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田原イコール物語16 自己組織化する学校プロジェクト

2018年に「自己組織化する学校」プロジェクトをスタートした。学校という決められた構造があるのではなく、自己組織化するプロセスの中で自然発生する学びのコミュニティが、結果として学校のようなものになっていけないかという発想だった。

様々な学習拠点が緩やかに繋がって、個別にできることと、一緒にできることを、それぞれ追及していけないかと思ったのだ。自己組織化する学校・準備グループというFacebookグループを作り、定期的にミーティングを重ねた。クラファンしてホームページを作り、イベントをやったり、いろんなことをした。

自己組織化する学校の中で生まれた取り組みがいくつかあった。そのうちの一つが「歴史迷宮さまよいの会」だった。これは、歴史好きの中学生や小学生が、歴史の内容について説明してくれて、それを大人が聞きながら、いろいろ質問するというものだった。中心になっていたK君とR君が、毎回、歴史のネタを用意して、まるで見てきたかのように生き生きと語ってくれる。それに対して、「え、それは、どうやって分かったの?」とか「その人たちは、何のために戦ったの?」というように、素朴な疑問をぶつけていくと、みんなでうんうん考える時間が生まれて楽しかった。

子どもを中心に据えた学びのプロジェクト「ジコヨビ」も始まった。あっきー、知佳さん、ゆっきーなどが、子どもの内面を大事にした環境づくりについて何度も話し合っていた。

フリースペースつなぎと一緒にやった「田原の窓」も、自己組織化する学校プロジェクトの試行錯誤のなかの一つの取り組みだった。

いくつかの取り組みはできたのだけど、子どもや若者と一緒に、未来の学びについて考えるところがうまくいかなかった。当事者不在で話し合っている感があった。そこを何とかしたかったが、理念を深めていけばいくほど、子どもの学びの現場とは距離が開いていく感覚があった。
 
自己組織化する学校プロジェクトには、ビジネスモデルがなかったので、半年くらいして継続が困難になった。想いだけでは持続可能な取り組みにはならないということを実感した。活動を継続できる仕組みをどのように作るのかが、未来へ向けての宿題になり、どうしたらよいかをずっと考えてきた。

6年後の今、あの時はできなかったことを、別の形で実現したいと思う。田原イコールは、そのためのツールの一つだ。

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