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AIによってファシリテーションはどのようにアップデートするか?

ChatGPTが出てきてから、各業界が大きく揺れていますね。生成型AIの使用が拡がるのを止めることができない以上、それをどう活用するか、どうリスク回避するか、という話になってきますよね。

社会変革ファシリテーターの視点で、生成型AIの登場が、社会構造のどのような変化を促進するのか?5分の動画にまとめてみました。

私は、社会と教育とが相互補完的に変化していくと思っているので、教育にフォーカスした考察も作りました。

教育も企業組織も、前例踏襲型と前人未踏型の「両利き」になっていくとすると、AIの活用は、
1)前例踏襲型のプロセスを効率化するための活用
2)前人未踏型のプロセスを補強するための活用
とに分類できると思います。

両利きの教育とAI活用

今、「ChatGPTを活用した〇〇」というセミナーの広告をあちこちで見かけますが、そのほとんどが、
1)前例踏襲型のプロセスを効率化するための活用
ですね。

これは、10人でやっていた仕事を、2人でできるようになるよう方法の開発ですから、生成型AIによる業務効率化を企業組織に適用すると、人員が余ってくるんですよね。

余った人員を、リストラするのか、リスキリングするのか、みたいな課題に、すぐに直面していくのだと思います。

だから、その後の展開も見据えて考えたいと思います。

企業が生成型AIにおける業務改善を始める場合、

1)生成型AIにおける既存のワークフローの効率化
2)組織改革と配置転換
3)リスキリングによる再教育と、新しい組織論
4)生成型AIを活用した新規事業の促進

といった、一連の展開を見据える必要があるのではないかと思います。

私の強みは、2)以下のプロセスの伴走にあるので、それに向けて、概念や方法論を整理しているところです。

両利きの経営とAI活用

ファシリテーターとしては、テクノロジーの発展によって、創発のプロセスが補強されるというところに関心があります。

Zoomによってオンライン化が進むと、対面の場には参加できなかった多様なメンバーを対話の場に招くことができるようになり、さらには、低コストで対話の場を継続することができるようになりました。

Miroが登場すると、多様な視点を1枚のホワイトボードで可視化して、意見をかみ合わせたり、継続的なプロセスを巻物のように記録したり、ビジュアルを活用したコミュニケーションスタイルを導入したり、いろいろな手法が発展しました。

生成型AIが登場したことで、確実に、創発的な話し合いのプロセスもアップデートするはずです。

じゃあ、生成型AIを創発的な話し合いのプロセスのどこにどうやって活用できるのか?プロセスを分解すると、以下のようになります。

Step 1 ブレスト&調査
Step 2 構造化して全体を見る
Step 3   エッセンスの洞察
Step 4   エッセンスからの構築

太字で書いたところ(Step 1とStep 4)が、生成型AIで補強できそうなところです。ただし、ChatGPTの特徴を踏まえた工夫が必要です。

4月26日に有志を集めて、最初の創発ワークのテストランをやってみました。急ぎ足でやったので、ChatGPTで何ができるか?みたいなところにフォーカスすることになりましたが、可能性と課題の両方を感じました。

とくに、AIは、当たり障りのないよくある意見を書いてくるので、ブレストワークにAIを参加させるときには、工夫が必要ですね。

アウトプットに形式があるときにたたき台の文章を作ることは、ChatGPTは得意なので、Step 4の作業の補強の役割は、だいぶクリアにイメージできました。

実際にやるときには、十分な時間をとって、Step 2とStep 3の人間がやるワークのところのクオリティを高めることがポイントになります。そこは、これまで通り、ファシリテーターの場づくりと問いが重要な役割を果たすことになります。

1泊2日の創発ワーク合宿

テストランの感触も踏まえて、5月6日・7日に本気の創発ワーク合宿をやります。タイトルは、「暗中模索力講座」

この日は、午前中に橘川幸夫さんの新刊発売記念のイベントがあります。タイトルは、
『メディアが何をしたか?Part2 ChatGPTが何をするのか?』

1984年に出版された『メディアが何をしたか?』は、大変優れた時代考察で、この本を読んで、当時の構造がとてもよく理解できました。

それから、約40年後に出版するPart2が、今回の新刊です。

6日の午前中から参加する方は、橘川&田原の対談で、視座がぐぐっと高まるはずです。

13時からは、イベントの開会式があります。今回の「暗中模索力講座」は、画家の今井陽子、作家の青海エイミー、一本歯下駄GETTAⓇトレーナーの宮崎要輔と田原真人の4人で「身体と創造性」をテーマにしたイベント内の1つのコースとして実施します。
 
他のコースの参加者との交流や、朝のクンダリーニヨガ(講師は青海エイミー)などの時間もあります。
 
初日のワークは、創発ワークについての説明の後、ひたすらカオスへと向かいます。途中に散歩の時間もあります。人間だけではたどり着けないカオスを目指します。そして、混乱したまま寝ます(笑)。

寝ている間に、少しずつ整理されてくるので、翌日は、エッセンスを掴みに行きます。そして、AIの助けも借りながら構築していきます。

拡散⇒創発⇒収束 のプロセスを、AIによって増強する体験になればいいなと思います。が、初めてやるので、どうなるのか分かりません。

前人未踏型をガチでやります。

どうなったとしても、今の時代状況の中で必要な、貴重な知見が得られるはずです。

(追記)

一泊二日の「暗中模索力講座」では、ChatGPTを活用したブレストワークを実践しました。そこで得た知見を、今後共有していきます。

関心のある方は、田原までご連絡ください。




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