
 で、ひとを馬鹿だアホだと言うので、ふざけんな最初に聞いた通りだったじゃねぇか耄碌ババァ!と言うニュアンスの事を必死こいて丁寧な言葉で言ったら反論したら思わず涙が止まらなくなりましてね。
 で、先方の結論は
・ まず最初にこちらからの説明が必要な時点で、これまで真面目に仕事をしてこなかったということだからお前が悪い
・ 私が説明できてないなんてことは無い。お前に理解力がないと言う事であればお前は難しく考えすぎなだけ。お前が悪い。
との事でございまして。
 俺が考えすぎじゃなぇテメェがなんも考えてないんだと言うのを具体性を挙げようかと思いましたが、キリが無いほどキリが無い量なので断念。
でも60越えた人が
「選挙なんて行くのアホらしい。ああ言うのは行かんと文句だけいうもんや」
 とか人前で堂々と言えるのはなんなん。

 繰り返しますが、総じてウンザリしておりまして。

 前述の若い社員の嫌味皮肉と言うオジサンフリーターに一番効くソレ……、はまぁうるせぇ脚本書かせたら俺の方が上手いんじゃという絶対対決する機会のない前提で心を保っとったのですが、気風の良いおじさんが爽やかに
「人生は死ぬまでの暇つぶしやで。せやから仕事を真剣にするんや」
「わしゃ子供には何をしても良いけど、『ごめんなさい』と『ありがとう』だけは絶対言うように教えてるんや」
 と、恐らくオリジナルではないと思われるカッコイイ風の事を言って来るので、ああこの人は(以下、わりととんでもないことを描いてたので略します)……、平たく言いうとゴジラで泣かない人だ。(これで分かる人は分かるでしょ。正確にはセリザワとゴジラの心中に、ね)
 つまり!僕の演劇に向いてない人だ。こっちは仕事しててもしてなくてもボンクラの王としてて暇なんてねぇんだ! あと、ガキの頃、挨拶とお礼だけは言える奴になんぼでもいじめられとったわ!(俺も俺もって人には『帰ってきたウルトラマン』の第25話とかおすすめ)となまじ普通にやさしく真っ当なことを言ってはくれてるので言いようのない感情……、まぁ空しくなったんですね。自分の大切にしてる気持ちとか矜持が、芝居を離れれば(いや、芝居してても往々にしてそうだけど)ほかの人達と全くつながってないんだな、としんどくなっちゃいまして。

 そもそもコロナ禍。

 結局自分が掛っわた物も含め、多くの公演は延期になり、多くの同胞が悲しみと苦しみに打ちひしがれつつ頑張ってるなか、俺ってなにしてんのかなーっともなってたのかもしれない。

 それだけに『笑の内閣』の企画で、髭だるマンさんに短編書き下ろしたときは楽しくて仕方なかった。好きな役者に好きな事書いた脚本使って芝居して貰うなんて最高だね。

 ただ、ね。

 ここまで書いてきたようことが重なった上でのことだったので
「ああ、どんだけ脚本書くの楽しくても売れてこなかったし、これからも売れないんだろうな」
 と、売れる努力をしてこなかったことはガン無視でネガティブの渦に巻き込まれてしまったのです。もう渦が出来てたのです。のがれられ、られられない。

 こうなればストレスでプッツンとなるか、そうなる前に敵を叩きのめすか、どこか遠くへ旅に出て、その果てに倒れるかの三択しかない。
 曲がりなりにも演劇?とかいう、芸術?なんて呼ばれてることしてる?オジサンには旅がいいんじゃないか。あてどなく彷徨う現代の山頭火となろうではないか。歌の一つもしらんけど。

 と、三つの選択肢を頭の中でプラプラさせては、一日一時間以内しか寝られない日が続いて、5月8日ゴールデンウイーク明け、その日は午前3時半に眠り、4時には目が覚め……、目が覚めてしまったのです。あらぬ方向に。

つづく

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